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ホーム > 森林・林業白書 > 平成27年度 森林・林業白書(平成28年5月17日公表) > 平成27年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第I章 第3節 安定供給体制の構築に向けた取組の現状と今後の課題(1)


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第1部 第 I 章 第3節 安定供給体制の構築に向けた取組の現状と今後の課題(1)


国産材の安定供給体制の構築に向けては、森林所有者や素材生産業者から、木材流通業者、製材工場、合板工場、プレカット工場、木材チップ工場等の木材加工業者まで全ての関係者の協力が必要である。

そのためには、大きく分けて、素材生産業者等が需要の動向に応じて原木を供給する能力を増大させる取組と、木材流通の全ての段階の関係者の間で需給の動向に関する情報を共有するとともに、原木を安定的に供給するためにとりまとめを行う取組がある。

以下では、「原木の供給力の増大」と「木材等の需給情報の共有と原木供給のとりまとめ」に分けて、国産材の安定供給体制の構築に向けた取組の現状と今後の課題について記述する。

(1)原木の供給力の増大

(ア)主伐とその後の確実な更新の実施

(主伐の計画的な実施)

戦後や高度経済成長期の伐採跡地に造成された人工林については、これまで保育作業を必要とする育成段階にあった。このため、間伐等の森林整備を計画的に推進してきた。現在では、未だ間伐等の施業が必要な育成段階の人工林が多くある一方、我が国の人工林面積全体に占める10齢級以上の人工林の割合が平成24(2012)年時点で約5割を占めており、利用適期を迎える高齢級の人工林が増加している。

平成27(2015)年に農林水産省が実施した「森林資源の循環利用に関する意識・意向調査」で林業者モニター(*16)に対して今後5年間の主伐の実施予定について聞いたところ、約6割の者が「伐期に達した山林はあるが、主伐を実施する予定はない」と回答している(資料 I -7)。

しかしながら、原木の供給力を増大させるためには、単位面積当たりの素材生産量が大きい主伐による原木の供給が重要となってくる。このため、今後については、育成段階にある人工林において間伐の適切な実施に引き続き取り組むとともに、利用適期を迎えている人工林については、森林の公益的機能の発揮に支障が及ばないよう留意しつつ、森林計画制度(*17)等に即し、森林資源の成長量を踏まえた一定の範囲内で適切な主伐を進めていくことが重要である。



(*16)この調査での「林業者」は、「2010年世界農林業センサス」で把握された林業経営体の経営者。

(*17)森林計画制度については、第 II 章(42~44ページ)を参照。



(再造林の着実な実施)

主伐を実施した伐採跡地等については、森林としての多面的機能を回復させるために、植栽による再造林又は天然更新や、その後の保育作業を確実に実施することが必要である。特に、将来にわたり、資源の循環利用を図る森林においては、植栽による再造林を推進する必要がある(事例 I -1)。

林業者モニターのうち、今後5年間に主伐を実施するつもりであると回答した者に、主伐後の更新について尋ねたところ、「主伐後は主に森林組合等に委託して再造林を行いたい」と回答した割合が48.6%と最も高く、次いで「主伐後は主に天然更新を行いたい」、「主伐後は主に自ら再造林を行いたい」の順となっている(資料 I -8)。

事例I-1 再造林を促進するための熊本県独自の取組

コンテナ苗を用いた再造林
コンテナ苗を用いた再造林

熊本県では、近年、民有林の皆伐面積が増加傾向にあり、平成24(2012)年には、前年比20%増の1,047haで皆伐が行われた。今後、皆伐の進展により、再造林が必要な森林が増加することが見込まれる中、森林所有者による再造林を確保して、持続的な林業経営を実現していくためには、再造林に要する経費の縮減を図ることが重要となってきている。

このため、同県では、平成24(2012)年度から、「低コスト林業実践事業」により、コンテナ苗により2,000本/ha以下の植栽密度で人工造林を行う場合の苗木の購入代金と、伐採と造林の一貫作業システムにより人工造林を行う場合に追加的に掛かる資材費と運搬費等について、国庫補助事業である「森林環境保全直接支援事業」(造林補助金)への上乗せにより、実費との差額全額(ただし、それぞれ上限20万円/ha)を支援してきた。

同事業の実施により、同県では、コンテナ苗の普及が急速に進み、県内におけるコンテナ苗の生産量は、平成24(2012)年の17.4万本から平成27(2015)年には44.3万本まで増加した。


(造林等に要する経費の縮減に向けた取組)

スギ人工林の造林・保育に要する経費については、その約9割が植栽後10年間に費やされている(*18)。主伐時の収入がその後の再造林経費に費やされる状態となっている。このようなことから、主伐を推進しその後の再造林の実施を確保するためには、造林・保育に要する経費を縮減し、森林所有者により多くの利益が還元されていく仕組みを構築していくことが必要である。

