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ホーム > 森林・林業白書 > 平成22年度 森林・林業白書(平成23年4月26日公表) > 平成22年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第VI章 第2節 「国民の森林」としての管理経営(4)


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第1部 第VI章 第2節 「国民の森林」としての管理経営(4)

(4)国民に開かれた国有林野

(国民の声を活かす取組) 

国有林野では、国民の声を管理経営に活かすため、平成16(2004)年度から「国有林モニター」を広く国民から募集しており、平成22(2010)年4月現在、全国で376人が登録している。国有林モニターからは、「国有林モニター会議」や現地見学会、アンケート調査等により、幅広く意見聴取を行い、モニターからいただいた意見は管理経営に反映している。

また、国有林野の管理経営の指針や主要事業量を定めた「地域管理経営計画」など各種森林計画の策定・変更に当たっては、計画案を公表して幅広い国民の意見を聴く取組や、計画案を作成する前段階に地域住民との懇談会を開催する対話型の取組を進めている。また、ホームページや広報誌による情報発信を通じて、事業の透明性の確保を図っている(事例VI−5、6)。

事例VI-5 森林計画案を作成する前段階での住民懇談会の開催(山形県小国町)

置賜森林管理署では、平成24年度に樹立予定の森林計画に関して、「置賜流域国有林の森林計画に関する住民懇談会」を開催し、一般参加者、学識経験者、国有林モニター、林務行政担当者等、関係者との意見交換を行った。懇談会では、ナラ枯れ被害対策や森林共同施業団地の設定、森林整備のための路網整備等に対する貴重な意見が出された。今後、同署では、これらの意見を森林計画に反映させることとしている。

事例VI-6 嵐山の景観を守るための取組(京都府京都市)

京都市の嵐山国有林では、松くい虫被害の拡大によるアカマツの減少、常緑広葉樹への植生の遷移によるヤマザクラの衰退等により、嵐山の風光明媚な景観が大きく変化しつつある。このため、京都大阪森林管理事務所では、平成21(2009) 年度に地元関係者や有識者の参画による「嵐山国有林の取扱に関する意見交換会」を設置して、嵐山国有林の今後の取組方針についての検討を行った。同所では、今後も継続的に意見交換会を開催して、取組方針の実施状況を検討、報告することとしている。


(国民参加の森林づくり) 

国有林野では、「国民の森林」としての管理経営を一層進めるため、教育関係者やNPO等へ活動フィールドの提供等を行う「国民参加の森林づくり」に取り組んでいる。

各森林管理局や森林管理署等では、森林環境教育や森林づくりに取り組む多様な主体に対してフィールドを提供する「遊々の森」、「ふれあいの森」、「法人の森林」を設定するとともに(表VI−3)、優れた自然景観を有し、森林浴や自然観察、野外スポーツ等に適した森林を「レクリエーションの森」に設定して(表VI−4)、国民の保健・文化・教育の場としての利用を推進している。

「遊々の森」は、子どもたちが植樹・下刈等の体験活動や野生動植物の観察等の学習活動を行う場であり、森林の利用を通じた子どもたちの人格形成や幅広い知識の習得の場として利用されている。平成21(2009)年度には新たに11か所で設定され、全国で162か所となった(事例VI−7)。

「ふれあいの森」は、NPO等が植樹・間伐等の森林づくり活動や自然観察会、森林教室等の森林とのふれあい活動を行う場であり、様々なアイデアを活かした自主的な活動を行う場として利用されている。平成21(2009)年度には、延べ1万2千人が森林づくり活動等に参加した(事例VI−8)。

「法人の森林」は、契約者が国とともに森林を造成・育成して伐採後の収益を一定の割合で分け合う「分収林制度」を利用して、企業等が森林づくりを行う場であり、企業等の社会貢献や社員教育、顧客とのふれあいの場として利用されている(事例VI−9)。

