北海道国有林の大自然、森林づくりの現場などから届いた”HOTな写真”を掲載していくギャラリーです
森の植物
緑岳(2013年8月4日撮影)
緑岳に登ってきました。
大雪高原温泉から登り始め、往復で約5時間。
山頂までの長い岩場の登りが大変ですが、ちょうど表大雪と東大雪の間に位置しているため
360度山に囲まれており、すばらしい景色を堪能することができます。
もちろん花もすばらしく、旭岳や白雲岳をバックに様々な花が咲いていました。
ダイセツヒナオトギリ
大雪山の固有種で、恐らく世界でこの場所にしか咲いていません。
登山口の湯気がもうもうと立ち上る地熱地帯に咲いています。
ロープで囲まれているので、踏み込まないようにしてください。
第二花畑のエゾコザクラと緑岳
チングルマ群落と緑岳
8月になったにも関わらず、まだ大きな雪渓が残っていました。
旭岳(左)と白雲岳(右)、花はイワブクロ。
山頂を超えて白雲岳方面に少しだけ進むと、荒涼とした大地に様々な高山植物が咲いていました。
イワブクロ
クモイリンドウ
この花が咲くと、夏も終盤に向かっていると感じます。
下山後には、大雪高原温泉で疲れを癒すことができます。
白濁した硫黄泉で、とても気持ちよかったです。
(撮影者:企画課 林政推進係 柴田 嶺)
2013ニペソツ山標高年!(2013年8月3日撮影)
標高2013メートルのニペソツ山は今年が「標高年」ということで、
この記念の年に山頂に立とうと多くの登山客が山頂を目指していました。
ルートは往復で約10時間、子連れの方や登山に慣れていない方は
さらに時間がかかることが予想されますので、無理のない登山計画をお願いします。
エゾウサギギク
ウメバチソウ
この花が咲くと、高山の夏は終わりが近づいてきます。
イワギキョウ
花弁に毛がなく、上向きに咲いているのがイワギキョウ
花弁に白い毛があり、横向きに咲いているのがチシマギキョウ
糠平温泉街にある、ひがし大雪自然館ではニペソツ山登頂証明書を発行しているようです。
ニペソツ山標高年に、登頂を目指してみてはいかがでしょうか。
(撮影者:企画課 林政推進係 柴田 嶺)
雨竜沼湿原(2013年7月28日撮影)
雨竜沼湿原は暑寒別天売焼尻国定公園の中にあり、ラムサール条約でも登録されている高層湿原です。
登山口の南暑寒荘で入山手続きをして協力金500円を支払い、2時間程度歩くと湿原に到着します。
ちょうどコバイケイソウやエゾゼンテイカが見頃を迎えており、湿原を埋め尽くしていました。
湿原に着くとすぐにヒオウギアヤメ(アヤメ科)の群落が迎えてくれました。
湿原を流れる小川の流れに沿って、コバイケイソウ(ユリ科)が白く縁取っています。
池糖(ちとう)の半分をミツガシワ(ミツガシワ科)が埋め尽くしていました。
クロバナハンショウヅル(キンポウゲ科)
地味な花ですが、北海道の限られた場所にしか生息していない珍しい花です。
コバイケイソウ(ユリ科:白)とエゾカンゾウ(ユリ科:黄)
この写真には他にシナノキンバイ(キンポウゲ科:黄)、ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科:黄)、カラマツソウ
(キンポウゲ科:白)、エゾノシモツケソウ(バラ科:赤)、ワタスゲ(カヤツリグサ科:白)が写っています。
わかるでしょうか?
