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北海道森林管理局

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    林業試験場道北支場 公開講座「森林を活かす道づくり」参加レポート(平成26年12月24日掲載)

    12月18日(木曜日)、中川町役場で開催された(地独)北海道立総合研究機構 林業試験場 道北支場(中川町)による公開講座に参加してきました。

    この講座は、同試験場が地域の特性に応じた森林や地域のみどりづくりを推進するため、試験研究から得られた新しい知識や技術を普及することを目的に開かれているもので、当日は近隣の林業関係者約30名ほどの参加がありました。 

     

    山で木や薪を伐り出したり、遊んだり野外活動などをするには、そこまで到達する道(作業道)の整備が必要です。

    今回の講座では同試験場の対馬支場長が講師となり、「森林を活かす道づくり」というメインテーマの紹介からスタートし、続いて作業道の施工方法や林業のための構造や配置などについて2つのテーマで講義が行われました。 

    林業試験場道北支場による公開講座

    テーマ1:田邊式作業道の施工方法について

    この講義では「田邊式作業道」の作設技術の解説が行われました。

    この作業道は、設置現場に生える植物の根や葉を含む表土と、表土の下にある土とを交互に積み重ねて強度を保つのが特徴である「四万十(しまんと)式作業道」の技術をベースに展開したもので、その作設基本技術は次の4点です。

     

    1. 表土を活用し、路肩に層状に積み重ねて崩れにくくする
    2. 道幅全体を深く掘って土を混ぜ返し、均一な路盤を作る
    3. 雨水が集まって土を洗い崩さないよう、水を散らす工夫をする
    4. カーブでは路肩をしっかり盛り、緩やかで曲がりやすい曲線にする

     

    盛土による均質な路体づくり、法(のり)の安定を生み出す表土の配置、きめ細やかな水処理、木材の搬出を意識した線形の作業道で、30度を超える傾斜地にも対応できるものとなっており、ていねいな造りで「森林を活かす道」として評価を得ています。

    講座の開催地である中川町では、町有林にこの方式の作業道の作設を行い、一般民有林へ普及するとともに、森林所有者の林業経営意識を高めていきたいと考えているとのことでした。

     

    テーマ2:森林作業道について

    この講義では、伐採後の木材を林内から加工場まで運搬するにあたって要する総費用(道路の作設費用+運搬費+集材費)を最小化するためには、次のような因子をどのように組み合わせると最適化されるか、その指標(目安)を出すための試みについて解説が行われました。

     

    1. 対象エリア内から出材される木材の量
    2. 次の点を考慮した木材運搬に使用する林業専用道(注1)及び森林作業道(注2)の作設割合等
    • 作設単価の差(林業専用道>森林作業道)
    • 走行できる車両の種類の差(10トントラックor林業機械)
    • 走行速度の差(林業専用道>森林作業道)

     

    道路を作設するには対象エリアから出材される木材の量に見合った規模(延長)の検討が必要。

    林業専用道は森林作業道に対して高規格なため、大量の木材を積載できる大きなトラックが速く走ることができるが、その反面、高コストとなる。一方、森林作業道は安価に作設できるが速度が遅く、木材の積載量が少ない林業機械でなければ走行できない。両者の役割分担を検討し、それぞれの作設延長及び割合を決めることが必要。

     

    高度で難しい内容でしたが、森林技術・支援センターで技術開発を進めている「北海道型作業システムを踏まえた路網作設に伴う林業生産コスト低減の検証」の中でも課題として捉えていることから、今後も同試験場と情報交換しながら開発を進めていきたいと考えているところです。

     

    注1 林業専用道とは、幹線となる林道を補完し、森林作業道と組み合わせて、森林施業を行うための道路をいい、従来の林道と比較して、地形に沿った線形及び勾配を採用して土工量の軽減を図り、簡素な構造を目指す新たな林道。 「普通自動車」(10トン積程度のトラック)が走行でき、設計速度は林道(20~40キロ)に対して時速15キロと低速となっている。

    注2 森林施業のため継続的に用いられる道であり、主として「林業機械」の走行を予定するもの。地形に沿うことで作設費用を抑えて経済性を確保しつつ、繰り返しの使用に耐えることを目指す簡易な作業路。 

     

     森林技術・支援センターでは、引き続き民有林と国有林の連携推進、情報交換等を図っていくため、このような場に積極的に参加して行きたいと考えてます。

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    北方森林学会でポスター発表(平成26年12月15日掲載) 