このような中、林野庁では、国有林のフィールドも活用しつつ、伐採から植栽までを一体的に実施する「一貫作業システム」の実証・普及に取り組んでいる(事例 I -2)。この取組では、伐採・造材に使用した高性能林業機械を用いて、伐採跡地に残された末木枝条を除去して地拵(ごしら)えを実施するとともに、これらの機械で苗木を運搬することが可能となるなど、伐採・搬出と地拵(ごしら)え・植栽を別々に実施する場合に比べ、全体として作業効率が大きく向上する(事例 I -3)。このほか、森林の健全性を確保しつつ下刈り回数の削減や植栽密度の低減等を合わせて行うことで、造林に要する経費全体を縮減することが可能となる。

従来の裸苗(はだかなえ)での植栽は、植栽に適した春及び秋に行われることが多かった。

一方、「コンテナ苗(*19)」は、裸苗(はだかなえ)と異なり、根に培地がついている状態で出荷できることから、植栽後の活着率が高くなるとともに、通常の植栽適期(春や秋)以外でも植栽が可能となる場合があるため、一貫作業システムを推進する上では、コンテナ苗の普及に併せて取り組むことが効果的である。また、コンテナ苗は、裸苗(はだかなえ)と比べて育苗期間が短く、床替え作業が不要であり、育苗作業の効率化や造林コストの縮減に資する。

このため、林野庁では、コンテナ苗の生産の拡大に取り組んでおり、平成25(2013)年度の生産量は、約114万本となっている(資料 I -9)。

しかしながら、コンテナ苗は、裸苗(はだかなえ)と比べ、植栽効率がよい反面、培地の分の重量があるため、林内作業路網が発達していない箇所においては、苗木の運搬の労力が増大することとなり、植栽に当たってより多くの経費が必要となる場合が生ずることが課題となっている。

また、コンテナ苗の生産には、裸苗(はだかなえ)と異なる生産技術やノウハウが必要とされることから、全国各地で現地検討会や講習会等が開催され、生産技術の習得や向上に向けた取組が進められている。

事例I-2 寒冷積雪地に適した伐採・造林一貫作業システムの検討

伐採・造林一貫作業システムの実証

伐採・造林一貫作業システムの実証
伐採・造林一貫作業システムの実証

青森県は、大型のLVL工場が設置されるなどにより木材の需要が増大している中で、主伐後の再造林の確保が重要な課題となっている。この課題に対応するため、青森県は、県内の林業関係団体や研究機関、森林管理署等とともに「青い森低コスト再造林協議会」を設立した。

伐採・造林の一貫作業システムは、青森県では、一般的なシステムとして実施されていないが、これを導入することによって再造林が低コスト化されることが期待できる。このため、同協議会においては、取組の1つとして、一貫作業システムを中心とした低コスト造林技術について重点的に議論するとともに、実証を通して、冬季に積雪する寒冷地であるといった青森県の地理的・自然的条件に適した伐採・造林一貫作業システムの導入手法等を検討し、平成28(2016)年度までにマニュアルとして整備することとしている。

事例I-3 素材生産業者による自主的な低コスト造林の取組

グラップルによる皆伐後の片付け作業
グラップルによる皆伐後の片付け作業

宮崎県のNPO法人ひむか維森(いしん)の会は、平成15(2003)年に、宮崎県産材の利用促進及び環境教育に関する事業を行うことを目的として設立された素材生産業者等の団体である。平成27(2015)年度現在、素材生産業者34社、製材加工・発電・建設関連業者11社、林業機械業者10社、計55社が参加している。

同会では、造林未済地の問題が広がったことから、環境に配慮した素材生産を行う仕組み作りのため、平成20(2008)年に「責任ある素材生産業のための行動規範」と「伐採搬出ガイドライン」を策定した。

これら規範やガイドラインでは、伐採・搬出に当たっては、林地の保全に努めることをうたった上で、更新に当たっては、伐採跡地を森林の更新が進みやすい状態で残し、地拵(ごしら)えの手間を省けるよう、末木枝条の整理に努めること、皆伐から再造林まで責任を持って、自社で一貫して引き受ける体制を取るか、造林業者との連携体制を築くことなどを定めている。

同会の会員は、ガイドラインに従って、皆伐箇所では、搬出作業がほぼ終了した後に、伐採・搬出に使用した林業機械(グラップル(注)等)を活用して、自主的な林地の後片付け(地拵(ごしら)え)の実施に取り組んでいる。

平成23(2011)年には、「責任ある素材生産事業体認証制度」を開始して、ガイドラインを遵守する事業体の認証を行っており、平成27(2015)年度末までに16事業体が認証を受けている。

注:木材を掴んで持ち上げ、集積する機能を備えた車両。



(*18)農林水産省「平成25年度林業経営統計調査報告」(平成27(2015)年7月)。また、スギ人工林の造成に関する費用については、第 III 章(92~93ページ)を参照。

(*19)容器の内面にリブ(縦筋状の突起)を設け、容器の底面を開けるなどによって、根巻きを防止できる容器(林野庁が開発したマルチキャビティーコンテナや宮崎県林業技術センターが開発したMスターコンテナ等)で育成された苗。



