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北海道森林管理局

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     各地からの便り

    木材利用研修

     

    【北海道森林管理局】 


    821日から22日にかけて木材利用研修の一環で、木材加工や住宅建設・販売に携わっている業者さんの現場を見学しました。

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    21日は北海道北三株式会社千歳工場へ見学に行きました。千歳工場では合板の表に貼る突板(つきいた)を生産しています。講師の社長さんから工場内で実際に生産している現場を見ながら突板の生産工程について説明を受けました。

    突板の生産工程は丸太の樹皮を剥ぐところから始まり、煮沸(しゃふつ)→調材・製材→ロータリー・スライサーにかける→乾燥→裁断となります。
    ※樹種によって樹皮を剥ぐ工程と煮沸する工程は前後します。

    突板の生産工程
    スライサーにかける前の木材

    突板の生産工程
    ロータリー・スライサー

    突板の生産工程
    ロータリー・スライサーにかけた突板

    突板は一本の原木からおよそ500平方メートル取ることが可能なこと、原木を購入する際は生産される突板をイメージして購入していること、合板の代わりに不燃材料に貼ることで、建物や観光列車等不燃性を求められる内装材に利用可能なこと、かつては欠点として嫌われていた節なども自然由来の個性(キャラクター)として近年では受け入れられていることなどが印象的な説明がありました。

    翌8月22日は午前中にミサワホームの住宅部材を製造している北海道住宅工業株式会社、午後からは三五工務店に伺いました。北海道住宅工業株式会社では床や壁に使う木質パネルの芯材にトドマツを使用しています。

    今までトドマツといえば、『柔らかい』というイメージが先行していること、建築材の用途としては下地材や補助部材に使われることが多く、住宅の様な大きな構造物を支えることは難しいのではないかと考えていましたが、『面で支える』構造であれば十分使用に耐えうることを紹介していただき、使い方次第なのだと感じました。
    また、併せてトドマツの樹種特性や今後の利用方法等も講義していただき、大変有意義な工場見学となりました。


    トドマツの樹種特性や今後の利用方法等の講義
    トドマツの樹種特性や今後の利用方法等の講義

    三五工務店では建築したモデルハウスの見学と、事務所に戻ってから講義を受けました。三五工務店は13年前から建築に道産材を使い始め、6年ほど前から家の構造材に北海道産カラマツを使うなど、積極的に道産材を使用されています。
    モデルハウスでは、内装、外装ともふんだんに木が使われており、落ち着いた心地よい空間となっているのが印象的でした。

     モデルハウスの見学
    モデルハウスの見学

    事務所では講師の副社長さんから、自らの会社が持つ強みや特徴を活かした家造りと販売方針、価格設定や他社への技術提供に関する考え方など熱のこもった講義を受けました。
    中でも『当社の理念である『暮らしづくりを通して、幸せをつくり出す』に共感してもらえる方を対象に販売する。』、『良いものは安売りせず、適切な価格で提供する。』といった点は刺激的で林業・木材産業に関係する者として考えさせられるものでした。


    田中副社長から熱のこもった講義
    田中副社長から熱のこもった講義

    私たちの仕事は立木や丸太を売るところまでとなることが多く、丸太の加工や製材品の生産、エンドユーザー向けの販売といった、いわゆる川中~川下の分野はイメージしづらいところがあります。
    今回実際に加工から最終製品の販売を行っている現場を見学したことで、森林から生産された丸太がどのように利用されているのか、川中~川下ではどのような丸太が必要なのか、その一端に触れることが出来ました。
    今後は立木や丸太の生産に今回得た知見を生かしたいと思います。

    (市況調査係長 樋口)

    お問合せ先

    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271