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ホーム > 平成20年度 森林・林業白書(平成21年5月12日公表) > 平成20年度 森林・林業白書 全文(HTML版) > 第1部 第1章 第1節 地球温暖化と森林(2)


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第1部 第1章 第1節 地球温暖化と森林(2)

(2) 地球温暖化防止に果たす森林の役割

森林は、国土の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止、自然環境の保全、保健・休養の場の提供、木材等の林産物の供給などの多面的な機能を有している。このうち、地球温暖化防止機能は次のように整理される。


1 森林による二酸化炭素の吸収、炭素の貯蔵

植物は、太陽エネルギーによって光合成を行い、大気中の二酸化炭素と根で吸収した水から有機物を生産し、酸素を排出する。生産された有機物の一部は呼吸によって消費され、残りは植物の組織を形成する。植物のうち、草本類は短期間に枯死・分解され二酸化炭素が排出されるのに対し、森林を構成する樹木は幹や枝という形で炭素が長期間貯蔵されることから、二酸化炭素の吸収及び炭素の貯蔵機能は樹木の方が大きい。光合成による吸収量と呼吸による排出量の差である実際の炭素固定量は樹齢とともに変化し、一定の樹齢まで増加した後、樹木の成熟に伴って減少していく(図I-3)。 

森林による二酸化炭素の吸収量と炭素の固定量

2 木材利用による炭素の貯蔵

木材は、鉄やコンクリート等の資材とは異なり、光合成によって固定された炭素を貯蔵している。このため、森林から適切に生産された木材を住宅や家具等に利用することは、木材中の炭素を長期間にわたって維持することにつながる。例えば、住宅一戸当たりの炭素貯蔵量は、木造住宅の場合は約6炭素トン(注1)であるのに対し、鉄骨プレハブ住宅は約1.5炭素トン、鉄筋コンクリート住宅は約1.6炭素トンと推定されている。こうした観点からみれば、木造住宅や家具等のストックを増やしていくことは、街にもう一つの森林をつくることと同様の効果があると言える(図I-4)。

3 他資材の代替による二酸化炭素の排出削減

木材は、鉄やプラスチック等の資材に比べ、製造や加工に要する化石燃料が少ない。このため、多くの化石燃料を消費する鉄等の資材の代わりに木材を利用すれば、その分だけ二酸化炭素の排出が削減されることにつながる。例えば、住宅一戸当たりの材料製造時の炭素放出量は、木造住宅の場合は約5.1炭素トンであるのに対し、鉄骨プレハブ住宅は約14.7炭素トン、鉄筋コンクリート住宅は約21.8炭素トンと推定されている(図I-4)(注2)。


(注1) 炭素トンと二酸化炭素トンについては図I-5参照。

(注2) ライフサイクル全体を通じた排出量等は平成21年度(2009年度)に調査予定。後述する「見える化」の項を参照。


住戸一戸当たりの材料製造時の炭素放出量と炭素貯蔵量

4 木材のエネルギー利用による二酸化炭素の排出削減

木材は、樹木が成長する時に二酸化炭素と水から光合成によって生産される有機物である。木材をエネルギー用途として燃やすと二酸化炭素が排出されるが、この二酸化炭素は、樹木の伐採後に更新が図られれば、成長の過程で樹木に再び吸収されることになる。このように、木材のエネルギー利用は、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えないというカーボンニュートラルな特性を有している(注)。このため、化石燃料の代わりに木材を利用することにより、二酸化炭素の排出の抑制が可能となる。


(注)化石燃料は、過去数億年にわたって生息・生育した動植物の死骸が地中に蓄積・変性したものであり、樹木のような更新を図ることができない点で木材と異なる。このため、化石燃料を燃やした際に発生する二酸化炭素は大気中に滞留し、二酸化炭素濃度の上昇を引き起こすこととなる。


 
二酸化炭素トンと炭素トン

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林政部企画課
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