(成長に優れた苗木等の供給確保と被害防止)

主伐とその後の再造林を推進していく上で、成長に優れた苗木や少花粉スギ等の花粉症対策苗木の安定的な供給を図ることが一層重要になっている。

国立研究開発法人森林総合研究所林木育種センターでは、収量の増大と造林・保育の効率化に向けて、林木育種による第二世代精英樹(エリートツリー)(*20)の開発を行っている。今後、これらから生産される苗の使用により早期の成林が可能となることで、下刈り回数の削減等が可能となり、育林経費全体の縮減等が図られることが期待される。

加えて、近年、野生鳥獣の生息域の拡大等を背景として、シカやクマ等の野生鳥獣による森林被害が深刻化している。守るべき森林の被害の防除のため、森林へのシカ等の野生鳥獣の進入を防ぐ防護柵や苗木を食害から守るチューブ等の被害防止施設の整備、新たな防除技術の開発等が行われている(*21)。



(*20)成長や材質等の形質が良い精英樹同士の人工交配等により得られた次世代の個体の中から選抜される、成長等がより優れた精英樹のことをいう。

(*21)野生鳥獣被害対策については、第 II 章(67~68ページ)を参照。



(天然更新による森林造成)

我が国では、伐採後の森林の有する多面的機能の早期回復と森林資源の循環利用のために植栽を行うことが一般的であるが、人工林の伐採跡地のうち、主として天然力を活用しつつ、必要に応じた地表処理や芽かき等の更新補助作業を行うことにより適確な更新が図られる森林においては、天然更新による森林造成も行われている。

この場合、近隣の伐採跡地や若齢の造林地における更新樹種の生育状況、種子の供給源となる広葉樹林の有無等から、天然更新の実施の可否を判断することが重要である(資料 I -10)。

広葉樹の確実な天然更新を判断する稚樹の密度の基準 伐採4年後に稚樹密度が2万本/ha~5万本/haであったが、その後にササ等が繁茂した試験地

(イ)効率的な作業システムの構築

(効率的な作業システムの構築が重要)

森林内の立木から丸太を生産する林業の作業のことを素材生産といい、立木の伐倒(伐木)、木寄(きよ)せ(*22)、枝払い、玉切り(造材)、林道沿いの土場への運搬(集材)、椪積(はいづみ)(*23)といった複数の工程から成る。原木の供給力を増大させていくためには、素材生産における労働負荷の低減や労働安全の確保を図っていくとともに、効率的な作業システムの構築が重要である。そのためには、路網の整備とともに、地形や路網の整備状況等の地域の条件を勘案し、素材生産の各工程の用途に応じて開発されている林業機械を適切に組み合わせて配置することで、作業システム全体の生産性向上を図ることが重要である。この場合、作業システムを構成する工程数の最小化、機械の作業待ちの時間を解消する工程間の生産バランスの均衡化といった取組により、最少の人数と機械で工程を管理していくことが基本となる。

作業システムには、林内の路網を林業用の車両が移動して、伐倒した木を引き寄せ、枝を除去して用途に応じた長さに切断し、集積する場所まで運搬するといった作業を行う車両系作業システムや、伐倒した木を林内に張った架線で吊り上げ、集積する場所まで運搬する架線系作業システムがある(資料 I -11)。車両系作業システムは、比較的傾斜が緩やかな地形に向いており、路網が整備されていることが必要である。架線系作業システムは、高い密度で路網を開設できない傾斜が急な地形でも導入が可能である。

我が国の高性能林業機械を使用した作業システムの例


(*22)林内に点在している木材を林道端等に集める作業。

(*23)集材した丸太を同じ材種や同じ長さごとに仕分けして積む作業。



(林業機械導入の状況)

我が国における高性能林業機械の導入は、昭和60年代に始まり、近年では、路網を前提とする車両系のフォワーダ(*24)、プロセッサ(*25)、ハーベスタ(*26)等を中心に増加しており、平成27(2015)年3月末現在、合計で前年比14%増の7,089台が保有されている。保有台数の内訳をみると、フォワーダが1,957台で3割弱を占めているほか、プロセッサが1,671台、プロセッサと同様に造材作業に使用されることの多いハーベスタは1,357台となっており、両者を合わせて4割強を占めている。このほか、スイングヤーダ(*27)が950台で1割強を占めている(資料 I -12)。平成26(2014)年度時点において、素材生産量全体のうち、高性能林業機械を活用した作業システムによる素材生産量の割合は約6割となっている。

また、我が国の森林は急峻な山間部に多く分布することから、林野庁では、急傾斜地等における効率的な作業システムに対応した次世代の架線系林業機械の開発・導入を推進しているとともに、急傾斜地等における高度な索張り技術等を備えた技能者の育成に取り組んでいる。