エゾカンゾウ(ユリ科:黄)とワタスゲ(白)
展望台から見た雨竜沼湿原
(左)ウリュウコウホネ(スイレン科)は雨竜沼湿原の固有種で、(右)ネムロコウホネの変種とされています。
ウリュウコウホネは子房(花の中心部分)が赤くなるのが特徴で、ネムロコウホネの子房は黄色です。
雨竜沼ではその両方が見られます。
多くの方々が花の観察を楽しんでいました。
(撮影者:企画課 林政推進係 柴田 嶺)
ニセイカウシュッペ山(2013年7月21日撮影)
平山の翌日に、隣のニセイカウシュッペ山に行ってきました。
尾根上を歩くコースなので、表大雪(黒岳、北鎮岳など)や前日に登った平山の展望がすばらしかったです。
表大雪の山々(写真をクリックすると大きくなります)
手前にはトウゲブキ(黄色)やオオカサモチ(白)などの草原が広がっています。
チングルマ群落(写真をクリックすると大きくなります)
リンネソウ
植物学者のリンネが好きだったことから、この名前が付けられたそうです。
ミヤマチドリ
ランの仲間です。緑色なので目立ちませんが、よく見ると登山道沿いにたくさん咲いていました。
エゾコザクラ
こちらも登山道沿いにたくさん咲いていました。
この山も往復4時間程度で登れるので、割と手軽に大雪の自然を楽しむことができると思います。
(撮影者:企画課 林政推進係 柴田 嶺)
えりもの初夏(2013年7月1日~19日撮影)
えりももいよいよ夏を迎えました。
昆布漁が始まったり観光客を乗せた大型バスが来たりと賑やかになっています。
そこで、えりも国有林の夏の様子をご紹介します。
写真はハマナスの花です。他にも、センダイハギ、ツリガネニンジンなど様々な花が咲いています。
第一展望台遊歩道では荒野に咲くアヤメも見られます。
このような花を探すこともえりもでの楽しみの一つです。
えりも岬緑化事業を代表するクロマツも元気に育っています。
第二展望台から日高山脈を望む風景です。
えりもは霧の日が多く、年間の濃霧発生日数は100日以上に達し、5~8月の月平均濃霧発生日数は約20日だそうです。
この霧によって十分な日光が足りず植物が成長しづらいことも、えりもの緑化事業が難しい一因です。
去年の10月にえりもワクワク森林づくり植樹祭で植えられた広葉樹たちです。
順調に育っていて、このまま風に負けずに育つことを願っています。
今年の6月にえりも岬緑化60周年記念事業 2013森と海のフェスティバルで植樹をしたクロマツたちです。
彼らも順調に成長しています。
(撮影者:日高南部森林管理署 えりも治山事業所 治山技術官 佐藤 可菜)
平山(2013年7月20日撮影)
北大雪にある平山に登ってきました。
山頂からは、ニセイカウシュッペ山を背景にチシマギキョウ、タカネシオガマ、ウスユキトウヒレン、コマクサなどの
砂礫地に生育する高山植物が咲いていました。
エゾノリュウキンカ
平地では5月頃に咲くのですが、雪渓の脇に大群落を作っていました。
チシマギキョウ
タカネシオガマ
ニセイカウシュッペ山を背景に、タカネシオガマがたくさん咲いていました。
タカネシオガマを真上から見ると、放射状に花がついているのがわかります。
左下に写り込んでいるのはウスユキトウヒレンです。
片道2時間、往復4時間程度と手軽に登れますが、高山らしい植物が楽しめる山です。
(撮影者:企画課 林政推進係 柴田 嶺)
知床連山(2013年7月13日~7月14日撮影)
知床連山を歩いてきたときの写真を紹介します。
ルートは岩尾別温泉登山口から入り、
羅臼岳、三ツ峰、サシルイ岳、オッカバケ岳、南岳と歩き、そこで引き返して二ツ池に野営。
2日目は来た道を岩尾別温泉まで戻りました。
羅臼岳の岩場には多くの高山植物が咲いていました。
イワヒゲ
チシマクモマグサ
エゾノツガザクラ
アオノツガザクラ
コエゾツガザクラ
(エゾノツガザクラとアオノツガザクラの雑種とされています)
三ツ峰からオッカバケ岳にかけて、色とりどりの花が草原を彩っていました。
エゾツツジ(三ツ峰)
チングルマ群落(サシルイ岳)
二ツ池のほとりにテントを張って宿泊しました。
シレトコスミレ
南岳と硫黄山の間のガレ場に咲いています。
手つかずの大自然を満喫できる山旅でした。
行程が長く、テントで一泊する必要がありますが、人も少ないのでおすすめのルートです。
(撮影者:企画課 林政推進係 柴田 嶺)
武華岳風景林(2013年7月3日撮影)
上川町と北見市(旧留辺蘂町)の境、武華岳風景林にある武華山(標高1758.5m)の巡視に行ってきました。
網走中部森林管理署温根湯合同森林事務所の所在地エリアである北見市留辺蘂町(温根湯地区)より、登山口まで車で約40分、登山口より山頂の往復は約5~6時間程度と比較的登りやすい山です。
コケモモやエゾイソツツジ、武華岳風景林の尾根筋を遠目に眺めながら小休止を入れつつ山頂を目指すと、ハイマツが一面に広がる標高1747m付近にでます。山頂まで約1kmほどの地点です。
ほぼ平坦の地形で獣道も入り組んでいるので、視界が悪いときは迷いやすそうな場所となっています。
この地点より北側へ目を向けると、稜線の先に武利岳の頂きが見えました。
コケモモ
エゾイソツツジ
尾根付近のハイマツが群生している箇所に所々ヒメイソツツジなどの群落があります。
山頂へ続く先には、まだ残雪がありました。暖かい日だと滑りやすくなるので注意が必要です。
ハイマツが一面に広がる標高1747m付近
(撮影者:網走中部森林管理署 富士見森林事務所 森林官 中西 誠)
礼文島~愛とロマンの8時間コース~(2013年6月29日撮影)
花の浮島、礼文島にトレッキングに行ってきました。
礼文島は最高地点の礼文岳山頂でも標高490mしかないにも関わらず、
夏には約300種類の高山植物が咲き乱れる花の島として有名です。
今回は「愛とロマンの8時間コース」として知られている、
北端のスコトン岬からスタートして西海岸を縦断し、礼文林道までのコースを歩いてきました。
残念ながらレブンアツモリソウの花期は終わっていましたが、
花の咲き乱れる草原、ササ原、森林、海岸の岩場と変化に富んだコースで、
充実したトレッキングを楽しむことができました!
