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ホーム > 森林・林業白書 > 平成24年度 森林・林業白書(平成25年6月7日公表) > 平成24年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第VI章 第3節 木材利用の推進(1)


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第1部 第VI章 第3節 木材利用の推進(1) 

 

木材の利用は、快適な住環境の形成や地域経済の活性化につながるのみならず、地球温暖化の防止にも貢献する。特に、国産材の利用は、「植える→育てる→使う→植える」というサイクルを維持して、森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるとともに、山元に収益を還元して、地域の活性化にもつながる(資料VI−31)。

以下では、住宅分野における木材利用、公共建築物の木造化、木質バイオマスのエネルギー利用、木材輸出、技術開発、木材利用の普及啓発の各分野について、最新の動向を記述する。


資料VI-31

 

(1)住宅分野における木材利用 

(住宅分野は木材需要に大きく寄与)

我が国における木材需要の約4割、国産材需要の約55%が建築用材であり(*84)住宅を中心とする建築用材の需要拡大が木材全体の需要拡大に大きく貢献する。特に、我が国では、新設住宅着工戸数の約半分が木造であり(*85)、木造住宅の着工動向が木材需要全体に大きな影響を与えている。

我が国における木造住宅の主要な工法としては、「在来工法(木造軸組工法)」、「ツーバイフォー工法(枠組壁工法)」、「木質プレハブ工法」の3つが挙げられる(*86)。平成23(2011)年における工法別のシェアは、在来工法が76%、ツーバイフォー工法が21%、木質プレハブ工法が3%となっている(*87)。

 


(*84)林野庁試算による。

(*85)新設住宅着工戸数の動向については、171−172ページ参照。

(*86)「在来工法」は、単純梁形式の梁・桁で床組みや小屋梁組を構成し、それを柱で支える柱梁形式による建築工法。「ツーバイフォー工法」は、木造の枠組材に構造用合板等の面材を緊結して壁と床を作る建築工法。「木質プレハブ工法」は、木材を使用した枠組の片面又は両面に構造用合板等をあらかじめ工場で接着した木質接着複合パネルにより、壁、床、屋根を構成する建築工法。

(*87)国土交通省「住宅着工統計」(平成23(2011)年)


 

(住宅メーカー等による国産材の利用) 

住宅分野における国産材利用を拡大するためには、住宅メーカーや工務店等が必要とする製品を、低コストで安定的に供給することが重要である。

このため、林野庁では、平成16(2004)年度から、「新流通・加工システム」として、曲がり材や間伐材等を使用して集成材や合板を低コストかつ大ロットで安定的に供給する体制の整備に取り組んできた。また、平成18(2006)年度からは、「新生産システム」として、製材の分野で、生産・流通・加工の各段階でのコストダウン、住宅メーカー等のニーズに応じた最適な加工・流通体制の構築等の取組を進めてきた(*88)。

このような動きを受けて、住宅メーカーでは、国産材を積極的に利用する取組が拡大している。最近では、ツーバイフォー工法や鉄骨工法等、在来工法以外の工法を中心とする住宅メーカーでも、国産材の利用が拡大している。

また、平成21(2009)年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」を受けて、住宅メーカーや住宅生産関係団体等により、木造による長期優良住宅(*89)が開発されている。

 


(*88)「新流通・加工システム」と「新生産システム」については、「平成23年度森林及び林業の動向」155-157ページ参照。

(*89)構造の腐食、腐朽及び摩損の防止や地震に対する安全性の確保、住宅の利用状況の変化に対応した構造及び設備の変更を容易にするための措置、維持保全を容易にするための措置、高齢者の利用上の利便性及び安全性やエネルギーの使用の効率性等が一定の基準を満たしている住宅。


 

(関係者の連携による家づくりも普及) 

平成の初め(1990年代)から、木材生産者や製材業者、木材販売業者、大工・工務店、建築士等の関係者がネットワークを組み、地域で生産された木材や自然素材を多用して、健康的に長く住み続けられる家づくりを行う取組がみられるようになった(*90)。

林野庁では、平成13(2001)年度から、森林所有者から大工・工務店等住宅生産者までの関係者が一体となって、消費者の納得する家づくりに取り組む「顔の見える木材での家づくり」を推進している。平成23(2011)年度には、関係者の連携による家づくりに取り組む団体数は342、供給戸数は約6,200戸となった(*91)。

このような取組を行う団体の中には、木材の産地が分かるように、バーコードを使ったトレーサビリティ(履歴証明)システムを導入するところもみられる(*92)。

また、国土交通省では、平成24(2012)年度から、「地域型住宅ブランド化事業」により、資材供給から設計・施工に至る関連事業者からなるグループが、グループ毎のルールに基づき地域で流通する木材を活用した木造の長期優良住宅を建設する場合に、建設工事費の一部を支援している。同事業では、平成25(2013)年2月現在、478のグループが選定され、約6,300戸の木造による長期優良住宅を整備する予定となっている。

 


(*90)嶋瀬拓也 (2002) 林業経済, 54(14): 1-16.

(*91)林野庁木材産業課調べ。

(*92)例えば、天竜T.S.ドライシステム協同組合。


 

(地域で流通する木材を利用した住宅を普及) 

総務省では、平成12(2000)年度から、都道府県による地域で流通する木材の利用促進の取組に対して財政措置を講じており、地域で流通する木材を利用した住宅の普及に向けた都道府県独自の取組が広がっている。また、市町村による取組も広がっている。平成24(2012)年7月現在、40府県と208市町村が、地域で流通する木材を利用した住宅の普及に取り組んでいる(*93)。

 


(*93)林野庁木材産業課調べ。都道府県や市町村による取組の事例については、ホームページ「日本の木のいえ情報ナビ」を参照。



お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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