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ホーム > 森林・林業白書 > 平成24年度 森林・林業白書(平成25年6月7日公表) > 平成24年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第V章 第1節 林業の動向(1)


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第1部 第V章 第1節 林業の動向(1) 

 

我が国では、保有山林面積の小さい森林所有者が多数を占める森林所有構造の下、林業活動は長期的に停滞してきた。このような中、農林水産省では、効率的で安定的な林業経営の確立に向けて、施業の集約化、路網の整備、機械化の促進などに取り組んでいる。

以下では、林業生産の動向、林業経営の動向、林業就業者の動向、林業の生産性向上に向けた取組について記述する。

(1)林業生産の動向

(ア)林業産出額の動向 

「林業産出額」は、国内における木材、栽培きのこ類、薪炭等の林業生産活動による生産額の合計である。平成23(2011)年の林業産出額は、木材の価格が上昇するとともに、生産量も増加したことから、木材生産額は前年より6%増加したものの、きのこ類の価格の低下等により、栽培きのこ類生産額は前年より7%減少したことなどから、総額では前年比1%減の4,166億円となった(資料V-1)。

林業産出額は、昭和55(1980)年の約1.2兆円をピークに、長期的に減少傾向で推移しており、近年は約4,000億円程度となっている。このうち、木材生産額は、昭和55(1980)年の約1兆円から、近年は、2,000億円程度まで減少している。林業産出額全体に占める木材生産額の割合は、昭和55(1980)年には84%であったが、平成14(2002)年以降は、5割程度に低下している。

これに対して、栽培きのこ類の生産額は、昭和55(1980)年には約1,800億円程度であったが、近年は1割程度増加して、木材生産額とほぼ同等の2,000億円程度となっている。

資料V-1

データ(エクセル:139KB)

(イ)素材生産の動向 

(近年の素材生産量は増加傾向)

木材生産の動向を、素材(*1)の生産量についてみると、平成23(2011)年は、住宅需要が回復して製材用の生産量が増加したことにより、スギについては前年比7%増の965万m3、ヒノキについては前年比7%増の217万m3となった。

スギの素材生産量は、住宅を中心とする木材需要の減少により、昭和59(1984)年まで減少してきた。その後、住宅着工戸数の増加により反転したものの、平成7(1995)年からは再び減少した。平成14(2002)年からは、合板への利用拡大等により再び増加傾向にある。

ヒノキの素材生産量は、昭和54(1979)年の366万m3をピークに長期的な減少傾向にあったが、平成20(2008)年以降は増加傾向にある(資料V-2)。

資料V-2

データ(エクセル:111KB)


(*1)立木を伐採し、製材や合板等の原料として、幹等を一定の長さに切断した木材のこと。丸太、原木ともいう。


 

(素材価格は長期的に下落傾向) 

平成24(2012)年の素材価格は、 国産材の需給のミスマッチにより、スギ、ヒノキとも前年から大きく下落した。スギについては、前年比7%安の11,400円/m3、ヒノキについては、前年比15%安の18,500円/m3となった。

スギの素材価格は、昭和55(1980)年の39,600円/m3をピークに下落傾向にある。昭和62(1987)年から住宅需要を中心とする木材需要の増加により若干上昇したものの、平成3(1991)年からは、再び下落している。近年は、12,000円/m3前後で推移している。

ヒノキの素材価格は、スギと同様に、昭和55(1980)年の76,400円/m3をピークに下落傾向にあり、昭和62(1987)年から若干上昇したものの、平成3(1991)年からは下落傾向で推移している。近年は、21,000円/m3前後で推移している(資料E.-2)。

(山元立木価格はピーク時の1割〜2割) 

「山元立木価格」は、林地に立っている樹木の価格で、樹木から生産される丸太相当材積(利用材積)当たりの価格で示される。山元立木価格は、市場での丸太売渡価格(素材価格)から伐採・運搬等にかかる経費(素材生産費等)を控除することにより算出され、森林所有者の収入に相当する。

平成24(2012)年の山元立木価格は、スギが前年比8%減の2,600円/m3、ヒノキが19%減の6,856円/m3であった(*2)。ピーク時の昭和55(1980)年の価格と比べると、スギの価格はピーク時の11%、ヒノキの価格は同16%となっている。

 

資料V-3

データ(エクセル:66KB)


(*2)一般財団法人日本不動産研究所「山林素地及び山元立木価格調(平成24(2012)年3月末現在)」


 

(主伐の立木販売収入は育林経費を下回る) 

このような山元立木価格の下落により、育林過程全体でみると、主伐の立木の販売による収入では育林経費を賄うことができない状況にある。

スギ人工林について、50年生で主伐した場合の立木販売収入は、平成22(2010)年時点の丸太価格に基づいて試算すると、117万円/ha(*3)となる。これに対して、植栽から50年生までの造林・保育にかかる経費は、平均で約231万円/haとなっている。このうち約7割に当たる約156万円/haが植栽から10年間に必要となっている(資料V-4)。このため、森林所有者が、主伐の立木販売収入により再造林を行うことは困難になっている。

このように、我が国の林業は、販売収入に対して育林経費が高く、公的な支援がなければ植林から伐採までの長期にわたる林業経営を行うことが困難な状況にある。このため、育林経費の低コスト化が重要な課題の一つとなっている。

資料V-4

データ(エクセル:25KB)


(*3)スギ中丸太価格(11,800円/m3、農林水産省「木材価格」)から素材生産費等(7,869円/m3、林野庁企画課調べ。)を控除した粗収入3,931円/m3にスギ10齢級の平均材積297m3/ha(林野庁「森林資源の現況(平成19(2007)年3月31日現在)」における10齢級の総林分材積を同齢級の総森林面積で除した平均材積396m3/haに利用率0.75を乗じた値)を乗じて算出。


 


お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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