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市町村林務担当職員を対象とした山づくりワークショップを開催
【空知森林管理署】
平成30年8月30日(木曜日)に、空知管内市町の林務担当職員を対象に「第1回空知の山づくりワークショップ」を開催しました。
このワークショップは、市町林務担当になって日の浅い方に対象を絞り、その方々に林業の現場を体験し学んでいただくことを目的に行いました。 内容は、再造林コストの削減方法として近年国有林で取り組んでいる伐採から地拵・植付までの一貫作業システム箇所の見学をメインとし、まず午前中に国有林で行われている施業の流れ・基礎的な知識を座学で確認し、午後から現地見学を行いました。
当日は、管内市町から美唄市、芦別市、滝川市、栗山町、月形町、雨竜町の林務担当者、またオブザーバーとして空知総合振興局森林室からも参加いただきました。
【午前の部(座学)】
午前中の座学では、各森林整備事業担当の主任森林整備官が講師を担当し、「経営」「生産」「造林」「販売」業務について説明しました。
経営パートでは、午後からの見学箇所が主伐(複層伐)箇所であることから、計画制度全般のほかに主伐と判断するに至った経緯や帯状複層伐の仕様について説明しました。
生産パートでは、高性能林業機械による伐採から木寄せ・枝払い・玉切り・集材・仕訳・巻立の流れを説明しました。
造林パートでは、それに続く地ごしらえ・植付・下刈などの作業説明に加え、現地見学箇所で行われている「一貫作業システム」とコンテナ苗の特徴について説明しました。
芦別市頼城多目的研修センターでの座学
販売パートでは、トドマツ・カラマツは羽柄材・梱包材として利用されていること、生産された丸太は一般材・低質材・原料材に区分されそれぞれ価格が違うことなどを説明しました。
参加者からは、複層伐の伐採率や伐採帯の方向、伐採後の植栽樹種の選定理由、コンテナ苗の供給状況・価格、一貫作業システムによるコスト削減率など、ポイントを突いた質問がいくつも出されました。 コンテナ苗の供給状況についての質問には、数年先までの需要を生産者に伝え協定を締結することで安定的に確保できる体制を作っていることを説明し、これまでのコンテナ苗が不足している状況が変わってきていることを知っていただくことができました。
【午後の部(現地)】
午後からは、一貫作業システムによる生産事業現場へ移動しました。
午前中に説明した伐採から木寄せ・枝払い・玉切り・集材・仕訳・巻立までの作業を受注者である旭・新芦別共同事業体にご協力いただき実演いただきました。
グラップル付フォワーダによる集材作業
次に同生産事業現場のなかで帯状複層伐地ごしらえを実施している箇所に移動し、大型機械による地ごしらえ作業を見学しました。
こちらでは、同じく受注者である旭・新芦別共同事業体にご指導いただきながら、参加者の皆さん全員に「スペード」というコンテナ苗用植付器具を使ってカラマツコンテナ苗の植栽を体験していただきました。
スペードを作ってコンテナ苗を植栽
【参加者の声など】
市町林務担当職員のみを対象とし、午前・午後にわたるワークショップということで実施にあたり不安もありましたが、参加者からは「高性能林業機械の名前はわかるが実際に動く姿は初めて見た。とても参考になった」、「林務担当は初めてで何もわからず質問もできなかったが、大変参考になった」などの声をいただきました。
事後アンケートにより、今後の研修案として考えている内容を12項目あげ、参加したい項目に印(複数可)をつけていただいたところ、上位3つは以下のものでした。
- 林地の測量について(ハンディGPSを用いた現地作業とGISへの取り込みなど)
- 主要樹種の見分け方について
- 林道事業について(林道開設工事箇所の見学・解説など)
今回のワークショップを通じて、以下のようなニーズを把握したので、今後のワークショップ等へ繋げていきたいと思います。
市町村では直接携わることのできる現場が限られるため、国有林の多様な現場を見ることは有益である。
管轄面積等の関係から様々な施業を行うことが難しい市町村も多いことから、国有林で行っている様々な取り組み(一貫作業、コンテナ苗、低密度植栽、多様な森林づくり、ドローン活用など)は有益な情報である。
国有林業務で普段行っているGPS・GISの活用や樹種の見分け方など実践的な知識も市町村林務新任職員には求められている。
ご協力いいただいた事業体の皆さんと一緒に全員で記念撮影
(主任森林整備官(森林ふれあい担当) 森)
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お問合せ先
総務企画部企画課
ダイヤルイン:050-3160-6271
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