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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    コンテナ苗現地検討会を開催!

      

    【檜山森林管理署】 


    渡島・檜山地域でも、全道の人工林と同様に、拡大造林により造成された人工林が充実期を迎えており、今後主伐再造林の大幅な増加が確実となっています。一方で、造林作業を担う技術者不足は年々深刻な状況となっており、造林の低コスト化・労働力軽減の取組が重要となってきています。

    渡島檜山地域民有林の人口林齢級構成
    渡島檜山地域民有林の人口林齢級構成


    これらの課題解決の一つの方策として、今年度道南の国有林で初めて植栽した「クリーンラーチコンテナ苗」の植栽地において、令和元年11月6日(水曜日)に「コンテナ苗現地検討会」を開催しました。

    現地検討会は、管内自治体をはじめ、森林組合等の林業関係者、渡島地区種苗協議会、森林室等の道関係者、国有林関係者を併せ総勢52名が参加しました。

    現地検討会の様子
    現地検討会の様子

    現地検討会では、最初に渡島檜山地域の現状と課題を参加者全員で共有し、続いてコンテナ苗の持つ「植栽可能期間の長さ」「活着率の高さ」「植付作業の労力軽減」等の大きなメリットを紹介しました。

    また、民有林への普及にあたっての大きな障害となっている「裸苗との価格差」の解消策、「下刈期間の短縮」に向けた成長促進等を説明しました。なお、デメリットの一つである「根鉢の崩れ」対策と「苗木の初期成長促進」に関しては、渡島地区種苗協議会構成員である(有)谷口精光園の谷口代表取締役に講師をお願いしました。

    講師は自社で生産しているトドマツとカラマツの実苗を手に、「根鉢の崩れ」対策として生分解性コンテナの利用と「苗木の初期成長促進」に関しては緩効性肥料の使用について、生産者の立場から具体的に有効性を紹介していただきました。

    特に緩効性肥料については、肥料を施してない苗と肥料を施した苗との見た目からの違いに参加者一同大いに驚くとともに納得している様子でした。

    続いて、渡島総合振興局からは、来年度のコンテナ苗価格が大幅に下がり、裸苗との価格差が小さくなるという情報提供もあり、普及に向けてのハードルは一段と下がるものと思います。

    生分解性コンテナについての説明
    生分解性コンテナについての説明

    緩効性肥料の効果を確認する参加者
    緩効性肥料の効果を確認する参加者

    最後に、スペードやディプル等の植付器具とアースオーガ等の植付機械による植付体験を実施し、植付器具の違いによる効率性等を比較しました。

    参加者からは、「専用器具は腰への負担が少く簡単」、「プランティングチューブは障害物があると大変」、「オーガは効率がいいが斜面ではどうか」等意見を交換しながらそれぞれが器具の違いを試していました。

    なお、コンテナ苗専用の植付器具のほか、この現場で植付作業を行った業者が実際に使用していた、「現地で山取りした木の枝」を簡単に加工したものを体験してもらったところ、軽くて使いやすいとの評価もありました。

    アースオーガの体験
    アースオーガの体験

    業者が使用している木の枝の植付器具
    業者が使用している木の枝の植付器具

    あいにく寒さの厳しい一日でしたが、コンテナ苗の特性を知ってもらう有意義な検討会になったのではないかと思います。

    今後、増加する再造林の確実な実施に向け、低コスト化・軽労化の観点からも民有林においてコンテナ苗使用の検討をお願いし、無事に現地検討会を終了しました。

    (森林技術指導官 橘)

    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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