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ホーム > 森林・林業白書 > 平成24年度 森林・林業白書(平成25年6月7日公表) > 平成24年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第VI章 第2節 木材産業の動向(2)


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第1部 第VI章 第2節 木材産業の動向(2)

(2)製材業 

(大規模製材工場に生産が集中)

我が国の製材工場数は、平成23(2011)年末現在で6,242工場であり、前年に比べて327工場減少した。減少した工場の約7割は、出力規模(*66)が75kW未満の小規模工場であった。平成23(2011)年末時点における製材工場の従業員総数は、前年比3.0%減の32,482人となっている。

出力階層別の素材消費量(*67)の割合をみると、平成23(2011)年には、「出力規模300kW以上」の大規模工場が62%、「75〜300kW」の中規模工場が27%、「75kW未満」の小規模工場が11%であった。大規模工場による素材消費量の割合は、平成11(1999)年以降一貫して上昇しており、製材の生産が大規模工場に集中する傾向がみられる(資料VI−23)。


資料VI-23

データ(エクセル:172KB)


(*66)各工場の製材用機械を動かす動力(モーター)が一定時間に出す有効エネルギーの大きさ。

(*67)製材工場出力数と年間素材消費量の関係の目安は次のとおり。75kW未満:2千m3未満、75kW以上300kW未満:2千m3以上1万m3未満、300kW以上:1万m3以上。


 

 

(製材用素材の7割が国産材) 

製材工場における製材用素材入荷量は、平成23(2011)年には前年比4%増の1,643万m3であった。このうち、国産材は前年比9%増の1,149万m3であり、製材用素材入荷量に占める国産材の割合は前年比3ポイント増の70%であった。これに対して、輸入材は前年比5%減の493万m3であり、このうち、米材が337万m3(68%)、北洋材が50万m3(10%)、ニュージーランド材が78万m3(16%)、南洋材が11万m3(2%)、その他が17万m3(3%)となっている(資料VI−24)。

製材工場のうち、国産材を専門に取り扱う工場は、輸入材を専門に取り扱う工場と比較して、総じて小規模である。平成23(2011)年の1工場当たりの平均素材入荷量は、国産材専門工場では2,362m3であるのに対して、輸入材専門工場では7,547 m3となっている。

近年では、年間素材消費量が数万m3規模の大型の国産材製材工場が増加しており、国産材専門工場における1工場当たりの平均素材入荷量は増加傾向にある。また、内陸に大規模な国産材製材工場を整備する事例もみられる(事例VI−1)。


資料VI-24

データ(エクセル:94KB)

事例VI-1 国内資源の調達に有利な内陸に製材工場を整備 

事例VI-1

茨城、福島、栃木の3県にまたがる八溝山系は、品質の優れたスギの生産地である。これらの資源を活用するため、木材加工事業体のM協同組合(茨城県常陸大宮市)は、平成23(2011)年に、茨城県常陸大宮市の県工業団地に、月間原木消費量10,000m3の集成材用のラミナ製材工場を建設した。同工場の主力製品であるスギの構造用集成材ラミナは、茨城県神栖市にあるC社の大型集成材工場へ供給されている。

 

(製材品出荷量は長期的に減少傾向) 

我が国における製材品の出荷量は、平成23(2011)年には前年比0.2%増の943万m3であった。平成13(2001)年の製材品出荷量は1,549万m3であったことから、10年間で40%減少したことになる。平成23(2011)年の製材品出荷量の用途別内訳をみると、建築用材が743万m3(79%)、土木建設用材が44万m3(5%)、木箱仕組板・こん包用材が122万m3(13%)、家具・建具用材が8万m3(1%)、その他用材が26万m3(3%)となっており、建築用が主な用途となっている。

(人工乾燥材の供給は3割程度) 

