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第1回森林再生小委員会 議事要旨

「第1回森林再生小委員会」が平成16年 2月17日(火曜日)に釧路地方合同庁舎にて開催されました。
委員会には、構成員39名(個人14名、団体12団体、オブザーバー5団体、 関係行政機関8機関)のうち、31名(個人8名、団体10団体、オブザーバー 5団体、関係行政機関が 8機関)が出席しました。また、その他一般の方も多数参加されました。
当日は、議事の進行に先立ち、出席委員により小委員会委員長の互選が行われ、中村太士委員(北海道大学大学院農学研究科教授)が委員長に選出されました。
その後、委員長の進行により、“全体構想と小委員会の関わり”と“これまでの調査・検討経緯、今後の調査・検討方針”について討議が行われました。討議では、各委員の意見をどのように協議会に反映されるかなど、小委員会のあり方や今後の検討方針について議論がなされました。

 

委員長の選出について

協議会設置要綱第10条第3項に基づき、小委員会出席委員の互選により中村太士委員(北海道大学大学院農学研究科 教授)が森林再生小委員会の委員長に選出された。

(委員長)

釧路湿原の自然再生は流域レベルで検討しなければ、コアである湿原や湖沼部分を守ることはできない。森林再生小委員会は、水源地である釧路湿原流域全体25万ヘクタールを対象とした森林再生について、議論していく委員会であるので、ある意味で最も重要な部分を扱っている委員会であるといえる。

全体構想と小委員会の関わりについて

釧路湿原自然再生事業における森林再生小委員会の目的や役割、全体構想の骨子案と同構想への小委員会での検討内容の反映等について事務局より説明が行われた。

これまでの調査・検討経緯について

達古武地域と雷別地区におけるこれまでの調査・検討内容とその成果についての説明が事務局より行われた。 その後、達古武地域・雷別地区での取り組み状況をきっかけとして、釧路湿原流域全体における森林再生のあり方や森林再生小委員会の役割などを中心に、議論が行われた。

(委員)

釧路湿原全体をどういうふうに保全、再生していくか。破壊から守っていくかということを具体的に決議できるような方向にこの小委員会で検討していただきたい。

(委員長)

各小委員会が縦割りになってしまってはいけないので、ある段階では、全ての委員会を網羅した議論をしていかなければならない。その時には、釧路湿原流域全体の問題として、どこを保全するのか、どこを優先的に復元するのかを社会に対して説明をしなければならない。

(委員)

流域全体というくくりで森林の再生を考えたとき、釧路湿原の集水域がどこなのかという全体像を地図で示したり、各委員が頭の中に描いておくと同時に、常に流域全体を見渡す視点が、大事になると思う。

(委員)

各小委員会でのデータを誰でも利用できるようなシステムを作っていただきたい。単純にデータの共有化をするだけではなく、組織的にも小委員長が集まるとか、小委員会を横断する共通な土俵づくりのようなものをお願いしたい。

(委員長)

釧路湿原流域全体でいろいろな林相図も含めて、今現在、森林管理局が所有している国有林に関するデータを流域全体の森林環境を把握するための共有データとして提供していただきたい。

(委員)

再生事業全体についても必要なことだと思うのだが、具体的な再生の目標になるようなものを、みんなが共通認識として持つということが大事だと思う。また、分かっていない不明確な部分も、これからの再生事業の中で明らかにしていくことも大事だと思う。

(委員)

そういった意味からも、今後の小委員会では、事前に詳細なデータを出してほしい。また、湿原周辺の丘陵地は火山灰地で、どうしても土砂が流出しやすい条件にあり、湿原への土砂流入を防止することは非常に重要なことだと思う。その為、森林再生であるならば土砂流出を防止するために、植栽するとすれば、どういうところを急ぐ必要があるのか、そういうことを考えた調査の方法を湿原全域について検討してもらいたい。

(委員)

達古武地域は釧路湿原流域全体から見ると非常にコンパクトな集水域で、まずモデル的に集水域全体を調査して、土砂流出などの観点から再生を急ぐ場所などを選んで、パイロット的にやり始めたが、こういった考え方を更に流域全体で広げていって、流域全体の森林の質を上げていくような形に繋げていけたらいいと考えている。

(委員)

達古武地域では環境省でカラマツ林を自然林に転換する試みを始めたようだが、残っている広葉樹を母樹群として利用するのであれば、種子を散布する風や動物がいるかどうかを見極める必要がある。また、苗木を植栽する場合は、十分なシカ対策をすれば播種や笹の中の実生を刈り出してやりさえすれば、かなり自然の回復力を助けることが出来ると思う。積極的に人間の手を入れて、様子を見る。そういう努力を期待したい。

