国有林モニターは、国有林の管理経営において国民の意見や要望を取り入れるために行われている取組であり、北海道森林管理局では一般公募により昨年4月から2年間の任期で全道各地の48名の方にモニターを委嘱しています。 この取組の一環として現地見学会を開き、今回は22名のモニターの方々が参加しました。 |
当日は午前中に苫小牧市樽前の国有林の台風による風倒被害現場を見学し、午後からは治山施設を見学しました。
移動中のバス車内では小澤総務企画部長の挨拶や小向署長による胆振東部森林管理署の紹介、山本署次長による火山についての説明などがあり、盛りだくさんの内容でした。
1.風倒被害箇所
風倒被害現場では胆振東部署の平尾総括森林整備官と佐藤主任森林整備官から、被害の概況と復旧の取組等について説明を行いました。
風倒木は木質バイオマスの燃料として利用され、現地では植栽や天然更新による森林の再生を行っています。
台風から変わった低気圧(平成27年10月)による風倒被害現場 | 胆振東部署担当者からの説明 |
そのほか、GPSや輪尺を使った立木調査方法の解説、ドローンによる被害状況の確認も行いました。
ドローンでは画面に映った被害地の状態を見てモニターの方から「こんなにはっきり見えるのか」など驚きの声がありました。
GPSのデモンストレーション | ドローンのデモンストレーション |
2.治山事業実施箇所
午後からの治山施設見学では、胆振東部署の平井総括治山技術官と小川治山技術官から、施設の目的や工事の内容等について説明を行いました。
樽前山では噴火のおそれがあり、二次災害を防ぐための治山施設の整備が必要です。
モニターの方からは「治山ダムの設計は誰がやっているのか」「ダムの設計において『残存型枠(※1)』の丸太の間からコンクリートがはみだすことはないのか」「一般的な工法のほうが経済的ではないか」等多くの質問が挙がり、担当者から設計から施工方法について説明しました。
(※1)残存型枠:コンクリートを流し込んだ後、型を外さないでそのままにする方法。(ここでは木材の利用促進を目的に間伐材を使用している)なお、一般的な工法では型枠を撤去する。
西又沢谷止工(※2)について署担当者から説明 |
(※2)谷止工:渓流による浸食の防止や山すその固定、土砂流出の抑止・調整を目的とした工法。
今回の場合は樽前山噴火に伴う泥流の抑止・調整も目的に含まれている。
3.最後に
今回の見学会を通して、風倒被害の状況や復旧をどう進めているか実際に見ていただきました。
また、樽前山の噴火に伴う災害防止としての治山ダムの必要性などを理解していただけたかと思います。
参加していただいたモニターの皆様ありがとうございました。
モニターの方と職員の集合写真
(企画課経営企画係)
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