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ホーム > 森林・林業白書 > 平成27年度 森林・林業白書(平成28年5月17日公表) > 平成27年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第 I 章 第1節 森林資源の充実と国産材需給の現況(1)


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第1部 第 I 章 第1節 森林資源の充実と国産材需給の現況(1)


我が国の森林資源は戦後造成された人工林を中心に充実し、本格的な利用期を迎えており、十分な供給余力がある。しかしながら、木材需要量に対して国産材供給量は約3割となっており、豊富な森林資源を積極的に循環利用していく上で、国産材の利用の促進と国産材の安定供給体制を構築することが重要となっている。

以下においてはまず、国産材の安定供給体制の構築が求められている背景として、森林資源の充実や国産材需給の現況について記述する。

(1)森林資源の充実と「林業の成長産業化」

(森林資源の充実)

我が国は、主に終戦直後や高度経済成長期の伐採の跡地において、スギ・ヒノキ等の人工林の造成を進めてきた。その面積は、国土の2割以上を占める約1,000万haに達している。これまで人工林の多くは、間伐等の施業が必要な育成段階にあったが、現在では、その約5割が10齢級以上の高齢級(*1)に達しており、主伐による利用が可能となりつつある(資料 I -1)。我が国の森林蓄積(森林資源量)についても、こうした人工林の齢級構成の変化に伴って増加し、現在は約49億m3に達している。このように、これまでの造林・保育による資源の造成期から、現在は資源の利用期に本格的に移行してきている。



(*1)齢級は、林齢を5年の幅でくくった単位。苗木を植栽した年を1年生として、1〜5年生を「1齢級」と数える。



(森林資源の循環利用と「林業の成長産業化」)

充実してきた森林資源については、「植える→育てる→使う→植える」というサイクルの中で循環利用を推進することによって、伐採後の再造林や間伐等の森林整備が適切に実施され、国土の保全、水源の涵(かん)養、地球温暖化の防止等の森林の多面的機能の発揮を確保することが可能になる。

そして、このサイクルが活力を持つようにするためには、国産材の利用を推進することが重要である。国産材の利用は、木材産業の振興につながるものであり、地域経済の活性化に貢献するとともに、国産材の利用によって生み出された収益が森林所有者や林業者に還元されることによって、森林整備が促進されていく。

また、木材は、再生可能な資源であり、住宅や家具等に利用されることで、長期間にわたって炭素を貯蔵する「第2の森林」としての役割を果たしている。さらに、エネルギーを多く消費して製造される鋼材等の資材や化石燃料の代わりに利用することで、二酸化炭素の排出を抑制することから、木材の利用は、地球温暖化の防止に貢献することができる。

他方、昭和55(1980)年以降、木材価格が下落傾向で推移する一方で、人件費や資材等の経営コストが上昇したことから、林業経営の採算性が大幅に悪化してきた。このため、森林所有者の経営意欲が減退し、林業生産活動は停滞してきた。また、我が国の林業は、小規模零細な森林所有構造の下、施業集約化や路網整備、効率的な作業システムの導入や運用の立ち後れ等により、生産性が低い状況にある。

加えて、林業従事者や森林所有者の多くが居住する山村地域は、過疎化や高齢化が急速に進み、集落機能が低下し維持が困難な集落があるなど、依然として厳しい状況に置かれている。しかしながら、林業は、山村地域における雇用の確保に貢献する産業であり、森林所有者は、林業を通して、自らの森林を保全管理し、水源涵(かん)養等の多面的機能の発揮に大きく貢献してきた。そのため、山村の振興を図っていく上でも、木材をはじめ山村地域に豊富に存在する森林資源の利活用を進めることによって、林業や木材産業を振興していくことが必要である。

平成27(2015)年6月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」では、「林業の成長産業化」として、「森林資源のフル活用に向けて、製材品や集成材(*2)、合板(*3)、木質バイオマス利用などのバランスの取れた需要を創出し、需要に応じた国産材の安定供給体制を確立する。」とされている。このように、再生可能資源である豊富な森林資源を持続的に循環利用し、森林の多面的機能を発揮させつつ、CLT(直交集成板)(*4)や木質バイオマス利用等の新たな木材需要の創出、国産材の安定供給体制の構築を図り、林業の成長産業化を実現することが重要な課題にもなっている。



(*2)一定の寸法に加工されたひき板(ラミナ)を複数、繊維方向が平行になるよう集成接着した製品のこと。

(*3)木材を薄く剥いた単板を3枚以上、繊維方向が直角になるよう交互に接着した製品のこと。

(*4)CLT(直交集成板)については、第 IV 章(145-146ページ)を参照。



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林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
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