さらに、国立研究開発法人森林総合研究所等において、ロボット技術等を活用し、運材作業等の搬出工程の省力化に向けた集材機械の開発が行われている。



(*24)木材を掴んで持ち上げ、荷台に搭載して運搬する機能を備えた車両。

(*25)木材の枝を除去し、長さを測定して切断し、切断した木材を集積する作業を連続して行う機能を備えた車両。

(*26)立木を伐倒し、枝を除去し、長さを測定して切断し、切断した木材を集積する作業を連続して行う機能を備えた車両。

(*27)油圧ショベルにワイヤーロープを巻き取るドラムを装備し、アームを架線の支柱に利用して、伐倒した木材を架線により引き出す機能を備えた機械。木材を引き出せる距離は短いが、架線の設置、撤去や機械の移動が容易。



(全木集材の普及や早生樹種の活用)

木質バイオマス発電施設の新規稼働の増加に伴い、今後ともチップ用材の需要の増加が見込まれる。これに対応していくためには、これまで伐採後に集材されず林地に放置されていた末木枝条や根株部分、強度の曲がり材等を効率的に収集し、安定供給していく取組が必要である。このような中で、伐倒後の枝葉がついたままの状態で集材し、土場で造材を実施する全木集材システムは、末木枝条が造材箇所に集積するため木材チップ用の末木枝条等を別に集材する手間が省ける上、林地にこれらが残されず再造林のための地拵(ごしら)えの手間が省けることから、再造林のコスト縮減にも資する。

また、建築部材や家具等として活用でき、成長速度や木材の強度に優れた樹種として、センダン、コウヨウザン、ハンノキ、ユリノキ、チャンチン、チャンチンモドキといった早生樹種に対する注目が集まっている。早生樹種は、植栽後20年前後で収穫できることから、従来の造林樹種と比べて、短期間で森林所有者が収入を得られるとともに、初期成長も早いため、下刈り等の保育経費の縮減も期待されている。また、センダン等の早生樹種は外見的にも優れているため、輸入材がほとんどを占める家具用材として利用できるほか、増大する木質バイオマスの需要にも対応し得るものとして、国産材の需要拡大に寄与することも期待されている。このことから、林野庁や地方公共団体、民間団体では、各地域の早生樹種に関する研究や取組事例に関する情報の収集を実施し、コスト分析やその普及に取り組んでいる。この中で、幹曲がりが課題であったセンダンの通直材を育成するための芽かきの方法が開発(*28)されているほか、伐採後における木材の割れや乾燥中の収縮による落ち込みといった現象(*29)も確認されてきており、品質の安定に向けた育種等の取組が求められている。



(*28)センダンの芽かきによる通直材の育成方法については、第 IV 章(155ページ)を参照。

(*29)林野庁委託事業「未利用広葉樹の新規需要開拓に関する調査委託事業報告書」(平成27(2015)年3月)



(ウ)原木流通の合理化

国産材の安定供給体制を構築していく上で、山元の素材生産現場から製材工場、合板工場及び木材チップ工場までの原木の流通を合理化し、原木流通のコストを縮減していく取組が重要である。

平成27(2015)年に農林水産省は、「森林資源の循環利用に関する意識・意向調査」において、流通加工業者モニター(*30)に対して原木の安定調達を図るために必要な取組について聞いた。この中で、約5割が、「素材生産業者等や流通加工業者が需給に関する情報を共有し、調整する仕組みがあること」、約3割が「流通加工業者が森林所有者や素材生産業者等と原木供給の協定を締結すること」、「素材生産業者等や流通加工業者がストックヤードを整備すること」と回答している(資料 I -13)。

近年、中間土場(ストックヤード)の活用が、流通コストを縮減していく上で有効な手段となってきている。このことから、林野庁では、中間土場(ストックヤード)の整備等に対する支援を実施している。

また、原木の流通の合理化に向け、森林組合の中には、共販所(*31)での入札をインターネット入札のみに切り替えてきた例もみられる。

加えて、山元での椪積(はいづみ)段階、輸送段階、工場着段階での材積測定における合理化を目的として、デジタルカメラ画像を利用した材積測定システムの利用可能性の検証と利用するに当たって最適な段階の検討を実施している例もみられる。


コラム 中間土場(ストックヤード)を活用した原木流通合理化の取組

製材工場の大型化や合板工場の設置に伴い、品質が均等な原木を、その時々の需要に応じてまとまって供給することが求められるようになっている。中間土場(ストックヤード)では、流域内の多くの素材生産業者や森林組合が搬入してきた原木を一時的にまとめて貯蔵することができ、また、用途に応じてサイズや形状別の仕分けを行うことができる。このことによって、品質の均等な原木をまとめることが可能となり、需要側の製材工場等にもメリットをもたらしている。

また、中間土場(ストックヤード)を通して工場に直送する場合、一般に大型トレーラによる輸送となるため、原木市売市場を通して工場に搬入するよりも、物流コストを縮減することが可能となる。また、仕分けを実施した結果、セリ売りの方が有利に販売できる優良材については、原木市売市場に輸送するなど、きめ細かな流通も可能となる。

さらに、中間土場(ストックヤード)においては、供給側と需要側が情報交換を実施する場も提供している。素材生産業者等が、工場のニーズを聴取し、このニーズに見合った長さや径級等の造材を行うことが可能となるため、原木の安定供給にも資することとなっている。

