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こんにちは森林官です!

広大な国有林の最前線・森林事務所に勤務し、国有林を守り育てている森林官から届いたメッセージ紹介します

こんにちは森林官です! 

根釧西部森林管理署 川湯森林事務所 森林官 土居 拓務

弟子屈町

根釧西部森林管理署川湯森林事務所では、釧路市から80キロメートルほど北上した川上郡弟子屈町の最北部に位置する川湯担当区約9,872ヘクタール及び北東部に位置する美留和担当区約9,760ヘクタールの計19,630のヘクタールの国有林を管轄しています。

両担当区の全域は阿寒国立公園に指定されています。そのため、国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るという国有林野事業の本旨に加え、例えば“景観美を次世代に残す”といった自然公園法上の目的について、より一層、考慮しながら業務を遂行しています。

以下、両担当区が位置する弟子屈町について簡単に触れます。

弟子屈町の主要産業は農業と観光業になります。
今回、主に弟子屈町の観光地に焦点を当て、私見を交えつつ紹介したいと思います。

この文章を読んで、両担当区が位置する弟子屈町について、少しでも興味を持って頂けたら幸いです。

摩周湖

摩周湖

弟子屈町は、世界有数の透明度を誇る摩周湖、世界で2番目に大きなカルデラ湖である屈斜路湖、川湯温泉や摩周温泉のような温泉街に硫黄山など、著名な観光資源を数多く有しています。

私見になりますが、摩周湖や屈斜路湖のような日本を代表する自然観光資源を同時に2つ有している自治体は非常に稀有なのではないでしょうか。

"霧の摩周湖″として知られる摩周湖は、面積約19平方キロメートル、平均水深約140メートルもあるカルデラ湖です。その水深と透明度の高さから青色以外の光を反射させにくく、湖面は"摩周ブルー"と言われるほど青く澄んでいます。

屈斜路湖は面積約80平方キロメートル、平均水深は約28メートルのカルデラ湖です。

1970年代には、"恐竜クッシ-″の目撃説で騒がれました。恐竜についての真相は定かではありませんが、屈斜路湖沿岸にある観光地〝砂湯″には、毎年、多く観光客が訪れています。

この “砂湯”と言う名称は、湖水縁の砂を掘ると温泉が出てくることに由来しています。

夏はキャンプ場として賑わい、冬には白鳥の飛来が見られ、年間を通じて自然豊かな景観を眺めることができます。

硫黄山の白つつじ

硫黄山の白つつじ

硫黄山

硫黄山

川湯温泉街から約3キロメートル離れた硫黄山は、明治時代には硫黄採掘量が全道で1位となるほどの埋蔵量を誇っていました。
鉄道が引かれたのも北海道で2番目※1)と、いち早く近代化が図られた地です。

鉄道が走った期間は僅か9年と短かったのですが、今でも廃線跡の一部を見ることができます。また、春から夏にかけて一面に咲き乱れるエゾイソツツジの花や、山地から吹き上げている大量の硫黄の煙などの魅力的な風景もあり、多くの観光客が訪れています。

(※1)明治13年の札幌-手宮間。明治15年の札幌から三笠市幌内炭坑に延長及び手宮から小樽港に延長を1つの路線として考えた場合に2番目となります。

なお、摩周湖、屈斜路湖、硫黄山などは、単なる観光地としての魅力に止まらず、様々な研究者がその研究対象にもしています。

摩周湖や屈斜路湖は、まだ解明されていない謎が多く、硫黄山の歴史は鉱山研究の上で貴重な資料でもあると聞きます。

川湯担当区の国有林

地域をさらに絞り、弟子屈町における川湯担当区の国有林に話を切り替えます。

もし、私が観光客に「国有林内に観光地はありますか?」と聞かれましたら、ポンポン山(川湯担当区4298林班)、キンムトー(川湯担当区4301林班)、屈斜路湖温泉(コタン温泉)、池の湯温泉(川湯担当区4309林班)、そして"アカエゾマツ″という樹種を紹介します。

森林への関心が高い人からの質問でしたら、併せて、大正14年に植栽されたトドマツ林(川湯担当区4296林班)、昭和44年の早い段階に試験的に植えられたストローブマツ林(川湯担当区4293林班)なども紹介したいところです。

大正14年植栽のトドマツ林は川湯担当区内で最も古い造林地であり、関心を示してくれる人も多いと思われるからです。

昭和44年植栽のストローブマツ林については、私のお気に入りの森林だからです。

ストローブマツ

ストローブマツ

ストローブマツはもともと成長が早い樹種なので、他の樹木よりも明らかに高くそびえています。
さらに、その樹皮も特徴的です。

等間隔に竹のような節(輪生節)があり、仮に緑に着色したならば、樹木にも関わらず、竹と見分けがつかないほどにも感じます。一見したところ、どこも似たような林相をしている中、ここだけは明らかに特徴があるため、個人的にお気に入りの場所です。