    森林技術・支援センターでは、11月12日(水曜日)に札幌コンベンションセンターで開催された「第63回北方森林学会大会」(北方森林学会主催)に参加し、「大型機械による地表処理10年後の状況:ブラッシュカッターとレーキドーザの比較」についてポスター発表を行いました。

    この大会は、道内の森林・林業に関する研究機関及び大学関係者等が日頃の研究成果を発表するもので、シンポジウム、口頭発表、ポスター発表が行われました。

    当日は、午前中に「生態系サービスの評価を可視化・地図化する:理論から実践へ」をテーマにシンポジウムが行われ、国立環境研究所の研究員ら4名による講演がありました。

    午後からは、ポスター発表(経営、森林技術、造林、林政、保護などの分野別)と口頭発表(保護、経営、利用、造林)が行われました。

    生態系サービスの評価を可視化・地図化する~理論から実践へをテーマにしたシンポジウム
    「生態系サービスの評価を可視化・地図化する~理論から実践へ」をテーマにしたシンポジウム

     

    森林技術・支援センターでは、ポスター発表(造林部門)において「大型機械による地表処理10年後の状況~ブラッシュカッター(写真参照)とレーキドーザの比較」について、次のような内容を解説したポスターを展示しました。

    • 平成12年度に、地表処理箇所からの土砂流出などの環境負荷の低減を図るため、「ブラッシュカッター」アタッチメントを装着したバックホウ(=油圧ショベル)による天然更新補助作業を実施し、隣接地ではレーキドーザー(熊手を装着したブルドーザ)による地がきを行い、その後の天然更新状況に比較を行った
    • ブラッシュカッター
    • ブラッシュカッター
    • (高速で回転する刃が植生を刈り取り、粉砕する)
    • ブラッシュカッターを装着したバックホウ
    • ブラッシュカッターを装着したバックホウ  
    • 平成20年度(処理後8年)の天然更新による稚樹の生育状況は、ブラッシュカッター処理区で平均5千本/ha、レーキドーザー処理区で5万5千本/ha。レーキドーザー処理区の方が約10倍の更新成績となった
    • 平成26年度(処理後14年)の天然更新による稚樹の生育状況は、ブラッシュカッター処理区では天然更新した稚樹がほぼ消滅。レーキドーザー処理区は2万本/haとなった 

    詳しくはこちら(発表ポスター)(PDF:857KB) をご覧ください。

    来場者に解説する森林技術・支援センター所長
    来場者に解説する森林技術・支援センター所長
     

    また、ポスター発表のコアタイムには、当センターの所長がポスターの前に立ち、来場者への解説と質問への回答を行いました。 

    この発表には多くの来場者に興味を持ってもっていただき、

    •  もう少しササの密度が低いところで試験を行えば、良い結果が出たのではないか(笹の密度の違いによる天然更新結果の比較も必要ではないか)
    •  土砂流出を抑えなければならない箇所や貴重な動植物の生息地など、特に環境に配慮した施業をしなければならないところでは有効な技術となるのではないか

    といった声などをいただきました。

    この試験地は当時、最新鋭の機械として導入された「ブラッシュカッター」を、天然更新施業に活用する試みでしたが、地下に張り巡らされているササの根系を十分に処理出来なかったため、良好な更新成績を得ることができませんでした。

    しかし、ブラッシュカッターは、地表をレーキ(熊手)で引っ掻くレーキドーザと違い、地表面を直接攪乱しないことから、土砂流出に特に配慮が必要となる沢沿いなどの場所で、天然更新補助作業を行わなければならない場合には有用であると考えられます。

    このことから、良い更新成績が出なかった、ブラッシュカッター”単独”の作業ではなく、バケットを装着したバックホウによる地がきも併用するなどの工夫を行い、下層植生の繁茂を抑制し、下刈作業を省力化させるなどの方法を、引き続き検討し、発展させていく必要があると考えているところです。

     

    今後も、このような発表の場に積極的に参加し、森林技術・支援センターの取組みについて紹介していきたいと思います。

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      試験地の冬支度~防鹿ネットの撤去作業(平成26年12月3日掲載)

    森林技術・支援センターでは、「天然林での樹種の多様化を図る更新方法の開発 」のために士別市の国有林に試験地を設定しています。

    試験地には各プロット内の植生を鹿の食害から守るために防鹿ネットを設置していますが、本格的な降雪期をひかえた10月末、雪害によるネットの破損を防ぐため、撤去作業を行いました。