中間土場のイメージ
中間土場のイメージ
          中間土場における原木の仕分け

中間土場における原木の仕分け
中間土場における原木の仕分け


(*30)この調査での「流通加工業者」は、木材関係の経営に携わっている者で、原則としてパソコンでインターネットを利用できる環境にある者。

(*31)森林組合が運営する原木市売市場のこと。



(エ)林業事業体の育成

原木の供給力を増大させていくためには、素材生産等において高い生産性を有し、木材の需要が減退している局面においても収益を確保できるなど、優れた経営力を有する林業事業体の育成が急務となっている。

林野庁による聞き取り調査によると、需給動向を採材に反映させている素材生産事業体は、反映させていない素材生産事業体よりも経常損益に利益計上している割合が高く(資料 I -14)、経営コンサルタント等を活用している素材生産事業体の方が、営業利益率が高い(資料 I -15)といった結果が得られている。また、林業事業体の中には、情報通信技術(ICT(*32))を生産管理や森林情報管理に活用して工程改善等に取り組んでいる例もみられる(事例 I -4)。

一方で、作業日報を原価計算に活用している素材生産事業体の割合が42%にとどまる(*33)など、生産管理や原価計算等が行われている林業事業体が少数にとどまっていることが課題となっている。

今後は、林業事業体が生産管理や原価計算を導入することを推進するとともに、先進事例を普及することにより、林業事業体の経営力の育成に取り組んでいく必要がある。

さらに、我が国の平成26(2014)年度における高性能林業機械の稼働率についてみると、タワーヤーダ(*34)は13%、スイングヤーダは56%、ハーベスタは56%、プロセッサは57%にとどまっている(*35)。

林業機械の稼働率を高めるためには、まとまった作業箇所と十分な事業量を確保する必要があるほか、地形の傾斜や土質、路網の整備状況といった地域の条件に応じた適切な作業システムを効果的に導入・運用することが必要と考えられる。このためには、地域の条件に応じた適切な作業システムを選択し、運用することのできる人材を育成することが重要である。

事例I-4 ICTを活用した生産管理手法の導入

ICTを活用した生産管理手法の導入

長野県の北信州(きたしんしゅう)森林組合では、施業集約化のために取り組んだ境界明確化や森林資源調査で得られたデータについてのデジタル管理を進めているとともに、原木の生産や流通についても、ICTを活用した生産管理手法を導入している。

画像情報等を用いて林内の山土場や中間土場に椪積(はいづみ)された製材用材や合板用材の数量を把握する手法や、搬入等を行うトラックの規模等でチップ用材等の数量を把握する手法を導入することで、ICTを用いて出材量や出荷量といった情報をリアルタイムに森林組合の中で共有することを進めている。また、作業日報や経費、出来高等の労務管理の把握についても、ICTにより効率化を図っている。このような取組を進めた結果、素材の迅速な取引が可能となった。


(*32)「Information and Communication Technology」の略。

(*33)林野庁経営課調べ。

(*34)台車にワイヤーロープを巻き取るドラムと架線の支柱となるタワーを装備し、伐倒した木材を架線により吊り上げ、移動させる機能を備えた機械。トラック等の荷台に搭載して自走するものや牽引されて移動するものがある。

(*35)林野庁ホームページ「高性能林業機械の保有状況」表5



(オ)施業の集約化

(生産性の向上には施業の集約化が必要)

国産材の供給力を増大させていく上で、まとまった施業地を確保することが課題となっている。

「2010年世界農林業センサス」によると、我が国の「私有林」では、保有山林面積が10ha未満の林家(*36)が、林家数の9割を占めている。我が国の私有林の零細な所有規模では、個々の森林所有者が単独で効率的な施業を実施することが難しい場合が多い。このため、隣接する複数の所有者の森林をとりまとめて、路網整備や間伐等の森林施業を一体的に実施する「施業の集約化」が進められている。

施業の集約化により、作業箇所がまとまり、路網の合理的な配置や高性能林業機械による作業が可能となることから、素材生産コストの縮減が期待できる。また、一つの施業地から供給される木材のロットが大きくなることから、径級や質の揃った木材をまとめて供給することが容易となり、木材加工業者や木材流通業者のニーズに応えるとともに、価格面でも有利に販売することが期待できる。

施業の集約化の推進に当たっては、森林所有者等から施業を依頼されるのを待つのではなく、林業事業体から森林所有者に対して、施業の方針や事業を実施した場合の収支を明らかにした「施業提案書」を提示して、森林所有者へ施業の実施を働きかける「提案型集約化施業」が行われている(*37)。



(*36)保有山林面積が1ha以上の世帯のこと。なお、保有山林面積とは、所有山林面積から貸付山林面積を差し引いた後、借入山林面積を加えたもの。

(*37)提案型集約化施業は、平成9(1997)年に京都府の日吉町森林組合が森林所有者に施業の提案書である「森林カルテ」を示して森林所有者から施業受託に取り組んだことに始まり、現在、各地に広まっている。



