釧路湿原森林環境保全ふれあいセンター
釧路湿原森林環境保全ふれあいセンター 所長 宮本 元宗
釧路湿原に係る国有林の取組
釧路湿原は、釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村に囲まれた約22万ヘクタールに及ぶ日本最大の湿原です。この広大な湿原は、水はけが悪く農地化や市街地化が困難だったため、北海道開拓の頃には不毛の大地とまで呼ばれていました。
また、釧路湿原を縫うように流れる釧路川は頻繁に氾濫して下流域への水害をもたらしたことから、明治以降、近年まで河川改修や排水路造成等が進められていました。
昭和55年、釧路湿原がタンチョウを始め多くの水鳥が生息する区域だったことから、日本で最初のラムサール条約登録湿地に指定されました。これをきっかけとして自然保護の気運が盛り上がり始め、平成15年に釧路湿原自然再生協議会が設立されることとなりました。
釧路湿原自然再生協議会は、生態系のつながりのある釧路湿原流域全体の自然環境の回復と保全を目的としています。釧路湿原森林環境保全ふれあいセンターは事務局の一員として協議会に参画し、湿原上流部に位置する雷別地区国有林において森林再生の取組を進めています。
|

雷別ドングリ倶楽部によるミズナラとハルニレの播種作業
|

雷別ドングリ倶楽部の植樹とヘキサチューブ設置作業
|
雷別国有林では、過去、冬期の少雪、土壌凍結と乾燥のため128ヘクタールにわたりトドマツの立ち枯れが発生しました。当ふれあいセンターでは、未立木地となったこの区域を森林に再生するための取組を進めています。
また、この取組に伴いボランティアグループ「雷別ドングリ倶楽部」を設立し、このグループの皆さんの協力を得て、国有林内で植樹活動等を行っています。
今年度の活動は、ミズナラ、ハルニレ等の植樹、植えた樹木をエゾシカの食害から保護するためのヘキサチューブの設置、雷別に設置している歩道の手入れや植樹に使用する苗木づくりのための播種などを実施しました。
他にも、雷別ドングリ倶楽部のメンバー以外の一般の方の森林整備等ボランティア活動の参加を促すための「森林アクティビティ講座」を開催し、自然再生に用いる樹木の種子採取や自然観察会を実施する等の活動を行っています。

森林アクティビティ講座で自然観察会
パイロットフォレストでも

パイロットフォレストのカラマツ人工林と別寒辺牛湿原
釧路市から北東約50kmの位置に、カラマツの一大造林地であるパイロットフォレストがあります。
かつては1万ヘクタールに及ぶ原野が広がっていましたが、林野庁はここを森林として蘇らせるために昭和31年から森林造成を進め、今ではカラマツ人工林を主体とする森林が広がっています。
|
また、その森林を取り巻くように存在する別寒辺牛湿原は「別寒辺牛タンチョウ生息保護林」として保護林に設定されています。
この湿原は、タンチョウだけではなく他の多くの動植物が棲息しています。
当ふれあいセンターでは、雷別地区国有林のほかに、このパイロットフォレストでの森林環境教育活動にも取り組んでいます。
パイロットフォレストではユニバーサルデザイン歩道やウッドチップを敷いた歩道を整備しています。
ここでは、ふれあいセンターが高齢者を対象とした「森林利用サポート事業」等を実施し、歩道を使用した森林とのふれあいの場としての森林散策や自然観察会などの活動を行っています。
|

ユニバーサルデザイン歩道で森林散策
|
この他にも、NPO法人こども遊学館市民ステージとの協働による小学生を対象とした森林教室の開催や、京都大学の学生実習の受け入れを行いパイロットフォレストの解説等を行うなど、幅広く活動を行っているところです。
また、今年度は2011国際森林年の記念イベントとして、パイロットフォレストで「夏休み親子国有林観察ツアー」を実施しました。
たくさんの子ども達がパイロットフォレストで昆虫や草花の写真を撮影したり、撮影した写真を使用したフレーム作りなどを行いました。
釧路湿原森林環境保全ふれあいセンターでは、今後も幅広い年齢層からの期待に応えられるよう、魅力ある道東の北海道国有林をPRしつつ、国有林におけるボランティアの促進や、森林とのふれあい活動を進めていきたいと考えています。
|

|
| 森林教室で「森の宝探し」ゲームを実施 |
京都大学学生実習への協力 |
国際森林年記念イベント「夏休み親子国有林観察ツアー」
|
釧路湿原森林環境保全ふれあいセンター
〒085-0825 釧路市千歳町6番11号
電話 0154-44-0533
|
|