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ホーム > 森林・林業白書 > 平成27年度 森林・林業白書(平成28年5月17日公表) > 平成27年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第II章 第4節 国際的な取組の推進(4)


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第1部 第 II 章 第4節 国際的な取組の推進(4)

(4)我が国の国際協力

我が国は、持続可能な森林経営等を推進するための国際貢献として、技術協力や資金協力等による「二国間協力」、国際機関を通じた「多国間協力」等を行っている。

2014年の世界の森林分野の政府開発援助による拠出金9億3千万ドルのうち、我が国は1億4千万ドルを拠出しており、英国に次ぐ世界第2位の金額を拠出している(*147)。



(*147)OECD Stat



(二国間協力)

我が国は、「技術協力」として、JICAを通じて、専門家派遣、研修員受入れ及び機材供与を効果的に組み合わせた技術協力プロジェクト、開発計画調査型技術協力、研修等を実施している。平成27(2015)年度には、ベトナム等で新たに森林・林業分野の技術協力プロジェクトを開始した。平成27(2015)年12月末現在、森林・林業分野では、18か国・地域で19件の技術協力プロジェクトを実施している。林野庁からは、JICAを通じて、7か国に9名の専門家を派遣している(資料 II -36、事例 II -11)。

「資金協力」としては、供与国に返済義務を課さない「無償資金協力」により、森林造成プロジェクトの実施や森林管理のための機材整備等を行っている。また、JICAを通じて開発資金の低利かつ長期の貸付け(円借款)を行う「有償資金協力」により、造林の推進や人材の育成等を目的とするプロジェクトを支援している。

さらに、日中農業科学技術交流グループ会議及び日韓農林水産技術協力委員会を通じ、日中及び日韓それぞれの間で、農林水産分野に関する試験研究の動向について意見交換を実施している。加えて、平成27(2015)年12月には、インドと森林及び林業分野の協力覚書を締結し、これに基づき人材育成と研修機関の交流、持続可能な森林経営等の分野での協力を推進することとしている(*148)。

事例II-11 後発開発途上国マラウイにおける森林保全策の強化に向けた支援


マラウイ政府に対し森林減少問題について助言
マラウイ政府に対し
森林減少問題について助言
マラウイ共和国の位置
マラウイ共和国の位置
 

南部アフリカに位置するマラウイ共和国は、一人当たりの国内総生産(GDP)が年間で300米ドルに満たない、後発開発途上国の一つであり、北海道と九州を合わせた程度の国土面積に1,700万人近くが暮らしている。森林率が約20%(2012年)にまで低下する中、農地の拡大や過剰な薪炭生産等により、更なる森林の減少・劣化が進行しており、森林の持続的な管理が課題となっている。

このような現状に対処するため、我が国は、2012年1月から、森林保全に係る政策アドバイザーを同国に長期派遣し、同国政府の取組を支援している。具体的には、首都圏の水源林と位置付けられているザラニヤマ森林保護区における森林減少問題を重要課題として取り上げ、森林減少の要因を特定するとともに、将来の森林減少の予測分析等を行い、緊急な対策が必要なことを同国政府に助言した。その上で、同森林保護区における保全対策の速やかな開始と同対策への積極的な参画を呼びかけるため、同国政府が地域住民や企業等を含む官民関係者に対して実施した緊急提言の作成やその実施を支援した。

この結果、同森林保護区における森林減少問題は、同国における最も重要な開発課題の一つに位置付けられた。現在、大統領府主導の下、立法府、自然資源・エネルギー・鉱業省、水道公社や民間企業等多様な主体が連携することにより、違法伐採を取り締まるパトロールや荒廃地の復旧に向けた植林等が本格化し、同森林保護区の保全対策は一定の成果を上げつつある。

このように、我が国は、持続可能な森林経営に向けて、森林の減少・劣化が進む開発途上国に対し、国家レベルでの政策形成を支援している。


(*148)林野庁プレスリリース「インドとの森林及び林業分野の協力覚書への署名について」(平成27(2015)年12月11日付け)



(多国間協力)

「国際熱帯木材機関(ITTO)」は、熱帯林の持続可能な経営の促進と合法的に伐採された熱帯木材の貿易の発展を目的として、1986年に設立された国際機関であり、本部を我が国(横浜市)に置いている。ITTOの加盟国は、2015年には、新たにクロアチア及びタイの2か国が加盟し、その数は71か国及びEUとなった。2015年には、加盟国等から総額約3.7百万ドルのプロジェクト等に対する資金拠出がなされるとともに、21件のプロジェクト等がITTOの理事会で新たに承認された。我が国はITTOに対し、加盟国としての分担金、本部事務局経費に加え、持続可能な熱帯林経営の推進や違法伐採対策のための普及啓発及び人材育成に必要なプロジェクト等に係る経費を拠出している。

「国際連合食糧農業機関(FAO)」は、各国国民の栄養水準と生活水準の向上、食料及び農産物の生産及び流通の改善並びに農村住民の生活条件の改善を目的として、1945年に設立された国際機関であり、本部をイタリア(ローマ)に置いている。我が国はFAOに対し、加盟国としての分担金の拠出、信託基金によるプロジェクトへの任意拠出、職員の派遣等の貢献を行っている。平成25(2013)年からは、任意拠出した資金を活用し、開発途上国が森林の水土保全機能を適切に発揮させるための手法を開発し、その手法を普及させるプロジェクトを実施している。

(その他の国際協力)

「日中民間緑化協力委員会(*149)」では、2015年7月、東京で第16回会合を開催し、平成26(2014)年度に実施された植林事業のレビューや平成27(2015)年度の植林事業の実施方針について意見交換を行い、今後は気候変動対策、砂漠化・黄砂対策により重点を置いてプロジェクトを実施していくことで一致した(*150)。

また、日中共同の植樹を通じた国際貢献等を行うことを目的として、従来の中国での植林事業に加え、日本国内での植樹を通じた日中青少年等の交流事業、第三国での植林・植樹事業も実施していくこととしている。



(*149)中国における植林緑化協力を行う日本の民間団体等(NGO、地方公共団体、民間企業)を支援することを目的として、平成11(1999)年11月に、日中両国政府が公文を交換し設立された委員会。同委員会は、日中両政府のそれぞれの代表者により構成され、助成対象とする植林緑化事業の選定に資するための情報及び意見の交換等を実施(事務局は日中緑化交流基金)。

(*150)林野庁プレスリリース「日中民間緑化協力委員会第16回会合の結果概要について」(平成27(2015)年7月2日付け)



お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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