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ホーム > 森林・林業白書 > 平成27年度 森林・林業白書(平成28年5月17日公表) > 平成27年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第 IV 章 第1節 木材需給の動向(2)


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第1部 第 IV 章 第1節 木材需給の動向(2)

(2)我が国の木材需給の動向

(木材需要は回復傾向)

我が国の木材需要量(*26)の推移をみると、戦後の復興期と高度経済成長期の経済発展により増加を続け、昭和48(1973)年に過去最高の1億2,102万m3(丸太換算。以下同じ。)を記録した。その後、昭和48(1973)年秋の第1次石油危機(オイルショック)、昭和54(1979)年の第2次石油危機等の影響により減少と増加を繰り返し、昭和62(1987)年以降は1億m3程度で推移した。

しかしながら、平成3(1991)年のバブル景気崩壊後の景気後退等により、平成8(1996)年以降は減少傾向となった。特に、平成21(2009)年にはリーマンショック(*27)の影響により、前年比19%減の6,480万m3と大幅に減少した。近年はやや持ち直してきたが、平成20(2008)年の水準には達しておらず、平成26(2014)年には前年に比べ新設住宅着工戸数が減少したことなどにより用材部門では前年比2%減の7,255万m3、総数では7,580万m3となった。内訳をみると製材用材が34.5%、合板用材が14.7%、パルプ・チップ用材が41.5%、その他用材が5.1%、燃料材が3.9%を占めている。また、平成26(2014)年の我が国の人口一人当たり木材需要量は0.60m3/人となっている(資料 IV -7)。



(*26)製材品や合板、パルプ・チップ等の用材に加え、しいたけ原木及び燃料材を含む総数。燃料材とは、木炭、薪、燃料用チップ、木質ペレットである。

(*27)2008年に起こった、アメリカのサブプライム住宅ローン問題に端を発する金融市場の混乱のこと。



(製材用材の需要はピーク時の4割程度)

平成26(2014)年における製材用材の需要量は前年比9%減の2,614万m3となっている。製材用材の需要量は、昭和48(1973)年に6,747万m3でピークを迎えた後、減少傾向で推移し、平成26(2014)年の需要量はピーク時の4割程度となっている。我が国では、製材品の約8割は建築用に使われており、製材用材の需要量はとりわけ木造住宅着工戸数と密接な関係にある。

我が国の新設住宅着工戸数は、昭和48(1973)年に過去最高の191万戸を記録した後、長期的にみると減少傾向にあり、平成21(2009)年の新設住宅着工戸数は、昭和40(1965)年以来最低の79万戸であった。平成22(2010)年以降、我が国の新設住宅着工戸数は4年連続で増加し、平成25(2013)年には前年比11%増の98万戸となったが、平成26(2014)年は、前年比9%減の89万戸となっている。

木造住宅の新設住宅着工戸数についても、昭和48(1973)年に112万戸を記録した後、全体の新設住宅着工戸数と同様の推移を経て、平成26(2014)年は前年比11%減の49万戸となっている。また、新設住宅着工戸数に占める木造住宅の割合(木造率)は、平成26(2014)年には前年から1ポイント減の55%となっている。一戸建住宅における木造率は88%と高い水準にあるが、マンションやアパート等の共同住宅における木造率は14%と低い水準となっている(資料 IV -8)。


(合板用材の需要は漸減傾向)

平成26(2014)年における合板用材の需要量は前年比1%減の1,114万m3となっている。合板用材の需要量は、製材用材と同様に木造住宅着工戸数の動向に影響され、昭和48(1973)年に1,715万m3でピークに達し、その後は増減を繰り返し、平成8(1996)年以降は漸減傾向で推移している。

合板は住宅の壁・床・屋根の下地材やフロア台板、コンクリート型枠など多様な用途に利用される。

(パルプ・チップ用材の需要も減少)

平成26(2014)年におけるパルプ・チップ用材の需要量は前年比4%増の3,143万m3となっている。パルプ・チップ用材の需要量は、平成7(1995)年に4,492万m3でピークを迎えた後、平成20(2008)年の3,786万m3まで緩やかに減少し、平成21(2009)年には景気悪化による紙需要の減少等により前年比23%減の2,901万m3まで減少した。平成22(2010)年には前年比12%増となったものの、平成20(2008)年の水準までは回復していない。

パルプ・チップ用材を原料とする紙・板紙の生産量をみると、平成12(2000)年に3,183万トンで過去最高を記録して以降、3,100万トン前後で推移していたが、リーマンショックを機に、平成21(2009)年には前年比14%減の2,627万トンまで減少した。平成22(2010)年には、景気の回復により前年比4%増の2,736万トンまで回復したが、その後はほぼ横ばいで推移しており、平成26(2014)年は、前年比1%増の2,648万トンとなっている。平成26(2014)年の紙・板紙生産量の内訳をみると、新聞用紙、印刷用紙等の紙が1,512万トン(57%)、段ボール原紙等の板紙が1,136万トン(43%)となっている(資料 IV -9)。