近年、製品の品質・性能や住宅の耐震性に対する消費者ニーズの高まりにより、寸法安定性に優れ、強度性能が明確な木材製品が求められている。

特に、木造住宅の建築現場では、施工期間の短縮や施工コストの低減等を図るため、柱や梁等の部材の継ぎ手や仕口(*68)を工場であらかじめ機械加工する「プレカット材」の利用が拡大している。平成23(2011)年には、プレカット材を利用した木造軸組工法住宅の割合は88%に達している(資料VI−25)。プレカット材の普及に伴い、その加工原料として、寸法安定性の優れた乾燥材(*69)や集成材への需要が高まっている。

これまで、人工林資源の多くを占めるスギ材は、含水率のばらつきが大きく、品質の均一な乾燥材の生産が困難であった。また、零細な製材工場では、乾燥機の導入・運転コストが高く、経営の負担となっていた。

近年では、乾燥技術の向上や大規模な国産材製材工場の増加等を背景として、建築用製材品における人工乾燥材の出荷量は増加傾向にあり、平成11(1999)年の182万m3から平成20(2008)年には267万m3に増加している。ただし、建築用製材品に占める人工乾燥材の割合は、上昇しているものの、依然として全体の3割程度にとどまっている(資料VI−26)。


資料VI-25資料VI-26

データ(エクセル:49KB)                                                      データ(エクセル:57KB)


(*68)木造建築で2つ以上の部材を接合する工作。

(*69)建築用材等として使用する前に、あらかじめ乾燥させた木材。木材に含まれる水分を15%程度まで減少させることにより、寸法の狂いやひび割れ等を防止し、強度を向上させる効果がある。


 

(JAS認定を取得した製材工場は1割程度) 

木材の品質については、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」に基づく「日本農林規格(JAS(ジャス))」として、素材、製材、集成材、合板、フローリング等9品目(*70)の規格が定められている。JAS制度では、登録認定機関(*71)から製造施設や品質管理及び製品検査の体制等が十分であると認定された者(認定事業者)が、自らの製品にJASマークを付けることができるとされている(*72)。

平成22(2010)年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が公布され、平成23(2011)年には、同法を踏まえて、官庁営繕の技術基準である「木造計画・設計基準」が制定された(*73)。同基準では、官庁施設の設計には構造計算が必須となることから、官庁施設の構造耐力上主要な部分に用いる製材等は「原則として、(標準強度が定められている)JASに適合するもの又は国土交通大臣の指定を受けたもの」とされた。このため、今後、JAS製品に対するニーズは高まるものと考えられる。

しかしながら、JAS制度に基づく認定を取得した事業者の割合は、合板工場では約8割に達しているものの、製材工場では1割程度にすぎず、JAS製材の供給体制は十分とはいえない(*74)。

 


(*70)素材、製材、集成材、合板、フローリング、枠組壁工法構造用製材、枠組壁工法構造用たて継ぎ材、単板積層材、構造用パネル。

(*71)ISO/IECが定めた製品の認証を行う機関に関する基準等に適合する法人として、農林水産大臣の登録を受けた法人(ISOは「国際標準化機構(International Organization for Standardization)」、IECは「国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)」)。

(*72)「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(昭和25年法律第175号)第14条第1項

(*73)公共建築物の木造化については、190−194ページ参照。

(*74)合板工場については、公益財団法人日本合板検査会調べによるJAS認定工場数(平成24(2012)年3月現在)を全合板工場数(平成23(2011)年末現在)で除した割合。製材工場については、一般社団法人全国木材検査・研究協会と一般社団法人北海道林産物検査会調べによる製材等JAS認定工場数(平成24(2012)年10月現在)を全製材工場数(平成23(2011)年末現在)で除した割合。


 

(製材供給量の約4割が輸入製材) 

製材の輸入量は、平成23(2011)年には684万m3となっており、製材の消費量に占める輸入製材の割合は42%であった。製材の主な輸入先国は、カナダ(230万m3)、ロシア(87万m3)、スウェーデン(79万m3)等となっている。


お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
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