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ホーム > 森林・林業白書 > 平成27年度 森林・林業白書(平成28年5月17日公表) > 平成27年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第II章 第3節 森林保全の動向(3)


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第1部 第 II 章 第3節 森林保全の動向(3)

(3)森林における生物多様性の保全

(生物多様性保全の取組を強化)

平成24(2012)年9月に閣議決定した「生物多様性国家戦略2012-2020」は、「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)(*59)」で採択された「戦略計画2011-2020(愛知目標)」の達成に向けた我が国のロードマップであり、平成32(2020)年度までの間に重点的に取り組むべき施策の大きな方向性として5つの基本戦略を掲げるとともに、我が国における国別目標や目標達成のための具体的施策を示している(資料 II -17)。

林野庁では、「生物多様性国家戦略2012-2020」を踏まえて、生物多様性の保全を含む森林の多面的機能を総合的かつ持続的に発揮させていくため、適切な間伐等の実施や多様な森林づくりを推進している。この中で、森林施業等の実施に際して生物多様性保全への配慮を推進するとともに、「森林・山村多面的機能発揮対策交付金(*60)」により、手入れをすることによって生物多様性が維持されてきた集落周辺の里山林について、地域の住民が協力して行う保全・整備の取組に対して支援している。また、国有林野においては、「保護林(*61)」や保護林を中心にネットワークを形成する「緑の回廊(*62)」の設定を通じて、原生的な森林生態系や希少な野生生物の生育・生息の場となっている森林を保護・管理している。さらに、全国土を対象とする森林生態系の多様性に関する定点観測調査、我が国における森林の生物多様性保全に関する取組の情報発信等に取り組んでいる。

このほか、農林水産省では、生物多様性への意識向上を図るため、環境省や国土交通省と連携して、「グリーンウェイブ(*63)」への参加を広く国民に呼びかけており、平成27(2015)年には、国内各地で約8,600人が参加した(*64)。



(*59)生物多様性に関する国際的な議論については、81ページ参照。

(*60)森林・山村多面的機能発揮対策交付金については、第 III 章(113-114ページ)参照。

(*61)保護林については、トピックス(6ページ)及び第 V 章(173-176ページ)参照。

(*62)緑の回廊については、第 V 章(173、175ページ)参照。

(*63)生物多様性条約事務局が提唱したもので、世界各国の青少年や子どもたちが「国際生物多様性の日(5月22日)」に植樹等を行う活動であり、この行動が時間とともに地球上で広がっていく様子から「緑の波(グリーンウェイブ)」と呼んでいる。

(*64)農林水産省等プレスリリース「国連生物多様性の10年「グリーンウェイブ2015」の実施結果について」(平成27(2015)年10月1日付け)



(我が国の森林を世界遺産等に登録)

「世界遺産」は、ユネスコ(UNESCO(*65))総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(以下「世界遺産条約」という。)に基づいて、記念工作物、建造物群、遺跡、自然地域等で顕著な普遍的価値を有するものを一覧表に記載し保護・保存する制度で、「文化遺産」、「自然遺産」及び文化と自然の「複合遺産」の3つがある。

我が国の世界自然遺産として、平成5(1993)年12月に「白神(しらかみ)山地」(青森県、秋田県)と「屋久島(やくしま)」(鹿児島県)、平成17(2005)年7月に「知床(しれとこ)」(北海道)、平成23(2011)年6月に「小笠原(おがさわら)諸島」(東京都)が世界遺産一覧表に記載されており、これらの陸域の大半が国有林野となっている(*66)。

林野庁では、これらの世界自然遺産の国有林野を厳格に保護・管理するとともに、固有種を含む在来種と外来種との相互作用を考慮した森林生態系の保全管理技術の開発や、森林生態系における気候変動による影響への適応策の検討等を進めている。

また、世界自然遺産の国内候補地である「奄美大島(あまみおおしま)、徳之島(とくのしま)、沖縄島(おきなわじま)北部及び西表島(いりおもてじま)」(鹿児島県、沖縄県)について、林野庁、環境省、鹿児島県及び沖縄県は、有識者からの助言を得つつ、同候補地の自然環境の価値を保全するために必要な方策の検討、保全管理体制の整備及び保全の推進等の取組を連携して進めている。

このほか、国有林野が所在する世界文化遺産として、平成25(2013)年6月に「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」(山梨県、静岡県)が、平成27(2015)年7月に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つである「橋野(はしの)鉄鉱山・高炉跡」(岩手県)が世界遺産一覧表に記載されており、林野庁ではこれらの国有林野の厳格な保護・管理等を行っている。

世界遺産のほか、ユネスコでは「人間と生物圏(MAB(*67))計画」における一事業として、「生物圏保存地域(Biosphere Reserves)」(国内呼称:ユネスコエコパーク)の登録を実施している。ユネスコエコパークは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)を目的として、「保存機能(生物多様性の保全)」、「経済と社会の発展」、「学術的研究支援」の3つの機能を有する地域を登録するものである。我が国では「志賀(しが)高原」(群馬県、長野県)、「白山(はくさん)」(富山県、石川県、福井県、岐阜県)、「大台ヶ原(おおだいがはら)・大峯山(おおみねさん)」(三重県、奈良県)、「屋久島(やくしま)」(鹿児島県)、「綾(あや)」(宮崎県)、「只見(ただみ)」(福島県)及び「南アルプス」(山梨県、長野県、静岡県)が登録されている。平成27(2015)年9月には、日本ユネスコ国内委員会がユネスコに対し、「白山(はくさん)」、「大台ヶ原(おおだいがはら)・大峯山(おおみねさん)・大杉谷(おおすぎだに)」及び「屋久島(やくしま)・口永良部島(くちのえらぶじま)」の拡張登録についての推薦を実施し(*68)、平成28(2016)年3月にペルーで開催された「人間と生物圏計画国際調整理事会」において拡張登録が決定した(*69)(資料 II -18)。

我が国のユネスコエコパーク


(*65)「United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization(国際連合教育科学文化機関)」の略。

(*66)世界自然遺産地域内の国有林野の取組については、第 V 章(173、175-176ページ)を参照。

(*67)「Man and the Biosphere」の略。

(*68)農林水産省等プレスリリース「ユネスコエコパークの拡張登録に係る推薦決定について」(平成27(2015)年8月24日付け)

(*69)農林水産省プレスリリース「国内3地域のユネスコエコパークへの拡張登録決定について」(平成28(2016)年3月22日付け)



お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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