ホーム > 報道・広報 > 報道発表資料 > エゾシカが天然林に与える悪影響は全道化する兆し
平成23年5月31日
北海道森林管理局
エゾシカによる農林業被害額が再び増加していますが、森林における被害はその把握の難しさなどからあまり明らかにされていない状況にあります。 そこで、平成22年度、道内各地にある森林事務所に配属された森林官が中心となって、管轄する森林(天然林及び人工林)にどのような影響が生じているかを把握するための簡易な調査を実施しました。 この度、同調査のうち天然林における調査の結果をとりまとめましたので、お知らせします。 |
所要のチェックシートを用いて食痕等の状況を把握
天然林1,054箇所、人工林2,234箇所(合計3,288箇所)
北海道森林管理局では、上記の簡易調査のほかに、平成21年度から専門的なコンサルタントに委託して詳細な影響調査も実施。
昨年度は、道内3地域(宗谷、空知、檜山)において20地点ずつ調査区を設けて詳細な天然林調査を実施。その結果、
(1)宗谷地域では、釧路地域などに比べれば低いレベルではあるものの、強い影響を受ける箇所が出始めていること
(2)空知地域では、比率は高くないものの樹皮剥ぎが広範に見られること、
(3)檜山地域では、ほとんどの地点ではエゾシカの影響はみられないが、稚樹などが多く食べられている地点もあること
が判明。これらの結果は、簡易調査結果とほぼ一致。
(1)今後も引き続き全道規模での簡易調査とあわせて3~4地域を対象とする詳細調査を実施し、エゾシカによる森林への影響を的確かつタイムリーに把握していく考え。
昨年度は天然林を中心に分析したことから、人工林に与える影響については、本年度の調査結果もあわせて分析し、公表する予定。
(2)本調査の結果については、可猟期間中における銃猟開放区域の設定や、シカ猟のための除雪対象林道の選定などに活用するとともに、関係機関にも情報提供していく予定。
また、様々な分析も可能と考えられることから、今後、広く調査データを公開していく予定。
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