ホーム > 政策情報 > 事業概要 > 民有林との連携 > 森林総合監理士(フォレスター)の育成・活動への取り組み > フォレスター研修日記 > 平成23年8月の日記 > 市町村森林整備計画演習(ゾーニング)~4日目(平成23年8月4日)


ここから本文です。

フォレスター研修日記タイトル

最新の日記へ 

8月の日記

准フォレスター研修

林業専用道技術者研修

過去の日記

 平成23月7月

 

 森林・林業再生プランを実行する人材の育成

    森林・林業再生プランのポイントは、戦後造成し、現在充実しつつある森林資源を有効に活用するとともに、無秩序な伐採の抑制や適切な更新を確保し、持続可能な森林経営を実現していくため、新たな森林計画を実効あるものとすることです。

    そのためには、市町村森林整備計画の策定や森林経営計画(仮称)の認定・実行監理など森林計画制度の運用を現場で担う市町村を技術面から支援する新たな人材として、高度な知識・技術と豊富な実務経験を有するフォレスターの育成と活用が不可欠なものとなっています。

    また、対象区域内の森林所有者をまとめ森林経営計画(仮称)を作成するキーパーソンになる森林施業プランナーや森林作業道を地形、地質等の現地の条件に応じて開設したり高性能林業機械を操作したりするオペレーターなどの現場の技術者・技能者の育成が不可欠となっています。

     このような中、平成23年度以降、北海道森林管理局は、森林・林業再生プランを踏まえ、国有林野の多様な立地を活かして、北海道における森林経営のニーズに最も適した研修フィールドや技術を提供することなど集合研修(准フォレスター研修、林業専用道技術者研修)等を実施し、人材を計画的に育成していく予定です。

 

フォレスターとは

 「フォレスター」は、市町村森林整備計画の策定支援を通じて、地域の森林(もり)づくりの全体像を描くとともに、市町村が行う行政事務の実行支援を通じて、森林所有者等に対する指導等を行う人材です。

    フォレスターの育成には一定の期間を要するため、平成25(2013)年度からの資格認定を目指し、それまでの間は、「准フォレスター研修」を受けた者が市町村森林整備計画への支援業務を行うこととしています。

 

准フォレスター研修

    准フォレスターとは、フォレスターが認定され本格的に始動するまでの間、都道府県職員や国職員等のうち森林計画制度に関する研修(准フォレスター研修)を受けた者を認定するものであり、市町村森林整備計画の策定等の支援業務を行います。

    研修では、市町村森林整備計画の概要、市町村森林整備計画演習、路網と作業システム、路網線形計画、森林施業の集約化、森林経営計画の概要、森林経営計画作成演習、森林整備企画演習(路網整備等効率的な施業構想の策定)、森林施業における労働安全、木材流通・販売等の多岐にわたるカリキュラムを受講し、准フォレスターとして必要な知識と技術を習得します。

 

林業専用道技術者研修

    林業専用道とは、森林づくりを進めていく上で欠かす事のできない路網づくりにおいて、幹線となる林道を補完し、森林作業道と組み合わせて、森林施業の用に供する道路をいい、従来の林道と比較して、地形に沿った屈曲線形及び波形勾配を採用して土工量の軽減を図り、簡素な構造を目指す新たな林道です。

    研修では、林業専用道を作設していくために必要な知識、技術を講義、演習及び現地での検討等を通じて習得します。 

 

関連情報リンク

 

 

 

 

 

准フォレスター研修(第1週・第2コース)

平成23年8月1日~5日  

市町村森林整備計画演習(ゾーニング)~4日目(平成23年8月4日)

(講師:北海道大学 柿澤教授  澁谷准教授、東京大学 酒井教授、林野庁計画課、北海道森林管理局計画課)

 

4日目は、市町村森林整備計画演習(ゾーニング)が行われました。

森林のゾーニングとは、各地域の森林毎に期待される役割区分を設定していく作業です。
各市町村が行うことになるこの作業へ、技術的支援、指導・助言することもフォレスターの重要な仕事です。

