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ホーム > 平成19年度森林・林業白書(平成20年5月13日公表) > 平成19年度森林・林業白書目次 > 1 地球温暖化防止に向けた国際的取組


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 1   地球温暖化防止に向けた国際的取組

京都議定書の第1約束期間の開始

地球の表面は、大気中に少量含まれている二酸化炭素、メタン等のガスのもつ温室効果により、人間をはじめとする動植物等が生存できる気温に保たれてきた。この温室効果がなければ地表の温度は-19℃まで下がるといわれている。他方、人間の行う様々な活動に伴い大量の温室効果ガスが排出されると、大気中の温室効果ガスの濃度が増加することにより温室効果が過度に働く。近年、それが地球全体で気温の上昇を進行させ、自然の生態系及び人類へ深刻な影響を及ぼすことが懸念されている。

地球温暖化は人類の生存基盤にかかわる最も重要な環境問題の一つであり、早急にその防止対策の推進が求められている。地球温暖化の原因とその影響は地球規模にわたるものであり、温室効果ガスの削減に世界各国が協力しつつ長期的に取り組む必要があることから、国際的に様々な取組が進められている。

平成4年(1992年)5月に、地球温暖化防止のための国際的な枠組みとして、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極的な目的とする「気候変動に関する国際連合枠組条約」(気候変動枠組条約)が採択された。

平成9年(1997年)に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)においては「京都議定書」が採択されたが、本議定書は、この条約の目的を達成するための長期的かつ継続的な温室効果ガスの排出削減の第一歩と位置付けられた。

京都議定書では、平成20年(2008年)から平成24年(2012年)までの5年間(第1約束期間)における温室効果ガス排出量を、原則として基準年である平成2年(1990年)の水準と比較し、先進国全体で少なくとも5パーセント、我が国については6パーセント削減することを法的拘束力のある約束として定め、その第1約束期間が平成20年から開始している。

温室効果ガスの総排出量が基準年と比較して増加傾向にある我が国は、6パーセントの削減約束を達成するための対策が遅れれば遅れるほど短期間で実行しなければならなくなることから、できる限り早期に取組を強化することが必要となっている。

 

地球温暖化の及ぼす影響

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」(注)は平成19年(2007年)に「IPCC第4次評価報告書」を取りまとめた。これによると、大気や海洋の温度の上昇、広範な雪氷の融解、海面水位の上昇といった観測結果に基づき、気候システムが温暖化していることは明白であるとしている。

(注)「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、地球温暖化に関する科学的・技術的・社会経済的な評価を行い、それにより得られた知見を、政策決定者をはじめ広く一般に利用してもらうことを任務としている。

同報告書によると、地球の平均地上気温は平成17年(2005年)までの100年間に0.74(0.56~0.92)℃上昇しているとしており、第3次評価報告書で示された平成12年(2000年)までの100年間における0.6(0.4~0.8)℃の上昇よりも大きくなっている。

また、海面水位の上昇、雪氷面積の縮小、大雨の頻度の増加など、様々な変化が観測されたとしている。これらの変化は、大気中の温室効果ガスの濃度の変化等が気候システムのエネルギーバランスを変えることに起因しており、20世紀半ば以降に観測された世界の平均気温の上昇のほとんどは、人為起源による温室効果ガスの濃度の増加によるものである可能性が非常に高い、としている。

同報告書によると、世界の温室効果ガス排出量は、現在、自然界の吸収量の2倍を超えており、追加的な温暖化対策を実施しない場合、今後数十年にわたり増加し続けるとしている。そして、地球の平均地上気温は今世紀末までに、環境保全と経済発展とが両立する社会では約1.8℃(1.1~2.9℃)、化石燃料を重視し高い経済成長をする社会では約4.0℃(2.4~6.4℃)上昇すると予測している(表II-1)。

さらに、温暖化の影響を小さくするためには、今後20~30年間の努力とそのための投資が大きく影響する、としている。

 

 

世界気象機関(WMO)の「温室効果ガス年報第3号」によると、平成18年(2006年)の世界の二酸化炭素の平均濃度がこれまでの記録を更新し381.2ppmに達したとし、工業化時代以前の約1万年の間ほぼ一定であったとされる濃度よりも36パーセント高い、としている(表II-2)。

 

 

気象庁の観測によると、平成19年(2007年)の我が国の年平均気温の平年差(注)は1898年の統計開始以来4番目に高い値となる見込みであり、また、長期的には100年当たり1.10℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降高温となる年が頻出している、としている(表II-3)。さらに、同年の世界の年平均気温の平年差は統計開始以来6番目に高い値となる見込みであり、陸上のみの平年差については統計開始以来最も高くなる見込みである、としている。

(注)平均気温の平年差は、平均気温から平年値(1971~2000年の30年平均値)を差し引いた値。

 

