知床森林生態系保全センターブログ(2018年7月)
7月25日(水曜日) 自動撮影調査でのハプニング
森林総合研究所北海道支所と当センターが協力して行っている自動撮影調査ですが、現在は、カメラが正常に作動しているかどうか1~2週間おきに点検をしているところです。
ところが先日、1台のカメラがなくなっていました。
何者かによって壊されてしまったようです
カメラは、ぼろぼろになった姿で地面に落ちていました
カメラのデータを確認すると、最後に撮影されたのはヒグマでした。
全体的に黒っぽいヒグマ
カメラは幸いにも軽い破損で済みましたが、林道沿いとはいえ、ヒグマの生息地にお邪魔しているので、我々も山に入るときはヒグマ対策を怠ってはいけないと感じた出来事でした。
7月7日(土曜日)東京農業大学「オホーツク学」体験実習
7月に入りましたが、ウトロでは雨が多くて肌寒い日が続いています。
そんな中、東京農業大学オホーツクキャンパスの学生及び教員6名が来所し、体験実習を行いました。
当日は曇りで、雨に濡れることなく実施することができました。
はじめに当センターで行っているエゾシカ対策などの説明をした後、囲いわなを見学しました。
囲いわな内部の様子
続いて「宇登呂イチイ遺伝資源希少個体群保護林」に移動し、エゾシカの樹皮剥ぎを防ぐために樹木にネットを巻きました。
この保護林はイチイの遺伝資源を保存するために指定しましたが、20年ほど前からエゾシカの樹皮剥ぎ食害が顕著になりました。
この被害を防ぐために、2009年に防鹿柵(ぼうろくさく)を設置しました。
今回は、防鹿柵の外に生えている樹木を保護するために、ネットを巻きました。
はじめに樹木の周囲長を測ります
周囲長に合わせた長さにネットを切ります
ネットを巻いて、結束バンドで留めます
ネットを縦に2段巻にすればバッチリです
積雪があると、ネットより高い位置で樹皮剥ぎされてしまうことがあるため、ネットを2段巻にしました。
地道な作業ですが、毎年の実習の積み重ねで多くの樹木にネットを巻くことができました。
東京農業大学の皆さん、ありがとうございました。
お問合せ先
知床森林生態系保全センター
〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東番外地
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