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ホーム > 森林・林業白書 > 平成24年度 森林・林業白書(平成25年6月7日公表) > 平成24年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第IV章 第1節 森林の整備の推進(5)


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第1部 第IV章 第1節 森林の整備の推進(5) 

(5)研究・技術開発及び普及の推進

(研究・技術開発の新たな戦略)

林野庁は、平成23(2011)年7月の「森林・林業基本計画」の見直しを受けて、同11月から、「新たな森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略の策定のための検討会」を開催した。同検討会での検討結果を踏まえて、平成24(2012)年9月に、これまでの「森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略」と「林木育種戦略」を統合して、新たな「森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略(*41)」を策定した。

同戦略では、東日本大震災の発生や「森林・林業基本計画」の見直しなどの情勢の変化に触れた上で、森林の有する多面的機能の発揮、林業の持続的かつ健全な発展、林産物の供給及び利用の確保、林木育種の推進、東日本大震災からの復旧・復興の実現を重点課題として、具体的な課題に取り組むこととした。

同戦略を踏まえて、国や独立行政法人森林総合研究所、都道府県、大学、民間等が相互に連携しながら、森林・林業に係る政策ニーズに対応した研究・技術開発を実施している(事例IV-10)。

事例IV-10 広葉樹林化のための更新予測及び誘導技術の開発 

事例IV-10

人工林のうち、手入れ不足の林分や経営が成り立たない林分では、国土保全や生物多様性保全などの機能が低下するおそれがある。このような人工林では、針広混交林や広葉樹林へ誘導・育成することが求められている。
独立行政法人森林総合研究所は、平成19(2007)年度 から平成23(2011)年度までの間、国内の大学、都道府県の試験研究機関等と共同して、広葉樹林化のための更新予測と誘導の技術を開発し、その成果を「広葉樹林化ハンドブック2012」として発表した。同ハンドブックでは、①天然更新を促進し、更新を確実にする方法、②植栽による更新の新しい手法や考え方、③公益的機能を維持向上させるための施業・評価方法、④更新作業の妥当性を検証して、確実な更新に導くための方法、⑤更新を完了させるまでの施業の流れ図と作業例の5点を中心に、広葉樹林化の考え方や施業方法を解説している。
同ハンドブックは、独立行政法人森林総合研究所のホームページで公表されている。

(参考)ハンドブック公表ホームページ:http://www2.ffpri.affrc.go.jp/labs/bl_pro_1/top.html


(*41)林野庁「森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略」(平成24(2012)年9月策定)


 

(林業普及指導事業の見直し) 

林業普及指導事業は、都道府県が本庁や地方事務所等に「林業普及指導員」を配置して、関係機関等との連携の下、森林所有者等に対して林業に関する技術・知識の普及と森林施業に関する指導を行う事業である。また、同事業では、市町村の求めに応じて「市町村森林整備計画」の作成と実施に必要な技術的支援等の協力も行っている。

「林業普及指導員」は、林業に関する技術の普及と森林施業に関する指導等を行う都道府県の職員であり、全国の合計人数は、平成24(2012)年4月時点で、1,353人となっている。

林野庁は、平成24(2012)年4月に、林業普及指導事業運営に関する基本的な事項について定める「林業普及指導運営方針(*42)」を新たに策定した。新たな方針では、「林業普及指導員」が、地域の森林の整備・保全及び林業の再生に向けた構想の策定(「市町村森林整備計画」の作成や合意形成等)への協力や、策定された構想の実現に向けた活動の展開(「森林経営計画」の作成、同計画に基づく施業の推進、技術・知識の普及、木材の安定供給体制の確立等)に重点的に取り組むこととした。また、各都道府県に林業普及指導事業の統括等を行う「林業革新支援専門員(*43)」を配置することとした。


(*42)「林業普及指導運営方針の制定について」(平成24(2012)年4月6日付け23林整研第910号林野庁長官通知)


 

(地域の森林経営を支援する人材を育成) 

林野庁では、森林・林業に関する専門知識・技術等に一定の資質を有する人材を育成して、市町村の森林・林業行政を技術面で支援することとしている。このような人材(「森林総合監理士(フォレスター)」)の育成には一定の期間を要することから、その資格認定は平成25(2013)年度から開始することとし、当面の間は、「准フォレスター研修」を修了した者が、「准フォレスター」として、「市町村森林整備計画」の作成等の支援業務を担うこととした。

林野庁は、平成23(2011)年7月から、将来の「森林総合監理士(フォレスター)」候補となる者を対象とする「准フォレスター研修」を開始した。同研修は、長期的・広域的視点に立って、地域の森林・林業に関する構想の策定への支援と実行面での指導ができる技術者を育成することを目的としている。同研修では、全国7ブロックにおいて、都道府県、市町村及び国(国有林)の職員を対象に、森林計画制度、森林施業、路網と作業システム、施業の集約化、木材の流通・販売等に関する講義や国有林をフィールドとする実習を内容として、2週間の研修を実施している。同研修では、国有林の技術を活用する観点から、外部講師のみならず、多くの林野庁職員も講師を務めている。また、地域の製材工場や合板工場等の実態調査を行い、加工・流通のニーズを把握する「通信研修」も実施している。

平成23(2011)年度には443名(都道府県職員385名、国有林職員58名)、平成24(2012)年度には518名(都道府県職員427名、市町村職員17名、国有林職員74名)が「准フォレスター研修」を修了した。研修修了者は「准フォレスター」として、「市町村森林整備計画」の策定支援などに取り組んでいる。

「森林総合監理士(フォレスター)」の認定制度は、平成25(2013)年度から、現行の「林業普及指導員資格試験」の中に、その業務に必要な区分(「地域森林総合監理(仮称)」)を追加する形で導入する予定である。認定試験では、筆記試験、技術的体験論文の提出及び口述試験を課するとともに、一定期間以上の実務経験を求める予定である。林野庁では、今後、平成32(2020)年度末までに、2〜3千人を認定することを目標としている。


(*43)森林・林業に関する高い技術・知識と関係機関との高い調整能力を有し、国の重要施策の推進等を図る上で林業普及指導組織の中核的役割を担う者。



お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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