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9月の日記

林業専用道技術者研修

准フォレスター研修

 

過去の日記 

平成23年8月

平成23月7月

 

 森林・林業再生プランを実行する人材の育成

    森林・林業再生プランのポイントは、戦後造成し、現在充実しつつある森林資源を有効に活用するとともに、無秩序な伐採の抑制や適切な更新を確保し、持続可能な森林経営を実現していくため、新たな森林計画を実効あるものとすることです。

    そのためには、市町村森林整備計画の策定や森林経営計画(仮称)の認定・実行監理など森林計画制度の運用を現場で担う市町村を技術面から支援する新たな人材として、高度な知識・技術と豊富な実務経験を有するフォレスターの育成と活用が不可欠なものとなっています。

    また、対象区域内の森林所有者をまとめ森林経営計画(仮称)を作成するキーパーソンになる森林施業プランナーや森林作業道を地形、地質等の現地の条件に応じて開設したり高性能林業機械を操作したりするオペレーターなどの現場の技術者・技能者の育成が不可欠となっています。

     このような中、平成23年度以降、北海道森林管理局は、森林・林業再生プランを踏まえ、国有林野の多様な立地を活かして、北海道における森林経営のニーズに最も適した研修フィールドや技術を提供することなど集合研修(准フォレスター研修、林業専用道技術者研修)等を実施し、人材を計画的に育成していく予定です。

 

フォレスターとは

 「フォレスター」は、市町村森林整備計画の策定支援を通じて、地域の森林(もり)づくりの全体像を描くとともに、市町村が行う行政事務の実行支援を通じて、森林所有者等に対する指導等を行う人材です。

    フォレスターの育成には一定の期間を要するため、平成25(2013)年度からの資格認定を目指し、それまでの間は、「准フォレスター研修」を受けた者が市町村森林整備計画への支援業務を行うこととしています。

 

准フォレスター研修

    准フォレスターとは、フォレスターが認定され本格的に始動するまでの間、都道府県職員や国職員等のうち森林計画制度に関する研修(准フォレスター研修)を受けた者を認定するものであり、市町村森林整備計画の策定等の支援業務を行います。

    研修では、市町村森林整備計画の概要、市町村森林整備計画演習、路網と作業システム、路網線形計画、森林施業の集約化、森林経営計画の概要、森林経営計画作成演習、森林整備企画演習(路網整備等効率的な施業構想の策定)、森林施業における労働安全、木材流通・販売等の多岐にわたるカリキュラムを受講し、准フォレスターとして必要な知識と技術を習得します。

 

林業専用道技術者研修

    林業専用道とは、森林づくりを進めていく上で欠かす事のできない路網づくりにおいて、幹線となる林道を補完し、森林作業道と組み合わせて、森林施業の用に供する道路をいい、従来の林道と比較して、地形に沿った屈曲線形及び波形勾配を採用して土工量の軽減を図り、簡素な構造を目指す新たな林道です。

    研修では、林業専用道を作設していくために必要な知識、技術を講義、演習及び現地での検討等を通じて習得します。 

 

関連情報リンク

 

 

 

 

 

このブログでは、森林・林業再生プランを実行する人材を育成していくために実施している、「准フォレスター研修」及び「林業専用道技術者研修」の様子を日記形式でお伝えしていきます。 

林業専用道技術者研修(第2コース)

2011年9月5日~7日

大雨で実習中止~でも中身の濃い演習を行いました~2日目(平成23年9月6日) 

台風12号から変わった温帯低気圧と台風13号に囲まれた今日の札幌は、大雨・洪水警報が発令中。

記録的な豪雨の影響で北海道森林管理局がある札幌市の中心部を流れる豊平川の水位は一時、避難判断水位である8.2メートルを超えるような状況。

実習地へ通じる道道も通行止めとなり、現地実習は残念ながら中止になりましたが、代替カリキュラムとして課題演習を行いました。

 

島松作業道を林業専用道として設計を見直すためのポイントの検討と発表

島松作業道の解説

当初の予定では恵庭市にある島松作業道を実際に歩きながら、昨日の検討結果を検証することになっていましたが、現地へ行けなくなってしまった事から、あらかじめ雨天用に用意していた現地の写真などの資料を用いた演習等を行いました。


グループ内での意見のとりまとめ

受講生のみなさんは、配布された島松作業道の完成写真やスライドを見ながら、昨日検討を行った「林業専用道として設計する上で見直すべき点」について検証作業等を行い、その結果をグループ毎にとりまとめ、発表を行いました。

 

検証結果の発表1

各グループからは、カーブの曲線半径再検討、切土・盛土を減らした経済的な設計、線形の見直しによる急勾配の緩和方法などについての発表が行われました。

これらに対して、他のグループからは対案などの意見や技術的な質問が出されるなど、技術者のみなさんならではの中身の濃い議論が行われました。

 

 見直すべき点などについて解説する講師

講師からは、平面図で着眼ポイントを示しながら、土工量を減少させるための考え方や、それらと関連づけた地形条件を勘案した曲線部分の拡幅、複合カーブの設置方法、不陸均し、残土処理、車回しの配置、橋梁を設けずに渓流を渡るための「洗越工」(あらいごしこう)を検討する際の留意点などについての詳細な解説が行われました。

 

森林資源、地形追従、使いやすさを兼ね備えた林業専用道のルート案検討と発表


検討したルート案を発表する受講生

午後からは、昨日、林業専用道の起点のみが示された図面、衛星写真などの資料を見ながら、周囲の森林資源の状況、林業活動への使いやすさを等を考えた上で、ルート案を検討した盤尻作業道についての演習、発表、討論を行いました。

検討したルート案の発表はグループ毎に行い、他のグループからは、そのルート案の良い点、再検討すべき点などについて意見や質問を受ける形で進められました。

また、講師からは、区域内の森林整備に使いやすいものとするにはどのようなルートを取ればいいのか、また将来の森林整備のために路線が延長されることも見据えた検討の必要性などについての解説も行われました。 

 

盤尻作業道を林業専用道として設計を見直すためのポイントの検討と発表

 

盤尻作業道についても、午前中の島松作業道と同様の見なおし作業を行いました。

各グループではこれまでの演習で習得したものを総動員して検討を行い、発表に臨みました。

検討結果を発表する受講生 

「多数設置されている木製開渠は波形線形による路面排水を採用することで不要となるのではないか」、「も路面の中心位置をずらすだけで切土をせずに勾配を緩和できる箇所がある」、「フォーメーションの変更で林地へのアクセスが向上する箇所がある」、「曲線半径を検討し直す事で土工量を減らすことができる」といった、林業専用道の設計の必須条件であるコスト削減、壊れにくい、使いやすさなどを実現していくための方策が多数発表されました。

また、「さらにこうすれば良くなる」、「ここはもう少し工夫した方がよいのではないか」といったアドバイスや意見も受講生から出され、さらに講師が解説を加える場面もありました。


今日は荒天のため現地実習が中止とはなりましたが、その分、中身の濃い演習、議論などが行われ、最終日の「まとめ」につながっていく大変有意義な1日となりました。

 

Posted by 指導普及課|2011.9.6|林業専用道技術者研修
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