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近年、エゾシカによる農林業被害が北海道全域に広がっており、えりも国有林内でも植栽木の食害や角こすりが多く見られるようになりました。
昭和28年の草本緑化に始まった「えりも岬の緑化事業」は、ほぼ全域の木本緑化を終了していますが、現在そのほとんどがクロマツの一斉林であり、病虫害等による甚大な被害が懸念されています。
このことから、今後はクロマツ中心の森林から広葉樹の割合を増やすべくカシワ等の郷土樹種の植栽などを進めているところです。
しかし、人が手をかけて植栽した苗木はエゾシカの食害に遭いやすく、なかなか思うようにはいきません。
このような状況から、今回強風対策として設置してきた北海道大学名誉教授 東 三郎 氏考案の防風耐雪柵を参考に、防鹿柵の効果も加味した新しい柵を設計・施工することにしました。
従来の防風耐雪柵は高さが1.6mのものですが、新しく設計したものは片側を伸ばし、高さを2.1mにして鹿がジャンプして超えられないように工夫しました。
この防鹿柵を、伸ばした材が外側に突き出るようなかたちで、幅約40m、長さ約80mの区画で設置しました。さらに、高さ1.6mのものを内側へ二重に設置して、防鹿効果を高めました。
この事業での木材使用量は、1基当たり2.1m型は0.48m3、1.6m型は0.44m3であり、それぞれ67基、38基、計105基設置したので、全体で48.88m3となりました。
完成後は、ボランティアなどによる広葉樹の植栽場所として提供するとともに、植栽後はエゾシカの痕跡や苗木の生存などを調査し、防鹿柵としての効果を検証していく予定です。
防鹿柵としての効果が立証できれば、設置(使用)についての普及も検討でき、併せて小径の間伐材を利用できることから、間伐材の利用促進にもつながるのではと期待しています。
(志田 えりも治山事業所主任)
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