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北海道森林管理局

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    知床森林生態系保全センターブログ(2018年8月)

    8月7日(火曜日) ヒグマ個体群トレンド調査、一段落

    6月より実施していた今年度の「ヒグマ個体群トレンド調査」が8月をもって終了しました。
    これから各機関で収集したデータをもとに、知床ヒグマ対策連絡会議により解析されます。 

    ここでは、調査をひと通り終えてみての所感を述べたいと思います。

     (1)糞カウント調査

    林道コースを車両で低速で走行し、ヒグマ糞を発見したら記録していく方法で行いました。
    糞がどのくらい経過したものなのか、また、どのようなものを食べているかをチェックしました。

    オオブキが路肩に茂る林道
    林道にはオオブキの葉やほかの動物の糞など紛らわしいものも多く、
    じっくり目をこらして糞を探します(クリックで拡大)
    (※この写真に糞は写っていません)

    当局では知床半島の5コースの林道を担当しましたが、林道ごとのバラツキが大きく、まったく糞が見当たらない林道もあれば、1kmあたり5個と頻繁に確認できた林道もありました。

    糞の内容物は草本類がメインで、この時期のヒグマはオオブキやイラクサなどを食べて過ごしていることが推察されます。これからサケの遡上が始まり、さらにドングリやサルナシの実など秋の食物源が実ることから、糞の内容物も変化していくことでしょう。

     (2)自動撮影カメラ調査 

    各林道に自動撮影カメラを設置して動画を撮影しました。
    当ブログ用に動画の一部を切り取ってご紹介します。

    片耳が欠けているヒグマ
    片耳が欠けているヒグマ(クリックで拡大)

    ヒグマはどの個体も同じように見えて実は個性が豊かです。
    顔だけではなく、体毛の色や月輪の有無などさまざまな手がかりをもとに個体を識別することができます。

    木の幹に背中をあて上下に動いている
    (クリックで拡大)
    とあるオスグマは木の幹に背中をスリスリしていました。

    この行為は「背こすり」と言われるマーキング行為の一種です。
    自分のにおいをこすりつけることで、自分の強さをほかのオスやメスにアピールしているそうです。
    メスはにおいを嗅ぐことで強いオスかどうか分かるようです。

    同じくスリスリしている
    (クリックで拡大)
    約1ヶ月後に同じ木でまた別のオスグマによる背こすりも見られました。
    光により分かりづらいですが、先ほどのオスグマにはあった月輪がありませんので、別のオスグマと言えます。

    子グマが立って歩いている
    母グマと子グマ2匹(クリックで拡大)
    親子連れもいました。
    子グマは1才ぐらいと思われます。

    なお、撮影によるヒグマの出現数と先ほどの糞カウント数に相関があるのではと思いましたが、糞が見当たらなかった林道でもヒグマが多く撮影されており、一概にそう言えませんでした。

    この調査は来年以降も継続して実施予定ですので、どのような結果が得られるのか期待が膨らみます。

    お問合せ先

    知床森林生態系保全センター

    〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東番外地
    ダイヤルイン:0152-24-3466
    FAX番号:0152-24-3477