    車窓からの雪景色

    当日は初雪が降り、作業現場が近くなるにつれて、路面に積もった雪の量が増え、もうすでにネットが雪に埋もれてしまっているのではないかと心配になってきました。

     山は雪景色

    作業現場の近くに到着しました。

    思ったとおり雪が10センチ位積もってました。

    車を降りて、防鹿ネットは大丈夫かなと思いつつ、雪を踏みしめながら試験地へ登ります。

    雪に埋まったネット

    やっぱり、ネットに雪が積もり、埋まりかけていました。

    撤収作業1 

    さて、作業開始です。

    雪に埋まったネットを引っ張りながら外していきます。

    固定ひも

    ネットを固定しているヒモをほどく作業は分厚い手袋をはめていてはできません。

    雪景色の中、素手での作業です。

    それにしても手が冷たい{{ (>_<;) }}

    撤収作業2

    この作業箇所は、稚樹の発生を促すために地がきを行った試験区です。

    来年もネットを張る箇所なので、融雪後すぐ張り直せるよう、ネットは現地に残すことにしています。

    そのため、雪でネットが破損しないように地面に打ちこんである短管にしっかり固定しました。

     

    防鹿ネットは試験地内の28箇所に設置してあり、2班に分かれて作業を進めましたが意外と時間がかかります。

    寒い中、少しでも早く終わらせようと、休憩もそこそこにがんばり、最後は来年ネットを設置しない箇所から撤去したネット等の資材を、みんなで担いで車まで下山。

    この難儀な作業も無事に終了しました。  


    今年この試験地を訪れたお客さん(?)たちを紹介します。

    これらの写真は、当センターと共同で調査を行っている(独)森林総合研究所北海道支所が設置した自動撮影装置がとらえたものを提供してもらいました。

    試験地に現れたヒグマ

    ある夏の日、遊びに来た(?)ヒグマ

    試験地に現れたエゾシカ 

    エゾシカも試験地に興味津々(?) 

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     カラマツの天然更新状況調査(平成26年11月12日掲載)

    森林技術・支援センターでは、平成24年度から、カラマツ人工林を帯状に伐採した跡地で地表処理を実施し、天然力を活用したカラマツの低コスト造林技術の確立を目指した技術開発を進めています。 

    平成24年度はカラマツの実が不作だったことや地表処理(地がき)を行った時期が遅かったため、天然更新の結果があまり良くありませんでしたが、平成25年度からはカラマツ母樹から落下した種が自然に発芽し、沢山の稚樹が元気良く育っています。

     

    そして今年の秋は、昨年と比べても「ビックリ!」するほど沢山の稚樹が芽を出していました!

    天然更新状況調査は、この様な天然更新したカラマツの稚樹を一つ一つ計測し、そしてその一つ一つにナンバー札を付ける細かい作業の連続です。

    立ったり屈んだりの繰り返しでかなり足腰にはこたえます。

    カラマツの母樹の下にある試験区に沢山の稚樹が生えています。 

    カラマツの母樹の下にある試験区に沢山の稚樹が生えています。

    この試験区の調査だけでも一時間以上かかり、うれしい!・・悲鳴です。

    更新状況調査

    稚樹は1センチ~5センチと小さく、小さな稚樹を見つけるのに、だんだん目が疲れてきます。

    ナンバー付けた稚樹

    この一画にはカラマツの種が沢山落ちたらしく、稚樹が9本も芽を出してました。

    そのためナンバー札もこんなに混雑。

    すべての調査区画を終了するのに今年は4日間もかかりましたが、無事に終わってホッとしています。 

    山もすっかり冬支度

    今年はカラマツの着花状況が良く、沢山の種子が落ちているのが確認できたので、来年の調査時はどうなっているでしょうか?

    きっと、沢山の稚樹が芽を出し、「とっても!とっても!(笑)うれしい悲鳴」をあげることになるのではと楽しみに(笑)しているところです。

    山はもうすっかり冬支度。

    まもなく真っ白な季節がやってきます。 

    吊り花

    今年は、吊り花が咲く前に写真に収めることができました(^.^*

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    お問合せ先

    森林技術・支援センター

    〒095-0015
    北海道士別市東5条6丁目
    TEL 0165-23-2161
    TEL 050-3160-5755(IP)
    FAX 0165-23-2164

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