平成26(2014)年にパルプ生産に利用されたチップ(*28)は2,926万m3で、このうち927万m3(32%)が国産チップ、1,999万m3(68%)が輸入チップであった。樹種別にみると、針葉樹チップが1,080万m3(37%)、広葉樹チップが1,846万m3(63%)となっている。国産チップの割合は、針葉樹チップで比較的高くなっている一方、広葉樹チップで低くなっており、全体では32%となっている(資料 IV -10)。



(*28)木材チップはパルプ(植物繊維)に加工されることで紙・板紙の原料となるが、広葉樹の繊維は細く短いため平滑さ等に優れ、印刷適性のあるコピー用紙等の原料として利用されるのに対し、針葉樹の繊維は太く長いため強度に優れ、紙袋や段ボール等の原料として利用される。



(国産材供給量は増加傾向)

我が国における国産材供給量(*29)は、森林資源の充実や合板原料としてのスギ等の国産材利用の増加等を背景に、平成14(2002)年の1,692万m3を底として増加傾向にある。平成26(2014)年の国産材供給量は、用材部門では前年比2%増の2,149万m3、総数では2,365万m3であった。用途別では、製材用材は1,221万m3、合板用材は335万m3、パルプ・チップ用材は505万m3となっている。また、燃料用チップを含む燃料材は184万m3となっている。

樹種別にみると、製材用材の約8割がスギ・ヒノキ、合板用材の約9割がスギ・カラマツ、木材チップ用材の約5割が広葉樹となっている(*30)。



(*29)製材品や合板、パルプ・チップ等の用材に加え、しいたけ原木及び燃料材を含む総数。

(*30) 農林水産省「木材統計」



(木材輸入の9割近くが製品での輸入)

我が国の木材輸入量(*31)は、平成8(1996)年の9,045万m3(丸太換算。以下同じ。)をピークに減少傾向で推移しており、平成26(2014)年は前年から用材の需要量が減少し、用材部門では前年比3%減の5,105万m3、総数では5,215万m3となった。

木材の輸入形態は丸太から製品へとシフトしており、木材輸入量のうち、丸太での輸入量は全体の約1割にすぎず、約9割が製品での輸入となっている。平成26(2014)年に製品で輸入された木材は4,571万m3であり、このうちパルプ・チップは2,638万m3(木材輸入量全体の51%)、製材品は988万m3(同19%)、合板等は653万m3(同13%)、その他が292万m3(同6%)となっている。このほか、燃料材110万m3(同2%)が輸入されている。



(*31)製材品や合板、パルプ・チップ等の用材に加え、燃料材を含む総数。



(木材輸入は全ての品目で減少傾向)

我が国の輸入品目別の木材輸入量について、平成16(2004)年と平成26(2014)年を比較すると、丸太については、総輸入量は1,268万m3から415万m3へと大幅に減少している。特に、ロシアからの輸入量は、同国の丸太輸出税の大幅引上げにより、588万m3から21万m3へと1割以下に減少している。

製材については、総輸入量は、1,447万m3から988万m3へと減少している。国別では、カナダからの輸入が583万m3から312万m3へと5割近く減少している。

合板等については、総輸入量は859万m3から653万m3へと減少している。国別では、インドネシアからの輸入が、違法伐採対策等による伐採量の制限や資源の制約等によって、407万m3から173万m3へと5割以上減少する一方、かつてはほとんど実績のなかった中国からの輸入が、76万m3から171万m3へと増加している。

パルプ・チップについては、総輸入量は3,341万m3から2,638万m3へと減少している。国別では、オーストラリア及び南アフリカからの輸入が、それぞれ896万m3から420万m3へ、546万m3から192万m3へと大幅に減少する一方、ベトナム及びチリからの輸入が、ユーカリやアカシア等の早生樹の植林地が拡大したことにより、それぞれ103万m3から423万m3へ、300万m3から390万m3へと増加している(資料 IV -11)。

なお、我が国における平成26(2014)年の木材(用材)供給の地域別及び品目別の割合は資料 IV -12のとおりである。


(木材自給率は上昇傾向)

我が国の木材自給率は、国産材供給の減少と木材輸入の増加により、昭和30年代以降低下を続け、平成7(1995)年以降は20%前後で推移し、平成14(2002)年には過去最低の18.8%(用材部門では18.2%)となった。その後、国産材の供給量が増加傾向で推移したのに対して、木材の輸入量は大きく減少したことから、木材自給率は上昇傾向で推移している。平成26(2014)年は、前年からの新設住宅着工戸数の減少により用材の需要量が減少し、輸入量が減少する一方で、国産材供給量は増加し、木材自給率は31.2%(用材部門では29.6%)となった(*32)。これを用途別にみると、製材用材は46.7%、合板用材は30.0%、パルプ・チップ用材は16.1%、燃料材は62.7%となっている(資料 IV -13)。

「森林・林業基本計画」(平成23(2011)年7月)では、平成32(2020)年の木材需要量を7,800万m3と見通した上で、国産材の供給量及び利用量3,900万m3を目指すこととしており、総需要量に占める国産材利用量の割合は、平成32(2020)年には50%になると見込んでいる(*33)。

平成26(2014)年の木材需給の構成


(*32)木材自給率については、トピックス(2ページ)も参照。

(*33)「森林・林業基本計画」については、第 II 章(42ページ)参照。



お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
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FAX:03-3593-9564

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