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ホーム > 森林・林業白書 > 平成23年度 森林・林業白書(平成24年4月27日公表) > 平成23年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第V章 第1節 林産物需給の動向(2)


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第1部 第V章 第1節 林産物需給の動向(2)

(2)我が国の木材需給の動向

(ア)木材の供給 

(国産材の供給は増加傾向) 

我が国の人工林は資源として充実し、これまでの造林・保育による資源の造成期から、主伐が可能な資源の利用期へと移行する段階にある。

我が国における国産材(用材)の供給量は、昭和42(1967)年の5,274万m3をピークに減少傾向で推移してきたが、最近では、平成14(2002)年の1,608万m3を底として増加傾向にある。平成22(2010)年の国産材供給量は、前年比3.7%増の1,824万m3であった(図V-5)。


(木材輸入は減少傾向) 

我が国の木材輸入量(用材)は、国内における木材需要の減少や木材輸出国における資源的制約等により、平成8(1996)年の9,001万m3をピークに減少傾向で推移してきた。平成21(2009)年の木材輸入量は、世界的な金融危機やロシアの丸太輸出関税引上げの影響等により、前年比23%減の4,562万m3まで減少した。平成22(2010)年の木材輸入量は、経済状況の緩やかな回復により、前年比14%増の5,202万m3となった。

また、近年、木材の輸入形態は丸太から製品へと急速にシフトしており、木材輸入量のうち9割近くが製品での輸入となっている。平成22(2010)年に製品で輸入された木材は4,597万m3(丸太換算、以下同じ。)であり、このうち、製材品は1,014万m3(輸入製品の22%)、パルプ・チップは2,754万m3(同60%)、合板等は575万m3(同12%)、その他が256万m3(同6%)となっている(図V-6)。


(木材輸入は全ての輸入形態で減少) 

木材輸入について、平成12(2000)年と平成22(2010)年の輸入先国と輸入量を輸入形態別に比較すると、丸太については、総輸入量は1,595万m3から476万m3へ大幅に減少している。特に、ロシアからの輸入量は、丸太輸出関税の大幅引上げ等により、561万m3から45万m3へと10分の1以下に減少している。

製材については、総輸入量(丸太換算)は、1,591万m3から1,014万m3に減少している。国別では、カナダからの輸入が712万m3から364万m3に半減し、米国も111万m3から62万m3に減少する一方、ロシアからの輸入は88万m3から117万m3に増加している。

パルプ・チップについては、総輸入量(丸太換算)は3,698万m3から2,754万m3に減少している。国別では、米国とカナダからの輸入は、それぞれ892万m3から304万m3、539万m3から216万m3へと大幅に減少する一方、チリからの輸入が286万m3から427万m3へと約1.5倍に増加している。

合板等については、総輸入量(丸太換算)は842万m3から575万m3に減少している。国別では、インドネシアからの輸入が、違法伐採対策による伐採量の制限や資源の制約等によって、460万m3から153万m3へと減少する一方、かつてはほとんど実績のなかった中国からの輸入が、合板製造業の発展により、17万m3から129万m3へ約7倍に増加している(図V-7)。

なお、我が国における平成22(2010)年の木材(用材)供給の地域別・形態別の割合は図V-8のとおりである。


(木材自給率は回復傾向) 

我が国の木材自給率は、国産材供給の減少と木材輸入の増加により、昭和30年代以降、低下を続けた。平成7(1995)年以降は20%前後の低水準で推移し、平成14(2002)年に過去最低の18.2%となった。その後、国産材の供給量は増加傾向で推移したのに対し、木材の輸入量は大きく減少したことから、木材自給率は上昇した。平成21(2009)年には、木材自給率は27.8%に達したが、平成22(2010)年には、輸入量の増加が国内生産量の増加より大きかったため、前年より1.8ポイント低下して26.0%となった(図V-5)。

平成22(2010)年の用途別の木材自給率は、製材用材は41.7%(前年比1.9ポイント減)、パルプ・チップ用材は14.8%(同2.5ポイント減)、合板用材は26.1%(同1.9ポイント増)となっている。


(イ)木材の需要

(木材需要量は減少傾向) 

我が国の木材需要量(用材)は、戦後の復興期と高度成長期の経済発展により増大を続け、昭和48(1973)年には過去最高の1億1,758万m3を記録した。その後、昭和48(1973)年秋の第1次石油危機(オイルショック)、昭和54(1979)年の第2次オイルショックの影響により減少・増加を繰り返し、昭和62(1987)年以降は1億m3程度で推移した。しかしながら、平成3(1991)年のバブル景気の崩壊やその後の景気後退等により、平成8(1996)年以降、木材需要量は減少傾向に入った。特に、平成20(2008)年秋以降の急速な景気悪化等の影響により、平成21(2009)年の木材需要量(用材)は、前年比19%減の6,321万m3となり、昭和38(1963)年以来46年ぶりに7千万m3を下回った(図V-9)。

平成22(2010)年の木材需要量(用材)は、住宅着工戸数の増加等により、前年比11%増の7,025万m3に回復した。平成23(2011)年の木材需要量は、「住宅エコポイント」(*22)の再開や「優良住宅取得支援制度」(*23)の拡大等により、住宅着工戸数が増加したことから、前年に比べて増加することが見込まれている。