再び観光地としての担当区の国有林について紹介します。

冬のポンポン山

冬のポンポン山

ポンポン山とは、火山性の小円丘です。

地面を踏むとまるで床下が空洞になっているかのように"ポンポン″と音が鳴るのが特徴です。
地面の各所から煙が噴き出しており、地熱もあるため冬でも雪が積もらず、通常は卵で越冬するマダラスズ(コオロギの一種)が冬でも活動しています。

キンムトー(4301林班)

キンムトー(4301林班)

キンムトーとは、国有林内にある、雨水や湧水が溜まって作られた約4ヘクタールの沼です。
周囲が森林に囲まれ、静寂に包まれる様子から、観光客から"神秘の沼″などと呼ばれています。
人の気配が少ないため動物も多く、写真家が訪れることも多い所です。

なお、ポンポン山、キンムトーにしましても、長時間林内を歩行するため、ヒグマとの遭遇や滑落などの危険性が伴うことを留意し、慎重な行動を心掛ける必要があります。

入林承認申請書

入林承認申請書

事務所備付パンフレットなど

事務所備付パンフレットなど

併せて、国有林内への立入に際しましては、事前に森林事務所等にて、入林の申請をして頂きますよう、
ご協力をお願いいたしております。

冬の屈斜路湖と白鳥

冬の屈斜路湖と白鳥

屈斜路湖温泉(コタン温泉)、池の湯温泉は、弟子屈町役場が管理している屈斜路湖沿岸の公衆露天風呂になります。

池の湯温泉(4309林班)

池の湯温泉(4309林班)

露天風呂に入りながら屈斜路湖を一望できるだけでなく、冬季には数えきれないほどの白鳥が周囲に飛来し、観光客を楽しませます。

アカエゾマツの森

"アカエゾマツ″はマツ科トウヒ属の常緑針葉樹です。
本州の一部、北海道の東部や北部で見られる樹種で、エゾマツと並んで北海道の木にも指定されています。

アカエゾマツは他の樹種と比較して成長は早くないものの、土壌条件が悪い土地でも育つと言う特徴を持っています。
川湯担当区は硫黄山の噴出による火山灰などにより、土壌が酸性化しており条件が良くないため、アカエゾマツが一斉林を形成している箇所が多くあります。

川湯温泉街にあるエコミュージアムセンターの裏には"アカエゾマツの森″と呼ばれる散策路もあります。

アカエゾマツの森(4279林班)

アカエゾマツの森(4279林班)

そして、最近、川湯温泉の森林資源であるアカエゾマツを活用して、地域を活性化させようとする動きがあります。北海道の下川町がトドマツ精油で地域を活性化させ、釧路市(音別)はカラマツ精油での地域活性化を試しています。

それと同様に、川湯温泉ではアカエゾマツ精油を活用しての地域活性化が検討されています。
いつの日か、アカエゾマツと川湯温泉の響きが深い繋がりを持つように思っています。

最後に

国有林野事業の本旨は、適切な森林経営による公益的機能の発揮であり、森林官はその現場における職務を担っています。
加えて、近年〝開かれた国有林″とのスローガンの下、森林官は地域の窓口として、より一層、地域と国有林との連携が求められています。

しかし、私は一人の森林官として常々考えていることがあります。

それは「森林官として、どこまで地域に携わることが許されるのか?」ということです。                           

国家公務員は全体の奉仕者であって、物事に対して中立でいなければなりません。そのため、あらゆる活動に対して慎重にならざるを得ず、「対応が遅い。」、「回答に時間がかかり過ぎる。」といった不満や、「融通が利かない。」と思われてしまうことも少なくないかと思います。

森林官も国家公務員であって、法令違反や不公平等がないか慎重に検討している旨、この場を借りて、ご理解を頂けたらと思います。

今後とも、森林の公益的機能の維持発揮および〝開かれた国有林″として、地域の活動にも精一杯貢献していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 

根釧西部森林管理署
川湯森林事務所 
住所:北海道川湯郡弟子屈町川湯温泉1丁目8-10-2

電話:015-438-2052 

 

 川湯森林事務所

 

 森林官とは? 

「森林官」とは林野庁の森林管理署の出先機関である森林事務所の責任者です。

それぞれの管轄する国有林において、森林づくりを進めるための各種調査、植林・伐採・林道等の管理事業等に係る監督や検査、森林パトロール、境界の管理、動植物の調査、森林教室のインストラクター、特別司法警察員としての「森林警察」業務など多岐にわたっています。 

 

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