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広尾町で木造牛舎を見学
【十勝西部森林管理署】
令和元年度9月13日、当署の署長と若手職員4名で、広尾町にある酪農家さんのもとへ伺いました。目的はカラマツで出来た木造牛舎の見学です。
日頃から口にする牛乳ですが、牛がどのような建物で暮らしているかを考える機会は少ないのではないでしょうか。 牛舎は鉄骨造が主流ですが、近年は木造が増えていると聞き、管内の酪農家さんを見学させていただきました。
敷地内には数棟のカラマツの木造牛舎があり、牛たちはその中でのんびりと過ごしていました。
あたたかみのある外観
牛舎の中はログハウスのような雰囲気でした
木造牛舎は鉄骨牛舎と比べて、夏は涼しく冬は暖かいとのことで、これは木材が鉄よりも、温まりにくく冷えにくい性質をもっているためです。 外気温が-20℃になるような真冬でも牛舎内は-2℃程だったこともあり、冬場の作業でも暖かさを感じるとのことでした。
木造牛舎は牛にとっても過ごしやすいようです。以前は、夏場は暑さのせいで搾乳量が落ちることが多かったのですが、新しい木造牛舎にしてからはほぼ変わらないとのことでした。
さらに冬の冷え込みが和らぐことで、牛舎内の搾乳機械の凍結等によるトラブルが減り、メンテナンスの手間や維持費の削減にも繋がっているそうです。
搾乳用の機械
また、牛の敷料にはおが粉が使われており、間伐材や製材工場の端材を利用して生産されています。
おが粉は牛の感染症防止のために頻繁に交換する必要がありますが、近年は木質バイオマス需要の高まりにより価格が上昇しているというお話も伺い、行政官として課題意識を抱きました。
飼育舎の床におが粉が敷いてあります
今回受け入れてくださった酪農家さんは、知り合いの酪農家の木造牛舎を見学したことがきっかけで、木造に興味を持ったそうです。
木のぬくもりが感じられる見た目に惹かれて、自身の牛舎も木造で建てたところ、温度や湿度の調節機能というメリットも実感し、それ以降はすべて木造で建てているとのことでした。
木造牛舎のメリットを実際に利用している方から伺うことができ、大変有意義な見学となりました。
他の産業の中でどのような木材利用の方法があるのか、そこに木材の優位性はあるのかを知ることは、これから木材利用の拡大を考える上で大いに役立つと感じました。
一方で、ただ木造にするだけではなく、地域材を活用することで地域への経済効果を波及させていくことも重要であると考えます。
また個人的には、一人の消費者として、乳牛にストレスの少ない環境で過ごしてほしいという思いがあり、木造牛舎がその一助となれば大変嬉しく思います。
木造牛舎はいかがですか?
(森林官補 五十部)
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総務企画部企画課
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