部分的に歩くことも可能なので、
みなさんも是非「愛とロマンの8時間コース」を歩いてみてはいかがでしょうか。
ヨツバシオガマ
森の中の沢沿いには、珍しいサクラソウモドキが咲いていました。
かわいそうな名前が付けられていますが、とても可愛らしい花です。
礼文島の名物のひとつ、レブンウスユキソウが咲き始めていました。
森を抜けると、チシマゲンゲの紫の絨毯が広がっていました。
チシマキンレイカ
ゴールの礼文林道に到着しました。
8時間コースを歩くのに10時間もかかってしまいましたが、
天気にも恵まれて非常に楽しいトレッキングでした。
(撮影者:企画課 林政推進係 柴田 嶺)
夕張岳(2013年6月22日撮影)
花の名山として知られている夕張岳に登ってきました。
夕張岳には固有種を含め、約600種類の高山植物が生息すると言われています。
花期の早い植物がちょうど見頃を迎えていたので、いくつか紹介したいと思います。
ユウバリソウ
夕張岳の固有種。「吹き通し」と呼ばれる、山頂手前の蛇紋岩露出地に群生していました。
ユウパリコザクラ
こちらも夕張岳の固有種。わずかながら木道付近にも咲いていました。
ナンブイヌナズナ
蛇紋岩地の高山に生息しており、他には岩手県の早池峰山などで見られます。
クモマユキノシタ(クリックすると大きくなります)
北海道の固有種。拡大してみると繊細な作りをしています。
エゾミヤマクワガタ
北海道の固有種で、蛇紋岩地の高山に分布しています。
ウラジロナナカマド
奥に見えるのは「がま岩」
シラネアオイ
雪渓の脇に群生していました。まだまだ残雪が多いです。
(撮影者:企画課 林政推進係 柴田 嶺)
大沼周辺の国有林は、今ちょうど花盛りとなっています。
その中でも頻繁に見られるものや特徴ある白い花を5点選んでみました。
クルマバソウ
葉が輪生しており、これが車輪のように見えることから名付けられた草です。
とてもオーソドックスな花です。
マイヅルソウ
これも珍しくありませんが、この時期、林床にたくさん咲き乱れています。
オオアマドコロ
草丈が1メートルほどになります。
これとよく似たものにオオナルコユリがありますが、オオアマドコロの茎は角張っていますので、
そこで判別ができます。
ヤマシャクヤク
比較的大きな花を咲かせます。
この時期の代表的な山野草ですが、環境省のレッドデータブックには準絶滅危惧種として掲載されています。
ユキザサ
「アズキナ」とも呼ばれて山菜として有名ですが、新芽が出た直後はスズラン(毒草)と間違えやすいので
注意が必要です。
(撮影者:駒ヶ岳・大沼森林ふれあい推進センター 所長 宮本元宗)
上川町もようやく春(2013年5月28日撮影)
双瀑台も、今週になってようやく雪が溶けて登ることができるようになったところです。
ゆっくり登って約15分。体力のある方はぜひ登ってふたつの滝を眺めてみてください。
散策路にも、エゾエンゴサクやタチツボスミレ、ニリンソウなど、小さくて可愛い花が咲いています。
(撮影者:上川中部森林管理署 層雲峡森林事務所 森林官 今廣 佐和子)
洞爺湖中島の大島へ行ってきました!!(2013年5月25日撮影)
洞爺湖には4つの島が中央部にあり、総称として中島と呼ばれており、
一番大きな島が大島と呼ばれています。
これはサンショウの新芽です、エゾシカはサンショウを食べません。
不思議なことにニホンジカはサンショウの仲間カラスザンショウが大好物です、
カラズサンショウにはアルカロイドを含有する有毒植物なのですが…
マムシグサが咲き始めていました。
本来であれば春の花真っ盛りの時期ですが、花はヒトリシズカとマムシグサばかりが目立ちます、
マムシグサは有毒のためエゾシカは食べませんが、
不思議なことに九州森林管理局の調査ではマムシグサはニホンジカの嗜好植物となっています、
シカの差なのか、植物の差なのかわかりませんが、
地方によってシカの嗜好には変化があるようです。
大島では今の時期に他では目立つスミレやエンレイソウは殆ど見かけません。
