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北海道森林管理局

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    平成29年度調査

     塩狩採種園(和寒町)の着果調査及び員数調査(平成29年6月20日、21日)

    平成29年6月20日から21日の日程で上川北部森林管理署管内の塩狩トドマツ採種園にて着果調査及び員数調査を行いました。調査は林木育種センター北海道育種場、北海道森林管理局技術普及課、上川北部森林管理署及び留萌南部森林管理署の関係職員が合同で行いました。採種園では遺伝的に優れた種子を安定的に供給するため全道各地から集めた精英樹(成長や形質の特に優れた個体)を採種園内に植栽しています。
    「着果調査」は、採種園内に植栽された対象木の着果状況を1~5の5段階で評価し豊凶を判断していきます。調査結果は、林木育種センター北海道育種場のホームページに掲載され、種苗生産者等へ情報提供していきます。ちなみに、昨年度(平成28年度)に実施した塩狩トドマツ採種園の着果調査では、平均評価値が1.3で判定は「凶作」でした。
    また、「員数調査」は、間伐実施後に行う植栽木の配置と本数を確認する作業です。塩狩採種園では昨年の冬に間伐を実施したことから、配置図と現地を見比べながら対象木の状況を確認していきます。

    枝葉に隠れた球果を見逃さないために1本を複数人で確認します。
    枝葉に隠れた球果を見逃さないために1本を複数人で確認します。

    今年は着果状況も良好で評価「3」「4」が多く見られました。
    今年は着果状況も良好で評価「3」「4」が多く見られました。

    昨年冬に間伐された採種園の林内
    昨年冬に間伐された採種園の林内

    採種園の配置図(1本ずつに番号と産地が記載されています)
    採種園の配置図(1本ずつに番号と産地が記載されています)

    【調査を終えての感想】
    着果調査及び員数調査を体験した者からは、「最初は着果の判断が難しかったが、とても勉強になり有意義な時間となりました。」、「着果具合が良く、目視でも確認できる程だったので調査しやすかったのではないかと思います。ただ、着果評価5が1つも見当たらなかったのは残念でした。一度は見てみたいと思います。」との感想がありました。
     
    【全体を通して】
    今年は全体的に、球果となる雌花の着生状況がよく、評価を「3」か「4」で迷うことも多々ありました。最近の数年間は「並下」「凶作」であることが多かったため、今回の調査をみて「豊作」の周期が来つつあるのかもしれないと思いました。また、塩狩採種園には侵入木となる広葉樹が少なかったため、視界を遮られることなく調査することが出来ました。
    最後に、林木育種センター北海道育種場の皆様におかれましては、今回の調査にあたって初心者にも優しく丁寧に指導してくださりありがとうございました。

    銀山採種園(仁木町)と発足採種園(共和町)の着果調査(平成29616)

     

    平成29年6月15日、石狩森林管理署管内の銀山採種園(仁木町)及び後志森林管理署管内の発足採種園(共和町)において、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林木育種センター北海道育種場の方々の指導のもとトドマツの着果調査を実施しました。午前中に行った銀山採種園の調査は北海道森林管理局から4名が参加し、午後から行った発足採種園の調査はさらに後志森林管理署から7名の職員が合流しました。今回の調査目的は、採種園の利用者である種苗生産者等に対して採種園の豊凶情報の提供を行うためです。

    着果調査の具体的な方法は、双眼鏡等を用いてトドマツの樹冠全体を、後に球果(いわゆるマツボックリ)となる「雌花」の量を観察し、5段階評価で豊凶の判定を行います。全く着果が見られない場合を「1」として、1個でも着果していたら「2」となります。頂部から4分の1の範囲で着果していると「3」、頂部から3分の1の範囲で複数の枝に着果していると「4」、頂部から2分の1の範囲で多くの枝に着果していると「5」になります。 複数の調査木の平均評価で、「5」が「豊作」、評価3が「並作」、評価1が「凶作」となります。


    調査結果に個人差による誤差が出ないようにまずはみんなで目合わせを。


    熟練者(局)の方は球果を見つけるのが早い。



    銀山採種園では広葉樹の侵入が多く、様々な角度からチェックしました。



    丸で囲んでいるところには、たくさんの球果がついています。



    拡大してみると・・・

    見えましたか?

    着果調査が終わった後は超音波樹高測定器や電子輪尺の使い方を教えていただきました。

    超音波樹高測定器は水平距離と斜距離から自動的に計算して樹高を出してくれます。


    電子輪尺は胸高1.3メートルに合わせて測り、ボタンを押すと胸高直径を出すことができます。
    どちらも便利な道具でした。

    【調査を終えた感想
    一日を通して雨が降っていたため、双眼鏡が曇ったり、視界が悪かったりと苦戦することもありましたが、一つひとつ球果を見つけるのは宝探しのようで楽しく調査をさせていただきました。ゆくゆくは熟練者の方々のように素早く見つけられるようになりたいです。
     
    【全体を通して
    本調査のご指導をしていただいた北海道育種場の皆様ありがとうございました。今年のトドマツの雌花は着果しているものが比較的多く、「4」以上「5」未満と評価できる調査木もありました。調査結果としては、銀山採種園では評価「2」、「3」のものが多く、発足採種園では「3」、「4」のものが多い結果になりました。一昨年も昨年も「凶作」でしたが、今年は実りの秋が楽しみです。

    お問合せ先

    森林整備部 技術普及課
    担当者:企画官(技術開発)、技術開発主任官、技術係長
    ダイヤルイン:050-3160-6285