「レクリエーションの森」 では、国民が快適に利用できるよう、利用者の自主的な協力による 「森林環境整備推進協力金」や森林整備に関心の高い企業等との支援協定による 「サポーター制度」 を活用しつつ、地元関係者と連携しながら、環境美化活動や森林づくり活動、自然解説板等の整備や管理を行っている。サポーター制度は、企業等がCSR (企業の社会的責任) 活動の一環としてレクリエーションの森の整備に資金や労力で提供する制度であり、工石山自然休養林 (高知県) など全国9か所(平成23(2011) 年3月末現在) で企業等との協定が締結されている (事例VI−10)。

事例VI-7 「遊々の森」における保育園児を対象とした森林環境教育の取組 (山形県酒田市)

庄内森林管理署では、平成22 (2010) 年2月に酒田市の西荒瀬保育園と 「遊々の森」 協定を締結した。西荒瀬保育園では、隣接する国有林で、森林の中での遊びや自然とのふれあいを通じた 「森林環境教育」 を行っている。平成22 (2010) 年度には、クロマツ林の下草刈り (「ハサミで刈り取るチョッキン草刈り隊」) のほか、探検や 「森で歌おう会」 等の様々なイベントが開催された。

事例VI-8 「ふれあいの森」における森林づくり活動 (愛知県設楽町)

愛知森林管理事務所では、地元のボランティア団体である中日森友隊と 「ふれあいの森」 の協定を締結し、「中日森友隊の森」 を設定した。中日森友隊は、「中日森友隊の森」 において森林整備や歩道整備に取り組んでおり、平成22(2010) 年12月には、愛知森林管理事務所の指導の下で、枝払や除伐の森林整備、林内の歩道修理を行った。

事例VI-9 「法人の森林」 を活用した企業による森林づくり (三重県いなべ市)

株式会社Hでは、社会貢献活動の一環として、三重森林管理署と 「法人の森林」 契約を締結して、悟入谷国有林において、森林づくり活動に取り組んでいる。平成15 (2003) 年度に社員とその家族等で植樹を行って以降、毎年、社員の有志が下刈作業等を行っている。

事例VI-10 サポーター制度による 「レクリエーションの森」 の整備 (高知県高知市、土佐町)

嶺北森林管理署管内の工石山自然休養林では、平成22(2010) 年6月に、工石山レクリエーションの森管理運営協議会とA株式会社高知支社が、「工石山自然休養林の整備を行うサポーター協定」 を締結した。A株式会社高知支社では、同協議会が行う工石山自然休養林の環境整備や保全活動に資金や労力の協力を行っている。


(木の文化を支える森づくり) 

国有林野では、歴史的に重要な木造建造物や伝統工芸、各地の祭礼行事等、次代に引き継ぐべき「木の文化」を守るため、国民参加による「木の文化を支える森」の設定を進めている。

世界文化遺産や重要文化財に指定されている神社仏閣周辺では、木造建築物の修復等に必要なスギ・ヒノキ等を育てる「古事の森」等を設定して、木の文化を支える資源や郷土樹種の長期的な育成等を進めている。「木の文化を支える森」は、平成22(2010)年3月末現在、全国22か所に設定されている(図VI−2)。

「木の文化を支える森」に設定された箇所では、地元自治体等からなる協議会の主催により、植樹祭や下刈作業等の活動が継続的に行われている(事例VI−11)。

事例VI-11 諏訪大社 「御柱祭」 への木材供給 (長野県下諏訪町)

諏訪大社では、7年に1度にあたる干支の 「寅」・「申」 の年に、社殿の四隅で 「御柱」 と呼ばれるモミの巨木の曳き建てを行う 「式年造営御柱大祭 (御柱祭)」が行われる。南信森林管理署では、平成21(2009) 年5月に、地域の協議会と 「木の文化を支える森協定」 を締結している東俣国有林の「御柱の森」から、「御柱」 に使用されるモミ (66m3) を供給した。「御柱の森」 では、将来にわたって、「御柱」 となるモミを供給できるよう、地域の協議会等と連携して、モミの植樹やシカ食害防止ネットの設置等を行っている。


お問い合わせ先

林政部企画課
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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