English

このサイトの使い方

サイトマップ

ホーム > 森林・林業白書 > 平成24年度 森林・林業白書(平成25年6月7日公表) > 平成24年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第IV章 第3節 国際的な取組の推進(3)


ここから本文です。

第1部 第IV章 第3節 国際的な取組の推進(3)

(3)我が国の国際協力 

我が国は、持続可能な森林経営を推進するため、技術協力や資金協力等による「二国間協力」、国際機関を通じた「多国間協力」等による国際貢献を行っている。

(二国間協力)

二国間協力は、「技術協力」と「資金協力」により実施している。

「技術協力」としては、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて、専門家の派遣、研修員の受入れ及び機材の供与を有機的に組み合わせた「技術協力プロジェクト」や、開発調査、研修等を実施している。平成24(2012)年度には、ケニアで新たに森林・林業分野の技術協力プロジェクトを開始した。平成24(2012)年12月末現在、森林・林業分野では、18か国で28件の技術協力プロジェクトを実施している。林野庁からは、JICAを通じて、9か国に17名の専門家を派遣している(資料IV-44、事例IV-15)。

「資金協力」としては、供与国に返済義務を課さない「無償資金協力」により、森林管理のための機材供与や森林造成のプロジェクトへの支援を行っている。また、JICAを通じて開発資金の低利・長期の貸付け(円借款)を行う「有償資金協力」により、造林の推進や人材の育成等を目的とするプロジェクトに資金の貸付けを行っている。

資料IV-44

データ(エクセル:29KB)

事例IV-15 パプアニューギニアにおける森林現況把握への支援 

事例IV-15事例IV-15

パプアニューギニアは、2,900万haの熱帯雨林を有している。同国の熱帯林は、木材輸出により国民経済の発展に寄与するとともに、生物多様性保全の観点からも重要となっている。しかしながら、同国では、森林資源の減少・劣化が大きな問題となっており、国土に占める森林面積の割合は1972年の72%から2002年には61%まで低下している。同国では、「途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)」の実施に向けて、森林資源の管理や利用等に関する計画を立てることとしているが、政策立案に必要な森林資源の情報は十分には整備されていない。
このため、我が国は、同国政府の要請に応え、平成23(2011)年3月から3か年計画で、同国の森林公社にJICAを通じて専門家2名を派遣している。派遣された専門家は、同国の森林の現況把握とモニタリングを効率的に実施する手法を検討した上で、衛星画像やGIS等を用いたシステム構築と同システムを使うことができる人材の育成に取り組んでいる。
我が国の支援により、パプアニューギニアの森林現況を把握することが可能となり、REDD+の実施のみならず、地域社会のニーズに応じた適切な森林管理を行うことが可能となる。

 

(多国間協力) 

多国間協力としては、ITTOやFAO等を通じた協力を行っている。

ITTOは、熱帯林の持続可能な経営の促進と合法的に伐採された熱帯木材の貿易の発展を目的として、1986年に設立された国際機関で、本部を我が国(横浜市)に置いている。我が国は、ITTOに対して、本部事務局経費に加え、持続可能な熱帯林経営の推進や違法伐採対策のための普及・啓発・人材育成に必要な経費を拠出している。

平成23(2011)年12月には、ITTOの根拠協定として、これまでの「千九百九十四年の国際熱帯木材協定」に代わり、「二千六年の国際熱帯木材協定(*128)」が発効した。新たな協定では、協定の目的に違法伐採問題への対処や持続可能な熱帯林経営を通じた貧困軽減等が新たに追加された。平成24(2012)年には、新たにハンガリー、モザンビーク、トリニダード・トバゴの3か国が同協定を締結して、加盟国は64か国とEUになった。

平成24(2012)年11月に行われた「第48回国際熱帯木材理事会」では、ITTOの2013年から2018年までの行動計画である「ITTO行動計画2013-2018」が採択された。同計画では、ガバナンスの向上、政策枠組みの強化と資金の増進、熱帯林の経済への貢献の増大、生物多様性の保全等の6項目に取り組むこととされた。また、同理事会では、加盟国から31件、総額約6百万ドルのプロジェクト等に対する資金拠出が表明された。このうち、我が国からは、14件、総額約3.6百万ドルのプロジェクト等への拠出を表明した(*129)。

FAOは、各国国民の栄養水準と生活水準の向上、食料・農産物の生産・流通の改善、農村住民の生活条件の改善を目的として、1945年に設立された国際機関で、本部をイタリア(ローマ)に置いている。我が国は、FAOに対して、加盟国としての分担金の拠出、途上国における持続可能な森林経営の実現に向けた人材育成等に必要な経費の拠出、職員の派遣等の貢献を行っている。

また、2007年に世界銀行が設立した「森林炭素パートナーシップ基金(FCPF(*130))」に対して、我が国は1千万ドルを拠出している。FCPFは、途上国に対して、森林減少の抑制やモニタリング等のための能力向上支援を行う「準備基金」と、森林減少の抑制を行った途上国に対して、排出削減量に応じた資金を提供する「炭素基金」から構成されている。同基金では、特に途上国における森林減少・劣化対策の防止に資する技術開発や人材育成に対して支援を行っている。

2012年11月現在、ベトナム等27か国が、基金を活用して能力開発支援事業を実施している。


(*128)林野庁プレスリリース「「二千六年の国際熱帯木材協定」の発効について」(平成23(2011)年12月21日付け)

(*129)林野庁プレスリリース「「第48回国際熱帯木材理事会」の結果について」(平成24(2012)年11月12日付け)

(*130)「Forest Carbon Partnership Facility」の略。


 

(その他の国際協力) 

このほか、林野庁では、途上国におけるCDM植林プロジェクトの実施に向けて、植林候補地の情報収集・整備に取り組んでいる(*131)。

また、アジアやアフリカにおける難民キャンプ周辺や鉱物の採掘等によって荒廃した土地を対象に、植生回復に向けた実態の把握や技術指針の作成を支援している。

さらに、砂漠化や水資源問題が深刻化する地域を対象に、現地調査や衛星画像等を活用しながら、森林減少・劣化の現状把握等に取り組んでいる。

加えて、「日中民間緑化協力委員会(*132)」では、中国で行われる植林緑化の事業に対して支援を行っている(*133)。


(*131)CDM植林については、第III章(71ページ)参照。

(*132)中国における植林緑化協力を行う日本の民間団体等(NGO、地方自治体、民間企業)を支援することを目的として、平成11(1999)年11月に、日中両国政府が公文を交換し設立された委員会。同委員会は、日中両政府のそれぞれの代表者により構成され、助成対象とする植林緑化事業の選定に資するための情報及び意見の交換等を実施(事務局は日中緑化交流基金)。

(*133)我が国の海外協力については、林野庁「RINYA」平成25(2013)年1月号: 4月9日参照。


 


お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

ページトップへ


アクセス・地図