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ホーム > 森林・林業白書 > 平成27年度 森林・林業白書(平成28年5月17日公表) > 平成27年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第 III 章 第2節 特用林産物の動向(2)


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第1部 第 III 章 第2節 特用林産物の動向(2)


(2)その他の特用林産物の動向

(木炭の動向)

木炭は、日常生活で使用する機会が少なくなっているが、電源なしで使用できる、調理だけでなく暖房にも利用できる、長期保存が可能であるなどの利点があり、災害時の燃料としても期待できる。このため、木炭業界では、木炭の用途に関する周知や家庭用木炭コンロの普及等により、燃料としての需要の拡大を図っている。また、木炭は多孔質(*55)であり吸着性に優れるという特性を有することから、土壌改良資材、水質浄化材、調湿材等としての利用も進められている。

木炭(黒炭、白炭、粉炭、竹炭、オガ炭)の国内生産量は、1990年代半ば以降長期的に減少傾向にあり、平成26(2014)年は前年比6%減の2.8万トンとなっている。

一方、木炭の輸入量は、近年は増加傾向で推移しており、平成26(2014)年には前年比2%増の12.5万トンとなった。国別にみると、主な輸入先国である中国、マレーシア、インドネシアで全体の8割を占めている。

また、木炭等を生産する際に得られる木酢液等は、主に土壌改良用として利用されている。その国内生産量は、減少傾向が続いており、平成26(2014)年には前年比2%減の2,313kLとなっている。



(*55)木炭に無数の微細な穴があることで、水分や物質の吸着機能を有し、湿度調整や消臭の効果がある。



(竹材・竹炭の動向)

竹は、我が国に広く分布し、昔から身近な資材として生活に利用されてきたが、代替材の普及や安価な輸入品の増加等により、竹材の生産量は減少傾向で推移してきた。しかしながら、その生産量は、近年、竹紙の原料としての利用の本格化を背景に、平成22(2010)年の96万束(*56)を底に増加しており、平成26(2014)年には118万束となっている。竹炭の生産量は、平成26(2014)年には599トンとなっている。

これまで、竹資源の有効利用に向けて、竹チップをきのこ菌床用資材、バイオマス燃料、パルプ等に利用する技術の研究開発や、竹チップを原料とする建築資材(ボード)の実用化等の取組が進められてきた(*57)。平成27(2015)年度には、生鮮食品の鮮度保持効果を向上させる竹炭の開発等の取組が行われている。



(*56)1束は人が持ち運びするためひとまとめにしたサイズ。例えば、マダケでは直径8cmのマダケ3本分。

(*57)日本特用林産振興会「経営高度化対策事業(新生産技術検証事業:竹チップ等の用途拡大に向けた調査・検討)」(平成24(2012)年3月)、独立行政法人森林総合研究所「地域の竹資源を活用した環境調節機能を持つ複合建築ボードの開発」成果資料集(平成21(2009)年2月)



(薪の動向)

薪は、古来、煮炊きや風呂等に利用され、生活に欠くことのできないエネルギー源であったが、昭和30年代以降、石油やガスへの燃料転換等により利用が減少し、全国の販売向け薪の生産量は、平成18(2006)年まで減少傾向が続いた。

しかしながら、平成19(2007)年以降は、従来のかつお節製造用に加え、ピザ窯やパン窯用等としての利用や、薪ストーブの販売台数の増加(*58)等を背景に、薪の生産量は増加傾向に転じている(事例 III -5)。近年は、備蓄用や緊急災害対応用の燃料としても販売されている(*59)。

平成24(2012)年には、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の影響等により、大きく減少したが、平成26(2014)年には、平成23(2011)年と同程度の5.3万m3(丸太換算(*60))まで回復した(資料 III -34)。平成26(2014)年の生産量を都道府県別にみると、多い順に鹿児島県(10,053m3)、北海道(7,675m3)、長野県(6,250m3)となっている。このほかにも、自家消費用に生産されるものが相当量あると考えられる(*61)。

事例III-5 地域活性化につながる薪の安定供給の取組

共用林から搬出し乾燥中の薪(岩手県西和賀町)
共用林から搬出し乾燥中の薪
(岩手県西和賀町)
薪の駅(山形県山形市)
薪の駅
(山形県山形市)

山形県は、地域の豊かな森林資源を「森のエネルギー」「森の恵み」として活かしていく「森林(もり)ノミクス」を宣言し、林業の振興を図ることによって、雇用を創出し、地域活性化につなげていく取組を進めている。県中央部に位置する山形地方森林組合では、管内において薪ストーブ利用者が増加していることを踏まえ、薪の安定供給のため、県村山(むらやま)総合支庁と連携し、平成26(2014)年11月から薪ストーブ用の薪を通年販売し、地域内の薪生産者等の情報を発信する「薪の駅」を運営している。

また、岩手県和賀郡(わがぐん)西和賀町(にしわがまち)は、地域の森林資源の有効利用を進めるため、町内の薪を利用する世帯割合を平成29(2017)年までに50%以上に引き上げる目標を掲げている。利用する薪については、町民が自ら共用林等から搬出して生産しているほか、西和賀町森林組合では、薪の安定供給のため、薪を入れたラックを並べた「薪ステーション」を設置し、注文に応じてラックを専用トラックに積み込み、家庭等に宅配も行っている。平成26(2014)年には、同町で約330m3の薪が生産されており、町内の森林から搬出された原木の加工や薪の販売により、資源や資金の循環が創り出され、地域の活性化につながっている。



(*58)一般社団法人日本暖炉ストーブ協会調べ。一般家庭や団体等による薪ストーブの購入を自治体等が支援する動きもみられる。

(*59)「平成26年度森林及び林業の動向」の125ページを参照。

(*60)1層積m3を丸太0.625 m3に換算。

(*61)長野県が平成21(2009)年度に行った調査では、県内の約4%の世帯が薪ストーブや薪風呂を利用していた。また、薪ストーブ利用世帯における年間の薪使用量は平均9.0 m3で、使用樹種は広葉樹が76%、針葉樹が24%であり、使用全量を購入せずに自家調達している世帯が約半数を占めた。



(その他の特用林産物の動向)

樹実類や山菜類等は、古くから山村地域等で生産され、食用に利用されてきた。平成26(2014)年には、樹実類のうち「くり」の収穫量は21,400トン、山菜類のうち「わらび」は993.8トン、「乾ぜんまい」は44.6トン、「たらのめ」は163.0トンとなっている。また、「わさび」については2,429トンとなっている。

また、漢方薬に用いられる薬草等として、滋養強壮剤の原料となる「くろもじ」(平成26(2014)年の生産量22.9トン)、胃腸薬の原料となる「きはだ皮」(同4.3トン)、「おうれん」(同1.9トン)等が生産されている。

漆は、ウルシの樹液を採取して精製した塗料で、古来、食器、工芸品、建築物等の塗装や接着に用いられてきた。漆の国内消費量は平成26(2014)年には43.2トンであるが、そのうち国内生産量は2%に当たる1.0トンとなっており、輸入が大部分を占めている。

林野庁では、山村独自の資源を活用する地域の取組への支援を通じ、このような特用林産物の振興を図っている。


お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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