(施業の集約化を推進する「森林施業プランナー」を育成)

林野庁では、提案型集約化施業を担う人材を育成するため、平成19(2007)年度から、林業事業体の職員を対象として、「森林施業プランナー研修」を実施している。現在は、組織としての体制強化を目的とする「ステップアップ研修(*38)」等を実施しており、平成27(2015)年度までに、901名が「ステップアップ研修」を修了している。さらに、平成21(2009)年度から、提案型集約化施業に取り組む事業体に対して、外部審査機関が評価を行う実践体制基礎評価(*39)を実施しており、平成27(2015)年度までに、11の事業体が同評価に基づく認定を受けている(*40)。

また、都道府県においても森林施業プランナーの育成を目的とする研修を実施している。

一方、平成24(2012)年10月に「森林施業プランナー協会」が設立され、森林施業プランナーの能力や実績を客観的に評価して認定を行う森林施業プランナー認定制度を開始した。同制度では、森林施業プランナー認定試験に合格した者、実践体制基礎評価の認定を受けた事業体に所属し、集約化施業の取組実績を有する者を「認定森林施業プランナー」として認定しており、平成28(2016)年3月末時点で、1,483名が認定されている(*41)(事例 I -5)。

事例I-5 認定森林施業プランナーによるタブレット型コンピューターを活用した集約化の取組

タブレット型コンピューターを活用した森林の現地調査
タブレット型コンピューターを活用した
森林の現地調査
タブレット型コンピューターによる森林所有者への説明資料
タブレット型コンピューターによる
森林所有者への説明資料

兵庫県のほぼ中央部に位置する多可郡(たかぐん)多可町(たかちょう)の北(きた)はりま森林組合では、認定森林施業プランナーによるタブレット型コンピューターを活用した施業集約化に取り組んでいる。

認定森林施業プランナーは、タブレット型コンピューターのアプリケーションを用いて、森林所有者ごとの図面や、面積、森林資源調査の結果、人件費等の事業経費の試算、森林整備事業の補助金に関する情報等を入力することにより、効率的に見積書を作成することができるようになった。また、これまでは、分厚い資料を準備し、これを持ち歩きながら一枚ずつ森林所有者に説明していたが、タブレット型コンピューターの利用により、森林所有者に提案する資料の準備や説明に要する時間を短縮することが可能となった。

また、タブレット型コンピューターを活用した説明は、現場の状況を示した写真や施業提案のイラストを用いることから、従来よりも円滑に森林所有者の関心や理解、同意を得ることができるようになっている。

資料:「認定森林施業プランナー活動事例集 Vol. 2」(平成26(2014)年3月)


(*38)「ステップアップ研修」は、「基礎的研修」修了者のスキルアップを図るとともに、同修了者と経営管理者、現場技術者等が一緒に参加して、組織として提案型集約化施業に取り組むことを学ぶ研修である。

(*39)提案型集約化施業を実施するための基本的な体制が構築されているかについて、外部評価を受けることで、林業事業体が抱える課題を具体的に把握し、取組内容の質の向上に結び付けることが可能となる。

(*40)提案型集約化施業ポータルサイト「実践体制基礎評価」

(*41)森林施業プランナー認定制度ポータルサイト「平成27年度認定森林施業プランナー名簿を公開しました」(平成28(2016)年3月31日付け)



(「森林経営計画」により施業の集約化を推進)

平成23(2011)年4月に改正された「森林法」に基づき、平成24(2012)年度から、施業の集約化を前提に、面的なまとまりをもった森林を対象とする森林経営計画制度が導入された。同制度では、森林の経営を自ら行う意欲のある森林所有者又は森林の経営の委託を受けた者が、林班(*42)又は隣接する複数林班の面積の2分の1以上の森林を対象とする場合(林班計画)や、所有する森林の面積が100ha以上の場合(属人計画)に、自ら経営する森林について森林の施業及び保護の実施に関する事項等を内容とする「森林経営計画」を作成できることとされている。「森林経営計画」を作成して市町村長等から認定を受けた者は、税制上の特例措置や融資条件の優遇に加え、計画に基づく造林や間伐等の施業に対する「森林環境保全直接支援事業」による支援等を受けることができる。

同制度については、導入以降も現場の状況に応じた運用改善を行っている。平成26(2014)年度からは、市町村が地域の実態に即して、森林施業が一体として効率的に行われ得る区域の範囲を市町村森林整備計画において定め、その区域内で30ha以上の森林を取りまとめた場合(区域計画)にも計画が作成できるよう制度を見直し、運用を開始した。この「区域計画」は、小規模な森林所有者が多く合意形成に多大な時間を要することや、人工林率が低いことなどにより、林班単位での集約化になじまない地域においても計画の作成を可能とするものである。これにより、まずは地域の実態に即して計画を作成しやすいところから始め、計画の対象となる森林の面積を徐々に拡大していくことで、将来的には区域を単位とした面的なまとまりの確保を目指すこととしている(資料 I -16)。

