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ホーム > 森林・林業白書 > 平成27年度 森林・林業白書(平成28年5月17日公表) > 平成27年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第2部 IV 国有林野の管理及び経営に関する施策


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第2部 IV 国有林野の管理及び経営に関する施策

1 公益重視の管理経営の一層の推進

国土保全等の公益的機能の高度発揮に重要な役割を果たしている国有林野の特性を踏まえるとともに、多様化する国民の要請への適切な対応、森林・林業の再生への貢献のため、森林・林業基本計画等に基づき、次の施策を着実に推進した。

その際、流域の実態を踏まえながら、民有林と国有林が一体となった地域の森林整備や林業・木材産業の振興を図るため、森林の流域管理システムの下で民有林との連携を推進した。

(1)森林計画の策定

「国有林野の管理経営に関する法律」(昭和26年法律第246号)等に基づき、32森林計画区において、地域管理経営計画、国有林の地域別の森林計画及び国有林野施業実施計画を策定した。

(2)健全な森林の整備の推進

国民のニーズに応えるため、個々の国有林野を重視すべき機能に応じ、山地災害防止タイプ、自然維持タイプ、森林空間利用タイプ、快適環境形成タイプ及び水源涵(かん)養タイプに区分し、これらの機能類型区分ごとの管理経営の考え方に即して適切な森林の整備を推進した。その際、地球温暖化防止や生物多様性の保全に貢献するほか、地域経済や山村社会の持続的な発展に寄与するよう努めた。具体的には、人工林の多くが未だ間伐が必要な育成段階にある一方、伐採適期を迎えた高齢級の人工林が年々増加しつつあることを踏まえ、間伐を推進するとともに、育成複層林へ導くための施業、長伐期施業及び小面積かつモザイク的配置に留意した施業を推進した。なお、再造林に当たっては、効率的・効果的な手法の導入に努めた。

また、林道及び主として林業機械が走行する森林作業道が、それぞれの役割等に応じて適切に組み合わされた路網の整備を推進するとともに、「公益的機能維持増進協定制度」を活用した民有林との一体的な整備及び保全の取組を推進した。

(3)森林の適切な保全管理の推進

国有林においては、公益重視の管理経営を一層推進し、保安林等の保全・管理、国有林の地域別の森林計画の樹立、森林・林業に関する知識の普及及び技術指導等を行った。

生物多様性の保全の観点から、原生的な森林生態系や希少な野生生物が生育し、又は生息する森林については、厳格な保全・管理を行う「保護林」や野生生物の移動経路となる「緑の回廊」に設定し、モニタリング調査等を通じた適切な保全・管理を推進した。渓流等と一体となった森林については、その連続性を確保することにより、よりきめ細やかな森林生態系ネットワークの形成に努めた。その他の森林については、適切な間伐の実施等、多様で健全な森林の整備及び保全を推進した。

また、野生生物や森林生態系等の状況を的確に把握し、必要に応じて植生の回復等の措置を講じた。

さらに、世界自然遺産の「知床(しれとこ)」、「白神(しらかみ)山地」、「小笠原(おがさわら)諸島」及び「屋久島(やくしま)」並びに世界自然遺産の国内候補地である「奄美大島(あまみおおしま)、徳之島(とくのしま)、沖縄島(おきなわじま)北部及び西表島(いりおもてじま)」における森林の保全対策を推進するとともに、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」等の世界文化遺産登録地やその候補地及びこれらの緩衝地帯内に所在する国有林野について、森林景観等に配慮した管理経営を行った。

また、森林における野生鳥獣被害防止のため新技術の導入及び実証等を実施するほか、地域住民等多様な主体との連携により野生鳥獣と住民の棲み分け又は共存に向けた地域づくり、自然再生の推進、国有林野内に生育し、又は生息する国内希少野生動植物種の保護を図る事業等を実施した。