(*22)地球温暖化対策の推進と経済の活性化を目的として、エコ住宅の新築やエコリフォームを行った場合、一定のポイントを発行し、復興支援商品等と交換することができる制度。再開後は、目的に被災地の復興支援を加え、名称を「復興支援・住宅エコポイント」としている。

(*23)耐震性や省エネルギーに優れた住宅を取得する場合に、独立行政法人住宅金融支援機構の「フラット35」を利用した資金の借入について、一定期間にわたり金利の優遇が受けられる制度。平成23年度第3次補正予算により、省エネルギー性に優れた住宅について、金利の引下げ幅を0.3%から、東日本大震災の被災地においては1.0%、その他の地域においては0.7%に拡大している。



(製材用材の需要は大幅に減少) 

平成22(2010)年における製材用材の需要量(丸太換算)は2,538万m3で、我が国における木材需要量の約35%を占めている。製材用材の需要量は、昭和48(1973)年に6,747万m3でピークを迎えた後、減少傾向で推移し、平成22(2010)年の需要量はピーク時の3分の1程度となっている。このような製材用材の需要量の著しい減少は、主に、我が国における住宅着工戸数の減少によるものと考えられる。

我が国では、製材用材の約8割は建築用に使われており、製材用材の需要量は、とりわけ木造住宅着工戸数と密接な関係がある。

我が国の住宅着工戸数は、昭和48(1973)年に過去最高の191万戸を記録した後、増減を繰り返した。平成21(2009)年の新設住宅着工戸数は、前年比28%減の79万戸に減少したが、平成22(2010)年は、前年比3%増の81万戸となった。

木造住宅の着工戸数についても、昭和48(1973)年に112万戸を記録した後、全体の住宅着工戸数と同様の推移を経て、平成21(2009)年には43万戸まで減少した。平成22(2010)年には、新設住宅着工戸数と同様に増加して、前年比7%増の46万戸となった。新設住宅着工戸数に占める木造住宅の割合は、これまで45%程度で推移してきたが、平成21(2009)年には、着工戸数減少の中で、木造住宅の減少幅が比較的小さかったことから、55%に上昇した。平成22(2010)年には、前年比2ポイント増の57%となった(図V-10)。


(合板用材は国産材が急増) 

平成22(2010)年における合板用材の需要量(丸太換算)は956万m3で、我が国における木材需要量の約13%を占めている。合板用材の需要量は、製材用材と同様に、昭和48(1973)年に1,715万m3でピークに達した後、平成8(1996)年以降は、漸減傾向で推移している。平成22(2010)年の合板用材の需要量(丸太換算)は、前年の816万m3から17%増加した。

昭和60年代(1980年代後半)ごろまでは、合板用材のほとんどは東南アジアから輸入された広葉樹(南洋材)の丸太であったが、インドネシアによる丸太輸出禁止等の影響により、製品形態での輸入が増加するとともに、国内の合板メーカーは、原料となる丸太を広葉樹材からロシア材を中心とする針葉樹材(北洋材)へと転換を進めてきた。

平成12(2000)年以降は、合板原料として、スギやカラマツを中心とする国産材の利用が急増している。平成22(2010)年には、国産材の合板用材の供給量は、平成12(2000)年の18倍に当たる過去最高の249万m3となり、合板用材のうち、26%が国産材となっている(図V-11)。


(パルプ・チップ用材も減少) 

平成22(2010)年におけるパルプ・チップ用材の需要量(丸太換算)は3,235万m3で、我が国における木材需要量の45%を占めている。パルプ・チップ用材の需要量は、平成7(1995)年に4,492万m3でピークを迎えた後、平成20(2008)年の3,786万m3まで緩やかに減少し、平成21(2009)年には、景気悪化による紙需要の減少等により、前年比23%減の2,901万m3まで減少した。平成22(2010)年には、景気の回復等により、前年より12%増加した。

パルプ・チップ用材を原料とする紙・板紙の生産量をみると、平成12(2000)年に3,183万トンで過去最高を記録して以降、3,100万トン前後で推移していたが、平成21(2009)年には、前年比14%減の2,627万トンまで減少した。平成22(2010)年には、景気の回復等により、前年比4%増の2,736万トンとなった。

平成22(2010)年にパルプ生産に利用されたチップは3,029万m3で、このうち915万m3(30%)が国産チップ、2,114万m3(70%)が輸入チップである。樹種別にみると、針葉樹チップが1,114万m3(37%)、広葉樹チップが1,915万m3(63%)である。それぞれの需要量に占める国産材の割合は、針葉樹チップが62%、広葉樹チップが12%、全体で30%である(図V-12)。

針葉樹チップで国産材の割合が高いのは、国産針葉樹チップの原料が主に製材残材で、一定の供給が確保されていることによる。広葉樹チップで国産材の割合が低いのは、海外からユーカリ、アカシア等の早生樹造林木から生産されたチップの輸入が増加していることによる(*24)。



(*24)上河潔 (2010) 森林技術, 2010年1月号: 8-21.



お問い合わせ先

林政部企画課年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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