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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    エゾシカの立木食害等が天然更新等に与える影響調査地の現地検討会

     

     

    【北海道森林管理局】 



    北海道森林管理局では、エゾシカの食害が天然林に与える影響を毎年調査をしています。
    令和元年度の影響調査は、上川南部署、十勝西部署、胆振東部署、後志署、網走南部署で実施しました。
    調査箇所では、現地検討会を行っています。


    今年は、8月26~27日(上川南部署、十勝西部署)、9月12~13日(胆振東部署、後志署)に開催しました。
    現地検討会では、エゾシカの立木食害等が天然更新等に与える影響調査検討会の委員から、「角こすりは、オスが生息する証拠。枯死木が発生して問題ということであれば、痕跡情報に基づいてその周辺でオスの駆除対策に活用するとよい。樹皮はぎの発生数はシカの生息密度と必ずしも対応しない。」と痕跡から状況を判断する際の助言がありました。

    角こすりの痕(トドマツ)
    角こすりの痕(トドマツ)

    アオダモの萌芽枝の食痕を例に「ほぼ毎年食われているものの、プラスの高さ成長ができている。いつのタイミングで食べられているかが分かり、駆除の方法のヒントになりうる。」などの説明を受けました。

    アオダモの萌芽枝の食痕
    アオダモの萌芽枝の食痕

    参加者からは、「現地検討会を行う意義が大きいと感じた。調査に対する意識が変わるきっかけになる。」、「見る目を養うことにつながる。簡易調査は継続が重要なので、引き続き積極的に取り組んでいきたい。」、「結果が何に役立つのかがはっきりすると、継続にもつながる。」との感想も出されていました。

    現地検討会
    現地検討会で説明する委員

    現地にはエゾシカによって折られた若い枝がいくつかありました。
    枝先の芽を食べていることもあるが、ただ折っているだけのこともあり、確実な理由はわかっていません。

    エゾシカによっておられた枝
    エゾシカによって折られた枝

     

    【エゾシカの立木食害等が天然更新等に与える影響調査】

    この調査は、平成21年度から全道342箇所(令和元年度末現在)の調査区に設置して実施しています。
    平成26年度からは2巡目の調査を実施しており過去の調査データとの対比から、影響度合いの変化も調査しています。

    また、この調査に加えて森林管理署の森林官等が事業地などで行うチェックシートによる簡易影響調査を実施しています。
    チェックシートによる簡易影響調査では、森林への影響状況をはじめ、季節によるエゾシカの移動や越冬地の位置を推測できるデータとしても蓄積され、捕獲事業の実施場所の選定にも活用されています。データは北海道や道総研と連携して影響評価マップ(下図参照)の作成などにも活用されています。

    これらの調査結果は、全道の国有林におけるエゾシカの動向を把握できるデータとして、各方面で評価され活用されています。

    【平成30年度簡易影響調査担当区別平均評価】
    平成30年度簡易影響調査担当区別平均評価

    道内24森林管理(支)署において、平成22~令和元年度の10年間で約41,500箇所の簡易影響調査を実施しています。

    調査結果等の詳細はこちらのページでご覧ください。

    今後も調査を継続し、多くのデータを収集し、エゾシカの生態を把握しながら、各種エゾシカ対策に活用します。


     

    (保全課利用調整係長 久田)

    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271

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