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豊かな森林をつくることは、きれいな水と空気をはぐくみ土砂災害を防止するほか、 地球の温暖化を防止するためにもきわめて重要です。
森林づくりには長い年月と、 適切な手入れが必要で、森林づくりのための一連の作業を造林事業といいます。
名古屋事務所では、 富山県、岐阜県、愛知県内の国有林を管理する森林管理署等に対し、 それぞれの国有林の自然条件等に配慮をした「豊かな森林づくり」が適切に実施されるよう、 造林事業の技術指導を行っています。

豊かな森林をつくるために行っている主な作業を紹介します。
(各作業の写真にカーソルを合わせると、作業後の写真が見られます。)

伐採後の林地には伐採木の一部や枝などが散乱しています。植付作業前に林地を整理し苗木の植え付ける場所を整える必要があります。この作業を地拵(じごしらえ)作業といいます。

その土地、気象条件にあった苗木を一本一本丁寧に植え付けます。植える樹種はヒノキが主体となりますが、ケヤキなどの広葉樹の植栽も行っています。
植え付け時期は春と秋が一般的ですが、名古屋事務所管内の国有林では、主に春に植え付けを実行しています。

植栽木と競合する雑草を除去することにより、植栽木の健全な成長を助けます。この作業は、苗木を植栽した年から雑草との競合から抜け出す5~6年間、毎年実施します。

植栽木にからみつく、クズやフジなどの「つる類」を取り除きます。

植栽木の間に侵入した雑木・灌木や、植栽木の中でも育つ見込みのないものを除去し、健全な育成を手助けします。

節のない柱や板がとれる優良材をつくるため、下枝を切り落とします。
また、枝打を行うことによって、林内の風通しが良くなり病虫害の予防などの効果も期待されます。

植栽木が成長するに従い、木と木の間が混み合ってきて、林内に光が入らなくなり十分な成長が出来なくなります。そのまま放置しておくと、やがて地表の土が流出するようになり、豪雨時に山地災害の原因にもなります。
そこで、植栽木の成長を助け災害にも強い森林にするために、生育の悪い木などを伐り倒してやります。


間伐が実行されず、真っ暗な森林(写真上)
と適切に間伐が実施された森林(写真下)
森林づくりの方法として、人の手によって植林するのではなく自然の力で森林を再生させる方法があります。これを天然更新(天然林施業)といいます。
天然更新の場合は、多種多様な樹種が混成した豊かな森林が形成されますが、 その反面、 森林として成林するまでに長い年月がかかり、 気象条件の厳しい箇所等では森林の再生そのものが出来ない箇所もでてきます。
そのため国有林では、 稚樹の発生状況を毎年調査し、必要に応じ稚樹の発生や育成を助ける作業を実施するなど、 着実な天然林の再生に取り組んでいます。
一面を笹に覆われ、樹木の稚樹の発生が期待できないため、およそ半分の笹を刈払い、稚樹の発生を促します。

種(ドングリ)がネズミなどに食べられないよう、種を植えた上にムシロをかぶせ、稚樹の発生状況を調べる試験地。

天然更新が完了した林分。

森林を育成していく過程で、 植栽した苗木が育成途中に野ネズミ、野うさぎ、カモシカなどに食べられて枯れてしまう被害や、 成林した樹木でも、 クマに樹幹の皮を剥がされたり、 松くい虫、 カシノナガキクイムシで枯れてしまう、などの被害がしばしば発生します。
国有林では、 こうした病虫獣等の被害から森林を守る取り組みを行っています。

野うさぎに幹をかじられて、枯れた苗木。

植林した苗木をカモシカの食害から守るため、侵入を防ぐネットを設置。

一本一本の苗木に食害防止用のカバーを設置。