京都議定書の概要

平成9年(1997年)に京都で気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)が開催され、「京都議定書」が全会一致で採択された。京都議定書は、平成20年(2008年)から平成24年(2012年)までの5年間における温室効果ガス排出量を先進国全体で少なくとも5パーセント、我が国については6パーセント削減することを法的拘束力のある約束として定めている(表II-4)。また、国際的に協調して京都議定書の削減約束を達成するための措置として、「クリーン開発メカニズム(CDM)」、「共同実施(JI)」等からなるいわゆる「京都メカニズム」を活用できることを定めている。

 

 

さらに、京都議定書は、森林による二酸化炭素の吸収量を温室効果ガス削減目標の達成手段として算入できるものとしている。ただし、その対象は、平成2年(1990年)以降新たに造成された森林(新規植林、再植林)と、適切な森林経営が行われた森林による吸収量に限られている。(図II-1)。

 

 

平成13年(2001年)に開催された気候変動枠組条約第7回締約国会議(COP7)において、京都議定書の運用ルール等を定めた文書(マラケシュ合意)が決定された。この中で、森林による二酸化炭素吸収量の算入ルールが定められ、我が国の吸収量算入の上限として1,300万炭素トン(4,767万二酸化炭素トン)が認められた。

我が国においては既に多くの森林が造成されており、新たに造成される森林は限られていることから、「森林経営」が行われている森林の吸収量により1,300万炭素トンを確保することが必要となる。京都議定書は、平成16年(2004年)にロシアが締結したことにより発効要件を満たし、平成17年(2005年)2月に発効した。これにより、温室効果ガスの具体的な削減数値目標については、先進国全体で少なくとも5パーセント%、我が国については6パーセント削減することが法的拘束力のある約束となった。

 

京都議定書発効後の国際的な動き

京都議定書発効後の平成17年(2005年)11月には、カナダのモントリオールにおいて気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)と併せて京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)が開催され、マラケシュ合意が正式に採択されるなど京都議定書の運用ルールがすべて決定した。

平成18年(2006年)11月にケニアのナイロビにおいて開催された気候変動枠組条約第12回締約国会議(COP12)及び京都議定書第2回締約国会合(COP/MOP2)では、第1約束期間後である平成25年(2013年)以降の枠組みについて議論が行われた。特に、森林分野においては、途上国における森林減少に由来する温室効果ガス排出を削減する方策について検討が行われた。

平成19年(2007年)6月にドイツで開催されたハイリゲンダム・サミットでは気候変動が大きなテーマとなり、我が国は政策提言「美しい星50」を紹介し、世界全体の排出量を現状比で2050年までに半減することを全世界の共通目標とするとともに、2013年以降の枠組みを構築するに当たっての「3原則」を提案した。これらを軸に議論が行われた結果、2050年までに温室効果ガスの排出量を半減させる目標を検討することで一致した。

同年9月、オーストラリアのシドニーで第15回APEC首脳会議が開催され、地球温暖化防止に関する「気候変動、エネルギー安全保障及びクリーン開発に関するシドニーAPEC首脳宣言」が採択された。その中で森林問題が取り上げられ、「2020年までに域内の森林面積を少なくとも2,000万ヘクタール増加させる」とする努力目標について一致した。

同年11月にはシンガポールにおいて第3回東アジア首脳会議が開催され、気候変動等に関する今後の各国の取組や協力等を明記した「気候変動、エネルギー及び環境に関するシンガポール宣言」が採択された。森林問題に関しては、「域内の森林面積を2020年までに少なくとも1,500万ヘクタール増加させる」とする努力目標について一致した。

同年12月にはインドネシアのバリにおいて「気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)及び京都議定書第3回締約国会合(COP/MOP3)」が開催された。その結果、すべての締約国が参加して第1約束期間後の2013年以降の枠組みを検討するための新たな検討の場を設置し、平成21年(2009年)までに結論を得ること等を決定した。その検討の場においては、森林について、現在の枠組みで対応していない途上国の森林減少・劣化に由来する排出の削減(注)を2013年以降の枠組みに組み込む方向で検討を開始することなどが決定された。我が国は、この新たな課題に対処するため、その技術的課題に関する国際会議を開催する旨表明した。また、COP13の期間中に、世界銀行の森林炭素パートナーシップ基金(FCPF)が発足した。この基金は途上国における森林保全活動を支援するための基金であり、我が国は最大1千万ドルを拠出することを表明した。

(注)途上国における森林減少に由来する温室効果ガスの排出は、世界全体の排出量の約2割を占めるといわれている。しかしながら、現行の京都議定書には、これを削減するための仕組みが含まれていない。

なお、平成20年(2008年)7月には北海道洞爺湖においてG8サミットが開催される予定である。地球温暖化防止の観点では途上国における森林減少・劣化の問題が国際的に注目されていることから、我が国はホスト国として、森林分野について先進国と途上国とが様々な課題について協働できるよう積極的な提案をしていくことが必要である。

 

お問い合わせ先

林政部企画課
担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
FAX:03-3593-9564

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