(委員)

達古武地域では、モデル地区を3箇所選定しているが、これは事業を行いやすい場所として選定しているのでしょうか。また、達古武流域全体を見たとき、対策を急がなければならない場所ではあるが、事業が行いにくい場所というのはあるのでしょうか。

(事務局)

再生事業を行う場合、自然環境の条件のみで事業地を決めることはなかなか難しいところがあり、土地所有などの社会的条件も踏まえなければならない。今回のモデル地区3箇所については、これらを考慮したうえで、再生を急ぐべき場所として選定した。

(委員)

達古武地域では、遺伝子攪乱防止のために達古武の集水域内で採種・育苗した苗木を使用することとしているが、実際のところどの程度の範囲まで採取した種子を使用するのが可能なのか専門家の方々の意見を聞きたい。

(委員)

花粉は随分飛ぶし、種子も動物に運ばれて移動することもある。ただ、遺伝子汚染の問題が出てきてからは、植栽地に出来るだけ近くから採種するようになってきている。はっきりとは分からないが、釧路支庁管内ぐらいまでは、良いのではないかと思う。また、苗畑の土壌と植栽地の土壌は異なるので、植栽に当たり、微生物や土壌生物が移ることも心配なので、その辺も配慮して森林再生を図る必要があるのではないかと思う。

(委員)

釧路湿原流域で利用されていない土地や民有地を買い上げて森林化していただきたい。そういうのもこれからの新しい事業の一つの方向に持っていってもらいたい。

(委員)

一番問題なのは、これだけ広大な湿原の周りにある私有地を、どのように守っていくのかということになると思う。これらの皆さんに、保全・再生への協力をお願いできる環境づくりが必要である。

(委員長)

これはみんなの意識の問題だと思う。行政が再生のために民有地を買うというのは、分かりやすいが、本質が地域からますます離れていくことになりかねない。例えば、流域全体の環境を示したマップなどで、「実はあなたの居る場所は、こういう重要な場所だ」ということを知らせることができれば、保全・再生についての意識は、徐々にボトムアップ的に出てくるものだと思う。

今後の調査・検討方針について

(事務局)

平成16年度以降、達古武では、今まさに崩れているようなところは、手をかけて食い止めるというようなことを、実験的にでもどんどんやっていきたいと思っている。

(委員長)

全体計画ができるまで何もしないのではなく、やれるところ、今明らかに困っていて、問題があるところは、順次事後報告で構わないので、手をかけていただければと思う。

(委員)

斜里町の100m2運動ではないけど、釧路湿原周辺でも関連する市町村がそのようなものをつくって、国や道が支援できる方法についても、今後検討していただけるとありがたい。

(委員長)

次回は達古武地域の今現在あるカラマツ林をどう生かすかということも含めて、もともと所有していた人たちの意見をきいて、なるべくなら当小委員会を現地で行いたいと思う。

 

第1回森林再生小委員会 資料

ary02 ico_pdf12 この議事要旨の PDF 版(PDF:13KB)

 

ary02 ico_pdf12 a. 表紙、議事次第、委員名簿、目次(PDF:21KB)

ary02 ico_pdf12 b. 全体構想と小委員会との関わりについて(PDF:184KB)

これまでの調査・検討経緯について

ary02 ico_pdf12 c. 達古武地域森林再生について(No.1)(PDF:3,390KB)

ary02 ico_pdf12 d. 達古武地域森林再生について(No.2)(PDF:6,358KB)

ary02 ico_pdf12 e. 達古武地域森林再生について(No.3)(PDF:1,041KB)

ary02 ico_pdf12 f. 雷別地区における釧路湿原環境保全について(PDF:1,045KB)

今後の調査・検討方針について

ary02 ico_pdf12 g. 達古武地域森林再生について(PDF:148KB)

参考資料

ary02 ico_pdf12 h. 資料:達古武地域森林再生・平成14年度までの調査・検討(実務会合資料)(PDF:2,444KB)

ary02 ico_pdf12 i. 参考資料:釧路湿原自然再生協議会設置要綱・釧路湿原自然再生協議会運営細則(PDF:17KB)

 

ニュースレター

ary02 ico_pdf12 ニュースレターNo.1(表面)(PDF:1,067KB)

ary02 ico_pdf12 ニュースレターNo.1(中面)(PDF:1,161KB)

お問い合わせ先

釧路湿原森林ふれあい推進センター 
担当者:(所長)中島章文
ダイヤルイン:0154-44-0533
FAX:0154-41-7305

〒085-0825 釧路市千歳町6番11号
Tel:0154-44-0533 Fax:0154-41-7305

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