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渡島森林管理署

駒ヶ岳における低ダム群工法による土石流対策(森の再生も頂上に向けて力強く進んでいる) 

駒ヶ岳における低ダム群工法による土石流対策(森林の再生も頂上に向けて力強く進んでいる)

 安心して暮らせる国土づくりの推進と国民とともに進める森林づくりを目指して

渡島森林管理署長 山田 和夫渡島森林管理署長

 

コラム名の「署長室の窓から」を見て真っ先に脳裏に浮かんだのは、10年ほど前に勤務していた森営林署(当時:森町森川町。現在は渡島森林管理署に統合)の署長室の窓から望める光景でした。
そこには、平成8年に54年振りに噴火をし、その後、平成12年までの間に7回の小噴火を繰り返した、森営林署からわずか8キロメートルほどに位置する駒ヶ岳が白煙を高く上げながら、視界を妨げるものがほとんどない窓の目前に迫る勢いで鎮座していたのです。
平成12年9月の夜間に発生した小噴火では、朝方になって車上に降灰を確認し、昭和4年規模の大噴火に至ったらどうなるのだろうとの恐怖感と何とかこのまま静かになってくれとの思いが交錯する緊張の日々を送っていたことを昨日のように覚えています。

 

災害に強い安心して暮らせる国土づくり

渡島森林管理署は、9市町(八雲町、長万部町、森町、鹿部町、七飯町、北斗市、せたな町、今金町、函館市)に所在する渡島半島中央部の太平洋(噴火湾)から日本海に至る約12万4千ヘクタールの国有林を管理しています。
ここは、北海道に抱かれるイメージとはほど遠い非常にけわしい地形や面積が狭い半島部に位置する特徴的な地勢から海岸部の森林や生活域に隣接した森林が多く、また、活発な活動を続ける二つの活火山(駒ケ岳、恵山)を擁することなどから火山噴出物が広く堆積していることもあり、98%が水源かん養や土砂の流出防備等を目的とした保安林に指定され、山地災害を防止するなど公益的機能の維持増進を目的とした森林の整備・保全が期待されています。


こうしたことから、災害に強い安心して暮らせる国土づくりのため、適切な森林整備を推進することに加えて、主に駒ヶ岳や恵山における土石流対策、日本海沿岸国道沿いの段丘崖(平らな面と急な崖からなる階段状の地形)直下に所在する民家等を保全するための落石防止対策、日本海に注ぐ後志利別川と太櫓川の両河口間にまたがる兜野(かぶとの)海岸林の造成による民家や田畑等への飛砂や風害・潮害防止対策等を中心とした治山事業を計画的に進めています。

 

特に駒ヶ岳は、幾度となく繰り返された噴火による火山噴出物が山体に厚く堆積し、豪雨や長雨等を起因として、過去数度にわたり土砂(石)流が発生し、下流域に大きな被害をもたらしていることから、ダムなどの施設整備による土砂災害の防止、森林回復による防災機能の向上、国定公園としての景観の維持など、地域社会の要請に応えるべく下流域の他官庁所管事業等と連携して様々な防災対策に取り組んでいます。

 

昭和4年の大噴火等により裸地状態となった山腹では、カラマツやカンバ類・ハンノキ類をはじめ多くの樹種が競うように山頂方向へ生息域を広げ、緑も年を追うごとに豊かになっており、自然の回復力には感服するばかりです。
駒ヶ岳をはじめ国有林の治山事業は、安全な国土づくりに大きく寄与していると考えてますが、多くの場合、地域の方々の目に触れにくい場所で行われていることもあり、身近なものとして実感してもらえないのが現状です。これまでも、駒ヶ岳・大沼森林環境保全ふれあいセンター等とも連携して見学会等を実施していますが、治山事業の果たす役割等についてもっと情報発信していこうと思っています。

 

瓢型(ひさごがた)火口と直下のガリー(火山灰など軟弱土質の斜面が降水により削り取られた深い溝)

瓢型(ひさごがた)火口と直下のガリー(火山灰など軟弱土質の斜面が降水により削り取られた深い溝)
ガリーは降雨の度に拡大を続けている

 

国民とともに進める森林づくり

全道的に大きな森林被害をもたらした平成16年9月の台風18号では、当署管内でも大きな風倒被害を受けました。大沼湖周辺の国有林においても2百ヘクタールの間伐期を迎えたトドマツを主体とした人工林が無残なまでになぎ倒されてしまいました。
その早期復旧に努めるかたわらで、市民参加による「台風森林被害地再生の森づくり」を進めるため、森林ボランティア団体の参加を募集したところ、高等学校やNPO、企業等の5団体から応募があり、「国有林野内における森林整備等の活動に関する協定書」を締結し、平成18年から毎年、多くの方々に植樹、根踏、下刈など森林再生に協力をして頂いています。函館市内の二つの高校では一年生が先輩の後を引き継ぐ形で参加し、最初に学校で、授業の一コマとしての森林環境教育に出向いた署の職員から森林の果たす役割等について講義を受け、その後日を改めて現場での慣れない作業に悪戦苦闘しながら汗を流しています。
また、同じ大沼湖に面した国有林においては、主伐期を迎えたドイツトウヒやカラマツなどの人工林約18ヘクタールを対象として多様性のある森林への再生・森林環境教育の推進に向けた取り組みを進めています。駒ヶ岳・大沼森林環境保全ふれあいセンターと協力し、地元町内会や漁業者をはじめ多くの民間団体や関係行政機関と様々な立場からの提言や意見交換を行いながら、植樹や下刈、間伐等の実践を通じて、国定公園でもある大沼湖の水質保全や景観の維持向上にも配慮した多様性のある森林づくりを進めているところです。
まだまだ小さな事例ですが、さらに多くの方々との協働による森林づくりのあり方を模索していきたいと考えています。

 

台風被害により大沼と駒ヶ岳を望む絶好のビューポイントとなってしまった箇所での森林ボランティア団体による森林再生への取組

台風被害により大沼と駒ヶ岳を望む絶好のビューポイントとなってしまった箇所での森林ボランティア団体による森林再生への取組

 

函館大学付属柏稜高等学校における森林環境学習

函館大学付属柏稜高等学校における森林環境学習 

 

(2009年12月 掲載)

渡島森林管理署

〒049-3115 二海郡八雲町出雲町13
ダイヤルイン:050-3160-5815 FAX:0137-62-2961

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担当者:指導広報係
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