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 各地からの便り

生態系保全に配慮した渓畔周辺における森林施業の現地意見交換会

【北海道森林管理局】 

意見交換会の全体説明の様子

意見交換会の全体説明の様子


11月7日(木曜日)、十勝西部森林管理署管内の清水国有林(17お林小班)において、渓畔林の取り扱いに関する現地意見交換会を開催しました。

意見交換会には北海道大学の中村太士教授、渋谷正人准教授、森林総合研究所の佐々木尚三産学官連携推進調整監にお越しいただき、研究者の立場から意見をいただきました。

冒頭、古久保英嗣北海道森林管理局長から「森林の多面的機能を高度に発揮させるため、河川周辺の取扱いについて、簡単で統一的な指針作りに具体的に取り組むこととしたので意見を伺いたい。」と挨拶、続いて中野亨計画課長から渓畔の取扱いについて、「水辺から概ね25mの幅を渓畔林と定め、この範囲については生物多様性を保全するため、本来の植生への復元を目指して間伐や路網整備を実施する。」旨の説明を行いました。

今回の意見交換会では、人工林を含む渓畔周辺の森林について、生態系に与える影響を低減し、生物多様性の保全等の公益的機能がより発揮されるための施業や管理の方法を検討しました。

中村氏からは、以下のような渓畔林の持つ機能について説明がありました。

(1)木の葉が水面に影を作ることで、夏期に川の水温上昇が抑制され、オショロコマなどの川魚の生育に適した環境が形成される。

(2)カツラやオニグルミなどからなる渓畔林特有の植生が形成され、生物多様性が向上する。

(3)雨水が一度、渓畔林の土壌に浸透してから川に流れることで、泥水が直接川に流れ込むことを防ぐ。

これらの機能は、水辺から25m程度の範囲内の渓畔林を保全すれば、効果が期待できるとのことでした。

ただし、保全する渓畔林の範囲を設定する際には、何のためにその範囲を保全するのか、目的をはっきりさせることが重要とのことでした。

渋谷氏からは、渓畔周辺の人工林を天然生林(その土地本来の植生)へと誘導するためには、適切な更新の方法を考える必要があるとの意見がありました。

北海道には林床にササが多いため、自然にはその土地本来の樹木が生えてこないことがあります。一方で、植林を行ってもエゾシカに食べられてしまうことが多いという問題があります。これらの問題を解決する方法については、今後検討していく必要があります。

また、佐々木氏からは、渓畔周辺の保全には渓流への濁水の流出防止も含まれると思うが、渓畔として設定する水辺から約25mの範囲の外側に切土・盛土をして路網を新規に作設する場合と、水辺から約25mの範囲内に既設の路網があり、これを利用した方が切土・盛土の量が少なくなり水系への影響が少なくなると考えられる場合は比較検討することが必要との意見をいただきました。

現場を管理している金井十勝西部森林管理署長から「地元の清水町からは町内を流れている河川の保全を要望されている。」との話しもあり、北海道森林管理局ではいただいたご意見等を踏まえ、北海道国有林における渓畔のモデルとなるよう検討を進めていきます。

古久保局長、中村教授、渋谷准教授、佐々木産学官連携推進調整監

左から古久保局長、中村教授、渋谷准教授、佐々木産学官連携推進調整監

今回の検討対象流域のペケレベツ二の沢。

今回の検討対象流域のペケレベツ二の沢。
「ペケレベツ」はアイヌ語で「明るく清らかな川」の意で、この川を流れる清水町の町名の由来になっています。

水辺から25m以上離れている人工林について、今後の取り扱いを議論

水辺から25m以上離れている人工林について、今後の取り扱いを議論

渓畔周辺の間伐予定人工林にて

渓畔周辺の間伐予定人工林にて、今後の施業方法を議論する様子。
林床はクマイザサで覆われており、地域本来の植生に復元するための手法を検討することが必要です。


 

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