二酸化炭素の吸収源として算入される天然生林の適切な保護及び保全を図るため、グリーン・サポート・スタッフ(森林保護員)による巡視や入林者へのマナーの啓発を行うなど、きめ細やかな森林の保全・管理活動を実施した。

(4)国有林野内の治山事業の推進

国有林野内の治山事業においては、近年頻発する集中豪雨や地震等による大規模災害の発生のおそれが高まっていることを踏まえ、山地災害による被害を防止し、軽減する事前防災・減災の考え方に立ち、民有林における国土保全施策との一層の連携により、効果的かつ効率的な治山対策を推進し、地域の安全と安心の確保を図った。

具体的には、荒廃山地の復旧等と荒廃森林の整備の一体的な実施、治山施設の機能強化を含む長寿命化対策やコスト縮減対策、海岸防災林の整備・保全対策等を推進した。また、流木災害の防止対策等における他の国土保全に関する施策と連携した取組、国有林と民有林を通じた計画的な事業の実施、積極的な木材利用及び生物多様性の保全に資する治山対策等を推進した。

(5)林産物の供給

適切な施業の結果得られる木材について、持続的かつ計画的な供給に努めるとともに、その推進に当たっては、未利用間伐材等の木質バイオマス利用等の新規需要の開拓に向け、安定供給システム販売等による国有林材の戦略的な供給に努めた。その際、林産物の供給に当たっては、間伐材の利用促進を図るため、列状間伐や路網と高性能林業機械の組合せ等による低コストで効率的な作業システムの定着に向けて取り組んだ。また、国産材の安定供給体制の構築に資するため、民有林材を需要先へ直送する取組の普及及び拡大等国産材の流通合理化を図る取組に対して支援した。

さらに、国産材の2割を供給している国有林の特性を活かし、地域の木材需要が急激に増減した場合に、需要に見合った供給を行うため、地域の需給動向及び関係者の意見等を迅速かつ的確に把握する取組を推進した。

(6)国有林野の活用

国有林野の所在する地域の社会経済状況、住民の意向等を考慮して、地域における産業の振興及び住民の福祉の向上に資するよう、貸付け、売払い等による国有林野の活用を積極的に推進した。

その際、国土の保全や生物多様性の保全等に配慮しつつ、再生可能エネルギー源を利用した発電に資する国有林野の活用にも努めた。

さらに、「レクリエーションの森」について、民間活力を活かしつつ、利用者のニーズに対応した施設の整備、自然観察会等の実施、レクリエーションの場の提供等を行うなど、その活用を推進した。


2 森林・林業再生に向けた国有林の貢献

国有林野事業の組織、技術力及び資源を活用し、

① 低コストで効率的な作業システムの民有林における普及及び定着

② 林業事業体の育成

③ 森林共同施業団地の設定による民有林と連携した施業

④ 市町村を技術面で支援する人材等の育成

⑤ 先駆的な技術等の事業レベルでの試行等を通じた民有林経営に対する支援

⑥ 花粉症対策苗やコンテナ苗等の生産拡大に向けた苗木の需要見通しの提示

⑦ カラマツ種子の安定供給に向けた旧採種園の再整備

等に取り組んだ。


3 国民の森林(もり)としての管理経営

国有林野の管理経営の透明性の確保を図るため、情報の開示や広報の充実を進めるとともに、森林計画の策定等の機会を通じて国民の要請の的確な把握とそれを反映した管理経営の推進に努めた。

体験活動及び学習活動の場としての「遊々(ゆうゆう)の森」の設定及び活用を図るとともに、農山漁村における体験活動と連携し、森林・林業に関する体験学習のためのフィールドの整備及びプログラムの作成を実施するなど、学校、NPO、企業等の多様な主体と連携して森林環境教育を推進した。

また、NPO等による森林(もり)づくり活動の場としての「ふれあいの森」、伝統文化の継承等に貢献する「木の文化を支える森」、企業等の社会貢献活動の場としての「法人の森林(もり)」など国民参加の森林(もり)づくりを推進した。


お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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