林野庁では、森林経営計画制度の運用や見直しに当たり、現場の実態や意見を把握するため、全国で「森林経営計画キャラバン」等を開催してきた。平成27(2015)年度においても全国9か所において同キャラバンを開催し、これまで行ってきた制度の運用改善を改めて周知するとともに、新たに追加された「区域計画」について説明を行うなど、森林経営計画制度の定着に努めている。

しかし、森林所有者の高齢化や不在村化が進行している中で森林所有者の特定や森林境界の明確化に多大な労力を要する場合や、施業集約化の同意の取得が困難となる場合が数多く生じている(*43)。このようなこともあり、平成26(2014)年度末現在の全国の森林経営計画作成面積は489万ha、民有林面積の28%にとどまっている状況である。

森林経営計画制度の概要


(*42)原則として、天然地形又は地物をもって区分した森林区画の単位(面積はおおむね60ha)。

(*43)森林所有者の特定や森林境界の明確化については、第 III 章(90~92ページ)を参照。



(施業の集約化を推進するための取組)

「森林経営計画」の作成や施業の集約化に向けた取組を進めるためには、森林所有者等の情報を整備していくことが不可欠である。林野庁では、「森林整備地域活動支援交付金」により、「森林経営計画」の作成、施業の集約化に必要な調査、合意形成活動等に対して支援している。平成26(2014)年には同交付金を拡充し、不在村森林所有者への働きかけやそれと合わせて行うGPSを活用した森林境界の確定、集約化を進める上で必要となる既存路網の簡易な改良についても支援している。

「森林経営計画」の作成や森林施業プランナーによる計画の作成支援、「森林整備地域活動支援交付金」の活用を通じた施業の集約化や搬出間伐に取り組む中、施業の集約化を推進するための新たな取組も実施されてきている。

その中では、共有林や生産森林組合の所有する森林といった既に一定のまとまりを有する森林を、近隣の森林の施業集約化を進めるために活用する取組が進められている(事例 I -6)。

また、森林経営の意欲がなく森林を手放す意向を有する森林所有者の森林等について、森林組合等や製材工場等によって保有や経営が実施されている事例も生まれてきている。

事例I-6 共有林を活用した施業集約化の推進

施業を実施した共有林
施業を実施した共有林
小型車両による作業システム
小型車両による作業システム

山梨県のF事業体は、平成15(2003)年から施業集約化を開始し、当初の41haの施業団地を核として約90haまでこれを拡充してきた。また、周辺の市町村まで施業集約化のフィールドを広げ、県内数か所で「森林経営計画」を作成している。これらの団地においては、間伐事業を進めつつ、地形に適した小型ハーベスタの開発を行い、高密度路網による小型車両による作業システムを構築している。

北杜市(ほくとし)の共有林代表者から、北杜市を通じて共有林の管理について相談があったことを契機として、この共有林と周辺の森林を合わせた区域を対象とした「森林経営計画」をF事業体が作成し、一括して林内路網の作設に取り組んだ。この路網を活用することにより、この共有林等の主要樹種であるアカマツの間伐及び搬出を実施することも可能となった。


(民有林と国有林が連携した「森林共同施業団地」の設定)

施業集約化を進めていく上で、民有林と国有林が近接している地域においては、間伐等の森林施業を効率的に行うことなどを目的とした「森林共同施業団地(*44)」の設定が進められており、平成26(2014)年度末においては、154か所において設定されている。この森林共同施業団地を設定することにより、民有林と国有林が協調した効率的な森林整備や木材の搬出を実施できる路網ルートの設定が期待される。

また、民有林の関係者と国有林が森林共同施業団地等において協調出荷に取り組むことによる大ロットでの国産材の安定供給や、中間土場(ストックヤード)の共用による原木の流通コストの縮減が期待される。



(*44)森林共同施業団地については、第 V 章(180-181ページ)を参照。



(カ)労働力の確保

原木供給力を増大させていくためには、素材生産の拡大のために必要な林業労働力の確保が不可欠である。これまで、「「緑の雇用」事業」により、専門的かつ高度な知識や技術・技能を有する林業労働者の育成に取り組んできたところである(*45)。林業労働者の雇用は、林業作業の季節性や事業主の経営基盤のぜい弱性等により、依然として日給制が大勢を占めている。今後においては、林業労働力を確保するためには、通年雇用の推進等により雇用条件を改善することが課題となっている(*46)。



(*45)「緑の雇用」については、第 III 章(98ページ)も参照。

(*46)林業労働者の育成については、第 III 章(99-100ページ)を参照。



(キ)路網の整備

(路網の整備が課題)

路網は、木材を安定的に供給し、森林の有する多面的機能を持続的に発揮していくために必要な造林、保育、素材生産等の施業を効率的に行うためのネットワークであり、林業の最も重要な生産基盤である。また、路網を整備することにより、作業現場へのアクセスの改善、機械の導入による安全性の向上、労働災害時の搬送時間の短縮等が期待できることから、林業の労働条件の改善等にも寄与するものである。さらに、地震等の自然災害により一般公道が不通となった際に、林内に整備された路網が迂(う)回路として活用された事例もみられる(*47)。