また、花ではありませんが何処でも有り触れているアキタブキやササの仲間も見かけない異常な状況でした。
一面に広がるハンゴンソウ。
ハンゴンソウはエゾシカの食べない植物の代表格で、
エゾシカの生息密度が高まると、ハンゴウソウだらけになります。
大島で日の当たる場所ではハンゴンソウが最大勢力になっているようです。
フィールドを歩くのは楽しいものですが、色々と考えさせられる一日でした。
(撮影者:保全課 利用調整係長 山田 晴康)
大地の果てシリエトクでもサクラが咲きました(2013年5月27日撮影)
桜の下では雪解け直後に咲くキバナノアマナが同時に咲いています。これも今年のウトロをあらわしていますね。
野営場の雪が完全に消えたのは5月17日でしたから。
(撮影者:知床森林生態系保全センター 所長 荻原 裕)
えりもの春(2013年4月26日撮影)
えりもにも春がやってきました。沢山の動植物がお出迎えをしてくれます。
原生林内ではフクジュソウが春を告げています。
「えりもの春は何もない」どころか見所いっぱい。春はまだまだこれからです。
(撮影者:日高南部森林管理署 えりも治山事業所 治山技術官 佐藤可菜)
道南の大沼周辺は春(2013年4月22日撮影)
道南の七飯町にある大沼周辺の国有林でも、春の様相が見え始めました。
林道に、オオウバユリが顔を出しています。
エンレイソウが花を咲かせています。
エンレイソウは、種から育てると花を咲かせるまで8年以上かかるそうです。
残雪の上に、ホオノキの実の殻が落ちていました。
秋には粒々の真っ赤な実をたくさんつけますが、赤い実は全部落ちてしまったようです。
日当たりの良い沢沿いで、ギョウジャニンニクを数本、見つけました。この姿を見ると春を実感します。
(撮影者:駒ヶ岳・大沼森林ふれあい推進センター所長 宮本 元宗)
オホーツクの森にも遅い春が…(2013年4月24日撮影)
オホーツクの森にも遅い春がやってきました。
林道にはまだ雪が残っている所がありますが、動植物の営みは着実に春を告げています。
周囲の氷雪を溶かしいち早く開花するザゼンソウ。
花弁の重なりが僧侶の座禅を組む姿似ている?
春を告げる花の代表とも言われる、黄色く可憐なフクジュソウが咲いていました。
写真中央にアズマイチゲがひっそりと咲いています。
拡大して撮影したものです。
(撮影者:常呂川森林ふれあい推進センター 自然再生指導官 近藤 光榮)
春の野幌森林公園(2013年4月13日撮影)
4月13日、野幌森林公園に行ってきました。
雪の無い南向き斜面ではフクジュソウが開花していました。
いつもであれば写真を撮っている方が数名見られるのですが、
劣悪な道路状況のため誰にも見られずひっそりと咲いている風でした。
こちらはザゼンソウ。
まだ開ききってはいませんので、咲いたと言えるかどうかは微妙な状況です、
この地点では例年数株を確認できるのですが、
この日はこの一株だけでした、
おそらくあと一週間程度で周囲にはポコポコと地面から出てくることでしょう。
ミズバショウも芽を出してはいますが、開花にはあと一息と言ったところでした。
これはネズミが冬に木の皮を食べた痕です、
ネズミの歯は細いため、細かな引っ掻き傷が連続するような食痕となります。
目をこらすと、あたかもゴッホの絵画を彷彿とさせる不思議な模様です。
路面状態から、いま野幌森林公園に行くのは正直あまりお勧めできません、
気温次第ではありますが、あと一週間ほどで路上の雪もあらかた融けると、
いまよりは歩きやすく、花も色々と咲き出し楽しく散策できる様になるのではないかと思います。
しかしながら今年は積雪量が多かったため、融雪による水量が例年よりも多く、
そのため路面は荒れがちなうえ、泥濘化が予想されますので、
長靴など耐水性のある足下装備での散策がよろしいかと思います。
(撮影者:保全課 利用調整係長 山田 晴康)
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