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年頭所感

「森林・林業の再生」としての取組みを一層推進

北海道森林管理局長 津元 賴光 

津元局長

平成24年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

皆様方におかれましては、ご家族お揃いで良き新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

昨年は、「東日本大震災」や原発事故をはじめ、台風による被害などかつてない大きな災害がありました。被災者の方々や関係者の皆様に、心よりお見舞い申しあげますとともに、被災された地域の一刻も早い復興を祈念申し上げます。

本年は当局としてもそうした被災地の復興も念頭におきながら業務を進める年となりますが、北海道内においても、昨年7月から9月にかけて集中豪雨などによる森林被害が発生しており、関係機関や市町村と連携し、被害地の早期復旧や新たな災害発生の予防、自然災害に強い森林の造成等を図る治山事業の実施を通じて皆様の生活の安全・安心の確保に貢献していく考えです。
 

また、昨年は、国連が定めた国際森林年でしたが、国内テーマ「森を歩く」を掲げ、北海道内各地で森林・林業・木材産業の大切さを道民の皆様にアピールし、「森林・林業再生元年」として森林・林業再生への足がかりを築きはずみをつける一年でもありました。本年は、森林管理の方向をしっかりと示しながら、民有林等との連携を密にして森林・林業再生のため積極的に貢献し、そして国有林から次代に繋ぐ山づくりを発信して参りたいと考えております。北海道のカラマツ、トドマツ、エゾマツならではの林業に関係者と一緒になって取り組み、豊かな森林づくりと林業・木材産業再生の実現を目指して参ります。


森林・林業の再生・山づくりには、人材の発掘や育成・人づくりが重要です。地域の森林づくりのビジョンを示せるフォレスター、森林所有者等の経営を支援するプランナー、実際に林内の道づくりや伐出作業にあたる林業機械のオペレーターなど人材の育成が急務です。


北海道森林管理局では、石狩森林管理署のフィールドと局研修施設を利用して、准フォレスター研修や林業専用道技術者研修を昨年から実施しております。本年も国有林のフィールド・技術力をより広く活用し、引き続き民有林と連携しながら、森林・林業の地域合意の核となる日本型フォレスター等の育成に向けた取り組みをさらに進める考えです。


一方、森林整備の観点から、これからの山づくりを考えていく必要もあります。

北海道森林管理局では、森林・林業の再生に向けた技術面の取り組みとして、低コスト・高効率作業システム、路網の整備、低コスト造林作業等を推進し、トータルコストの低減に取り組んでおり、それを民有林等に普及させ、山元へ利益が還元されるよう、「間伐で儲かる山づくり」、本来の「伐ったら植える林業」を目指して取り組んで参ります。


丸太生産については、国有林で展開している低コスト・高効率作業システムの民有林への普及を図るため道内各地において技術研修会等を開催するとともに、販売についても、定時・定量・定価で安定供給を行うシステム販売方式を拡充していくことにより山元から工場まで一環する流れをつくり、北海道の林業・木材産業の再生に貢献していく考えです。


造林については、平成23年度の秋期植付の一部において、民間苗木生産者との連携を進め、植付効率の向上等によるコスト低減効果が認められつつあるマルチキャビティコンテナ苗(コンテナ苗)を導入しました。今年も作業功程等のデータを収集・分析するとともに、コンテナ苗を使用した低コスト造林作業の普及・定着に取り組んで参ります。


また、民有林と国有林が一体となって路網の整備や間伐等の森林整備を一体的効率的に実施する取組を推進するため、森林共同施業団地の設定は特に重要です。現在、15箇所で設定しておりますが、今後も各市町村等に働きかけ、さらに増やしていきたいと考えております。


さらに、エゾシカ被害対策については、全道の国有林野を対象とした一括入林承認や年末年始、日曜日の銃猟禁止措置の解除、林道の除雪等の実施などできる限り狩猟や駆除対策を実施しやすい環境の整備に努めるとともに、エゾシカの立木食害等が天然林の更新等に与える影響についての詳細な調査と森林管理署の森林官等が全道規模で行う簡易な影響調査を今年も引き続き実施します。北海道や関係機関との連携を密にし、個別の市町村とも逐次相談をしながら、エゾシカの個体数削減を現実のものとするよう取り組んで参ります。


なお、昨年10月に公表しました大雪山国立公園内の上川中部署管内国有保安林の違法伐採事案については、このような事態に至ったことの責任を重く受け止め、深く反省しております。事態の深刻さを私たち職員一人ひとりが認識し、森林の管理・監督責任を改めて自覚し、二度とこのような事案が発生しないよう再発の防止に万全を期して、国民生活の安全、安心に欠かすことのできない国民共通の財産である国有林野を適切に管理して参ります。


今後、北海道森林管理局といたしましては、国民の皆様からお預かりしている国有林野を元気な姿で次世代に引き継ぐべく、森林・林業基本計画等に基づき、また昨年末の林政審議会答申「今後の国有林野の管理経営のあり方」を踏まえ、地球温暖化の防止、森林における生物多様性の保全などの公益重視の管理経営を一層推進するとともに、組織・技術力・資源を活用して、林業技術の開発普及、人材育成をはじめとした民有林への指導やサポートなど我が国の森林・林業の再生に貢献し、国民の皆様から信頼される国有林となるべく全力で取り組んで参る考えですので、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

皆様方の益々のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。

 

 

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総務企画部保全調整課
ダイヤルイン:050-3160-6274
FAX:011-622-5235

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