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知床永久の森林づくり協議会 共催イベント
「まるごと体験!?エゾシカ対策!!」 ~巨木とのふれあいから考える。知床の森のこれからを~ 平成24年6月23日開催
知床の森林生態系に対して樹皮食害などをはじめ大きな影響を及ぼしているエゾシカに関連する様々な体験を通して、 森林保護活動の必要性やエゾシカの資源としての有効活用について学ぶイベントを開催しました。
まず始めに、東京農業大学オホーツク実学センター長の黒瀧秀久氏(生物産業学部教授)を講師として 「知床の森林資源を地域経済にどう活かすか」をテーマとした講義を行いました。
同大学で取り組んでいる、エゾシカを地域資源と位置付け、生態から養鹿、加工、流通を総合的に学習するプログラムについての説明や、 資源としての森林を活用した森林エコツーリズムについての話がありました。
樹皮食害を防止するためのネット巻き体験では、参加者からエゾシカの食害を受けやすい樹種についての質問があり、 ニレやイチイ、キハダを始め、近年では多くの樹種に広がる傾向が見られることなどを解説しました。
参加者は、樹木保護対策の苦労を感じつつその意義や必要性を実感している様子でした。
(株)知床エゾシカファームにおいては、一時養鹿のための育成牧場を見学しながら、 同社の捕獲、一時養鹿、食肉加工、販売といった事業内容や運営にあたっての課題などについての話を聞きました。 移動式囲い罠。 流通だけでなく、その背後にある「捕獲」についてもあらためて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
当初の予定では、この後ツリーイング(ロープワークによる木登り)体験(希望しない場合は植樹体験)を行う予定でしたが、 雨天によりツリーイング体験の安全確保が困難となったため、当センターに戻って草木染めを行いました。
冒頭、エゾシカをテーマとする今回のイベントで何故「草木染め」なのかについて、染液の素材として用いるハンゴンソウが、 エゾシカ生息頭数の爆発的増加を背景としてその餌としての不嗜好ゆえ繁茂するようになった現状について解説しました。
代替プログラムではありましたが、この作業を楽しむことを通じて、その素材の背景にある知床の森の現状について 多少なりとも持ち帰っていただけたのではないでしょうか。
エゾシカ個体数調整のための取り組みは、現在様々な機関や団体などによって必死の取り組みがとられているところですが、 積極的に有効活用していくことへの理解が広まれば、個体数調整の取り組みに対する追い風になり、 ひいては未来の知床の森を護ることに繋がるはずです。
本日の体験を通して、少しでも多くの方々に森林保護活動の必要性やエゾシカの資源としての有効活用に対する理解が広がり、 そして深まっていけば幸いです。
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知床森林生態系保全センター
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