IV 東日本大震災からの復旧・復興に関する施策
(1)災害からの復旧の推進
東日本大震災により被災した治山施設について、引き続き治山施設災害復旧事業により復旧を図るとともに、地震により発生した崩壊地等については治山事業により着実な復旧整備を図る。
また、林道施設についても、林道施設災害復旧事業により、着実な復旧を図る。
(2)被災した海岸防災林の復旧及び再生
潮害の防備、飛砂・風害の防備等の災害防止機能を有し、地域の生活環境の保全に重要な役割を果たしている海岸防災林について、被災箇所ごとの地形条件及び地域の合意形成の状況等を踏まえながら、津波に対する減災機能も考慮した復旧及び再生を推進する。
なお、生育基盤の造成等に当たっては、災害廃棄物由来の再生資材を活用することにより災害廃棄物処理の促進に貢献するとともに、NPO等の民間団体とも連携しつつ植栽等を推進する。
(3)放射性物質の影響がある被災地の森林・林業の再生
東京電力福島第一原子力発電所事故により放射性物質に汚染された森林について、汚染実態を把握するため、樹冠部から土壌中まで階層ごとに分布している放射性物質の挙動に係る調査及び解析を行う。
また、放射性物質の拡散防止等を目的として技術実証を実施した箇所において、モニタリング調査等を実施し、効果を検証する。加えて、避難指示区域等において、避難指示解除後の林業の再生を円滑に進められるよう実証事業を実施するとともに、林業の再生に向けた情報の収集・整理と情報発信等を実施する。
さらに、被災地における森林整備を円滑に進めるため、伐採に伴い発生する副産物の減容化や、木質バイオマスの利用の推進、ほだ木等の原木林の再生等に向けた取組を推進する。
加えて、消費者に安全な木材製品を供給するため、木材製品、作業環境等に係る放射性物質の調査・分析、木材製品等の流通調査・分析や木材製品等の安全を確保するための安全証明体制の検討・構築に対して支援する。
このほか、放射性物質が付着したことにより利用できず、製材工場等に滞留している樹皮(バーク)の処理費用等に対して支援する。
(4)放射性物質の影響に対応した安全な特用林産物の供給確保
安全な特用林産物を供給するため、安全な山菜、きのこ等の栽培方法や利用方法の確立、産地の放射性物質による汚染を低減させる技術の検証に対して支援するとともに、放射性物質による影響を回避するためのほだ木の洗浄機械や簡易ハウス等の整備を支援する。
また、都県が行う放射性物質の検査を支援するため、国においても必要な検査を実施する。
(5)東日本大震災からの復興に向けた木材等の活用
被災者の住宅再建及び被災地域の林業・木材産業の復興を図るため、地域で流通する木材を活用した木造復興住宅等の普及を推進する。
また、復興に向け、被災地域における木質バイオマス関連施設の整備を引き続き推進する。
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