林業者モニターを対象に路網整備の状況と意向を聞いたところ、現在の路網の整備状況は50m/ha以下の路網密度であると回答した者が約6割だったのに対し、今後の路網整備の意向は50m/ha以上の路網密度を目指したいと回答した者が約6割となっている(資料 I -17)。

しかしながら、我が国においては、地形が急峻なこと、多種多様な地質が分布していることなどにより、路網の整備が十分に進んでおらず、平成26(2014)年度末現在、林内路網密度(*48)は20m/ha(*49)となっている。

「森林・林業基本計画」(平成23(2011)年7月)では、森林施業の効率的な実施のために路網の整備を進めることとして、林道の望ましい延長の目安を36万km、当面の目安として平成32(2020)年度に27万kmとしている。また、「全国森林計画」では、路網整備の目標とする水準を、緩傾斜地(0°~15°)の車両系作業システムでは100m/ha以上、急傾斜地(30°~35°)の架線系作業システムでは15m/ha以上等としている(資料 I -18)。

平成23(2011)年7月に森林・林業基本計画を変更して以降、年間の路網開設延長は、森林作業道を中心に増加し、平成26(2014)年度には、平成22(2010)年度の2倍以上の約152百kmに達している。





(*47)例えば、「平成23年度森林及び林業の動向」の11ページを参照。

(*48)各年度末における「公道等」、「林道」及び「作業道」の現況延長の合計を全国の森林面積で除した数値。

(*49)林野庁整備課調べ。



(丈夫で簡易な路網の作設を推進)

林野庁では、平成22(2010)年に、路網を構成する道を、一般車両の走行を想定した「林道」、普通自動車(10トン積程度のトラック)や林業用車両の走行を想定した「林業専用道」及びフォワーダ等の林業機械の走行を想定した「森林作業道」の3区分に整理して、これらを適切に組み合わせた路網の整備を進めることとしている(資料 I -19)。

丈夫で簡易な路網の作設を推進するため、新たに林業専用道と森林作業道の作設指針(*50)を策定し、林業専用道については、管理、規格・構造、調査設計、施工等に関する基本的事項を、森林作業道については、路線計画、施工、周辺環境等について考慮するべき最低限の事項(*51)を目安として示している。

現在、各都道府県では、林野庁が示した作設指針を基本としつつ、地域の特性を踏まえた独自の路網作設指針を策定して、路網の整備を進めている(*52)。平成26(2014)年度には、全国で林道(林業専用道を含む)568km、作業道14,585kmが開設された。国産材の安定供給体制を早期に構築する観点からは、路網については、引き続き育成林(*53)のうち林地生産力が高い林分において重点的に整備していくことが有効である。

路網整備における路網区分及び役割


(*50)「林業専用道作設指針の制定について」(平成22(2010)年9月24日付け22林整整第602号林野庁長官通知)、「森林作業道作設指針の制定について」(平成22(2010)年11月17日付け林整整第656号林野庁長官通知)

(*51)例えば、周辺環境への配慮事項として、森林作業道の作設工事中及び森林施業の実施中は、公道又は渓流への土砂の流出や土石の転落を防止するための措置を講じること、事業実施中に希少な野生生物の生息・生育情報を知ったときは、必要な対策を検討することとされている。

(*52)なお、林業専用道については、現地の地形等により作設指針が示す規格・構造での作設が困難な場合には、路線ごとの協議により特例を認めることなどにより、地域の実情に応じた路網整備を支援することとしている。

(*53)森林を構成する林木を皆伐により伐採し、単一の樹冠層を構成する森林として人為により成立させ維持される森林(育成単層林)と森林を構成する林木を択伐等により伐採し、複数の樹冠層を構成する森林として人為により成立させ維持される森林(育成複層林)のこと。



(路網整備を担う人材を育成)

路網の作設に当たっては、現地の地形や地質、林況等を踏まえた路網ルートの設定と設計・施工が重要であり、高度な知識・技能が必要である。このため、林野庁では、林業専用道等の路網作設に必要な線形計画や設計、作設及び維持管理を担う技術者の育成を目的として、国有林フィールドを活用するなどして、平成23(2011)年から「林業専用道技術者研修」に取り組んでおり、これまで2,073人が修了し、地域の路網整備の推進に取り組んでいる。

また、森林作業道を作設するオペレーターを育成するため、平成22(2010)年度から、これから森林作業道づくりに取り組む初級者を対象として研修を実施しており、平成25(2013)年度までに、2,101名を育成し受講者は現場での森林作業道の作設を担っている。

さらに、より高い技術力を身に付け地域で指導者的な役割を果たす者を養成する研修についても平成22(2010)年度に開始しており、平成26(2014)年度までに1,155名を育成した。研修を受講した指導者は、各地域で伝達研修等を積極的に開催しており、平成26(2014)年度は全国で99回の現地検討会が開催され、2,736名が参加している。


お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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