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ホーム > 森林・林業白書 > 平成24年度 森林・林業白書(平成25年6月7日公表) > 平成24年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第IV章 第1節 森林の整備の推進(1)


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第1部 第IV章 第1節 森林の整備の推進(1) 

 

森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止等の多面的機能の発揮を通じて、国民が安全で安心して暮らせる社会の実現に貢献するとともに、木材等の林産物の供給源として地域の経済活動と深く結び付いている。

以下では、我が国の森林の現状を紹介した上で、森林の整備・保全の基本方針、森林整備の取組、国民参加の森林づくり、研究・技術開発等について、最新の動向を記述する。

(1)我が国の森林の現状

(森林の有する多面的機能)

健全な森林は、表土が下草、低木等の植生や落葉落枝により覆われて、雨水等による土壌の浸食や流出を防いでいる(土壌保全機能)。また、樹木の根は土砂や岩石等を固定して、土砂の崩壊を防いでいる(山地災害防止機能)。森林の土壌はスポンジのように雨水を吸収して一時的に蓄え、徐々に河川へ送り出すことにより洪水を緩和するとともに、水質を浄化している(水源涵養機能)。森林の樹木は温室効果ガスである二酸化炭素を吸収・蓄積することにより、地球温暖化防止にも貢献している(地球環境保全機能)。さらに、森林は木材やきのこ等の林産物を産出する(物質生産機能)とともに、新緑や紅葉等四季折々に私たちの目を楽しませてくれる景観を形成する(文化機能)。このほか、森林には、生物多様性の保全、快適な環境の形成、保健・レクリエーション等の機能もある。これらの機能は、合わせて「森林の有する多面的機能」と呼ばれている(資料IV-1)。

資料IV-1

 

内閣府による「森林と生活に関する世論調査」で、統計的に選ばれた男女3,000人を対象に、森林の有する多面的機能のうち森林に期待する働きを尋ねたところ、「山崩れや洪水などの災害を防止する働き」、「二酸化炭素を吸収することにより、地球温暖化防止に貢献する働き」、「水資源を蓄える働き」と回答した者の割合が高かった。近年では、「住宅用建材や家具、紙などの原材料となる木材を生産する働き」と回答する者が増加している(資料IV-2)。

このような森林の有する多面的機能を十全に発揮していくためには、持続可能な森林経営の下、多様で健全な森林の整備を進めることが重要である。

資料IV-2

データ(エクセル:86KB)

(我が国の国土の3分の2は森林)

我が国は、国土の約3分の2が森林に覆われた世界有数の森林国である(*1)。我が国の国土面積3,779万haのうち、森林面積は2,510万ha(国土面積の66%)であり、このうち約4割に相当する1,035万haが人工林となっている。人工林の主要な樹種は、スギ、ヒノキ、カラマツである。所有形態別にみると、森林面積の69%が「民有林」、31%が「国有林」となっている(資料IV-3、4)。

資料IV-3 資料IV-4

データ(エクセル:66KB)                      データ(エクセル:70KB)


(*1)FAO「STATE OF THE WORLD'S FORESTS 2011」によると、我が国の森林率は68.5%で、先進国では、フィンランドの72.9%、スウェーデンの68.7%に次ぐ。


 

(森林資源は量的には充実) 

我が国では、かつて、戦中の必要物資や戦後の復興資材を確保するために大量の木材が必要となったことから、大規模な森林伐採が行われた。その後、荒廃した国土を再生するため、伐採跡地への植林が進められた。昭和20年代半ば(1950年代)から昭和40年代半ば(1970年代)にかけては、昭和25(1950)年の「造林臨時措置法」や昭和33(1958)年の「分収林特別措置法」等により、毎年30万ha以上の植林が行われ、ピーク時には、年間40万haを超える植林が実施された(資料IV-5)。

特に、昭和30年代(1950年代半ば)以降は、石油やガスへの燃料転換により薪炭需要が低下するとともに、高度経済成長の下で建築用材の需要が増大する中、薪炭林等の天然林を人工林に転換する「拡大造林」が進められた。

人工林への転換に当たっては、早期に森林を造成して国土の保全や水源の涵養を図ることができ、建築用途に適し経済的価値も見込めることから、成長が早いスギ、ヒノキ等の針葉樹を中心に植栽が行われた。

このように造成された人工林が成長した結果、我が国の森林資源は量的には充実し、平成19(2007)年の森林の蓄積量は、天然林と人工林を合わせて、約44億m3となっている(資料IV-6)。

人工林の齢級(*2)構成をみると、その多くはいまだ間伐等の施業が必要な育成段階にあるものの、木材として本格的に利用可能となるおおむね50年生以上(高齢級)の林分(*3)が年々増加しつつある。高齢級の人工林は、平成19(2007)年3月末時点で人工林面積の35%を占めるにすぎないが、現状のまま推移した場合、10年後の平成29(2017)年には、人工林面積の6割に増加すると見込まれている(資料IV-7)。

一方、近年における林業生産活動の低迷により、植栽から間もない若齢林の面積は非常に少ない状態にある。今後、森林・林業の再生に向けた取組を通じて、齢級構成の均衡がとれた森林資源の造成を図る必要がある。

資料IV-5

データ(エクセル:74KB)

 

資料IV-6

データ(エクセル:53KB)

 

資料IV-7

データ(エクセル:61KB)

 



(*2)森林の林齢を5年の幅でくくった単位。人工林は、苗木を植栽した年を1年生とし、1〜5年生を「1齢級」、6〜10年生を「2齢級」と数える。

(*3)林相がほぼ一様であって、森林の取扱いの単位となる樹木の集団とその土地。



お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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