北海道森林管理局では、「エゾシカの立木食害等が天然更新等に与える影響調査検討会」を設置し、エゾシカが森林生態系に与えている影響を科学的かつ詳細に把握するとともに、昨年度開発した「簡易影響調査」について分析と評価を進めています。
今年度は、空知、宗谷、檜山の各森林管理署管内の国有林において、モニタリングサイトを20箇所ずつ設置し、調査を進めており、8月31日(火曜日)には、空知森林管理署管内の芦別市野花南・頼城・幌子に設置しているモニタリングサイトにおいて、関係職員と学識経験者を交えた現地検討会を行いました。
エゾシカ被害を受けている道内各地の森林では、皮を剥がれた木々が枯れたり、新芽や枝葉を食べられた木々が衰退したり、地面にはエゾシカが食べない草花だけが繁茂するような状況が見られるようになってきていることから、検討会では、それぞれのモニタリングサイトにおいて、エゾシカの食害を受けた木々やササなどの下層植生について影響の度合い、今後の推移などについて検討を行いました。
また、森林官等が現場巡視の際などに短時間で森林へのエゾシカの影響を把握できるように開発した 「簡易影響調査」手法である「エゾシカ影響チェックシート」についても、現地における調査精度の向上やチェック内容の改良などについても検討を行いました。
現地検討に続き、会場を移して意見交換も行い、学識経験者からは、「今回の調査箇所からは道東地域のような、累積した影響はまだ見られないが、今のうちから影響を継続的に調べ、データとして蓄積していくことが重要」、「エゾシカチェックシートについては、集まったデータの評価手法について今後検討していかなければならない」、「既存データと現在進めている調査データを重ね合わせることによって、この地域のエゾシカによる影響の全体像が見えてくるので、さらに工夫を重ねて欲しい」など、今後の調査・検討に向けたアドバイス等をいただきました。
検討会では今後、60箇所のモニタリングサイトにおける、森林に与えている影響の評価、影響調査との比較等による簡易影響調査の品質評価など、北海道森林管理局がエゾシカ対策を進めるに当たって必要な分析や提言などをまとめていくことにしています。
(保全調整係長 中鍵 貴之)
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