林野庁 岩田氏の講義

森づくりを進めるにあたり、地域の理解と協力を得るためには、その地域の森林において期待される機能を明らかにした上で森づくりの方向性を出すことが重要です。

この演習では、地域の自然的、社会的条件を背景として、発揮が期待される機能に応じた地域の森づくりを進めて行くために、各地域の森林のゾーニングについて検討する手順、ポイントを習得することがねらいです。

演習に先立ち、まず林野庁計画課の岩田森林調査技術専門官からゾーニングにおける森林の機能区分、各区分を行う際の考え方などについて解説を受けました。 

 

北海道大学 柿澤教授の講義2

続いて、北海道大学 柿澤教授から「市町村森林整備計画策定」についての講義が行われました。

ゾーニングを行うのは地域でよりよい森づくりを目指すためであり、そのためには市町村や住民のみなさんにこの「市町村森林整備計画」の重要性を認識してもらい、森林のマスタープランとしての位置づけを獲得することが課題である。

そのためにも、計画策定のプロセス、合意形成が大切であり、そのためフォレスターはより良い計画策定・実現に向けた条件整備を行っていく大切な役目を担っているとの説明がありました。

 

資料を調査中3

ゾーニングは、目標林型への誘導を図り、地域における望ましい森林の姿についての合意形成を図り、地域の森づくりの実現へつなげていくベースとなるものであり、いろいろな情報を多角的に検討し作成する必要があります。

演習では、同じ地域を教材に、研修生が2班に分かれてゾーニング作業を行いました。

 

資料を調査中2

各班では、教材(約3000ヘクタールの地域)を各人毎に担当地区を分け、森林調査簿、林種区分図、樹種別区分図、傾斜区分図、地質図、衛星写真などの資料を読み解くことから始めました。

何種類もの資料を見比べながら構想を練っていきます。

 

資料を調査中4

森林調査簿を読み上げ、となりでは図面にマーキング。

 

資料を調査中6

補助資料やメモを作成しながら、考えをまとめて行きます。

 

講師からの助言を受ける研修生

講師から助言を受けながら検討する研修生。

 

グループ内の打ち合わせ

各担当地区のゾーニング案がまとまると、班内で発表、検討し合い、地域全体としての調整を図っていきます。


 図面にゾーニングを記入中

調整が終わると、地域全体図にゾーニング区分の色分け作業を行いました。

 

さらにグループ内で調整中

できあがったゾーニング区分図を再検討して、微調整を行い、発表へ向けての準備です。

 

ゾーニング案の発表1 

各班、持ち時間15分でゾーニング案の発表を行いました。

発表では、水源の涵養・山地災害防止・木材生産・生物多様性への配慮など、ゾーニング決定の際に考慮した事項や、地域での合意形成の方法などについてどのように検討したかなどについて、説明がありました。

 

発表後は各講師から講評と詳しい解説が行われ、「住民へのわかりやすさを優先するには特に重視する機能を前面に出し、大きなくくりで簡易なゾーニングをすることも検討する必要がある」、「ゾーニングは万能ではなく、計画本体に施業上の留意点を書き込んでいくことが必要」、「計画への地域理解を得るには、その理由を十分説明できる事が重要。十分なデータ収集を行い、併せてプレゼンテーション能力の向上に努めてほしい」、また、「地域の情報を収集する事が合意形成への第一歩である」といったアドバイスをいただきました。

 

研修生からはこれまでの演習を通じて、准フォレスターとして必要な考え方や取り組んでいかなければならない仕事が、大分見えてきたとの感想も聞かれるなど、大変有意義な一日となりました。

 

明日は研修第1週(5日間)の最終日です。

「目指すフォレスター像」についての意見交換、研修第2週(10月24~28日)に向けた課題の説明などが行われます。 

 

 

Posted by 指導普及課|2011.8.4|准フォレスター研修

このblogのトップへ前の日記へ次の日記へ

 

  

お問い合わせ先

計画保全部保全課
ダイヤルイン:050-3160-6285
FAX:011-622-5235

Adobe Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。