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中部森林管理局

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    天生(あもう)湿原GSS活動日誌(平成30年9月)

    天生湿原GSS活動日誌 

     

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    平成30年9月28日(金曜日)

    秋の深まりを一足早く告げてくれる『ナナカマド』の実です。
    今年はとりわけ結実が良いようで、どの木もたわわに実を付けています。
    実の房が上向きになっているものと、下向きになっているものがあるようです。
    これは、単に結実の良いものが自重で下を向いているだけの事でしょうか?
    それとも、少し種類が違っているのでしょうか…?

    登山道脇に、黒いツヤのある実に真っ赤な袴をつけたような可愛い実がありました。
    『ツクバネソウ』の果実です。
    ツクバネソウの名前は、羽子板でつく(打つ)羽からつけられたそうです。

    『サワフタギ』の実です。
    今年は例年より多く実をつけているようです。
    どこにでもある木なのですが、今年は存在感がとても大きく感じます。
    秋は赤い実が多いのですが、サワフタギの爽やか青さはひときわ印象的です。
    赤い実は鳥の目に留まりやすいので鳥がよく食べると言われますが、青い実は誰が食べるのでしょうね。

    『トチバニンジン』の実です。真ん中が黒色になったものを『相思子様人参』といいます。
    いわくありげな名前ですが、「相思子」=唐小豆(薬草だそうです)に、似た=様、な人参です。
    「ソウシシ・ヨウ・ニンジン」と読むのが正解のようですね。

    『ヒメモチ』の実です。
    よく、ミヤマシキミと混同されますが、
    全体の背丈が違うこと(本種のほうが大きい)
    ヒメモチは葉先が尖ること(ミヤマシキミは丸い)
    ヒメモチの実は新葉の下に付くこと(ミヤマシキミは茎の先端に付く)で区別されます。
    秋は花が少ない季節ですが、少し視点を変えて「実」を鑑賞するのも楽しいものです。

    平成30年9月23日(日曜日)

    本日は快晴で、北アルプスが一望できました。
    天気が良いこんな日は、作業もはかどりますね。

    登山道の補修も私たちの大切な仕事の一つです。

    特に登山道の階段に使用する横木は、登山靴によって踏まれたり、朽ち木を食べ物としている菌類(この写真の場合はカワラタケ)によってボロボロになります。
    その為、5~6年で補修が必要となります。

    新しい横木を入れた後は、階段の段差を調整する為に、土などを入れる必要があります。
    材料としては、周囲の腐葉土や、朽ちてしまった横木を細かく砕き再利用します。

    横木には、台風で倒れたり、折れてしまった枝を活用します。
    台風の被害木も、このように有効的に利用されます。

    平成30年9月22日(土曜日)

    天生の森の中でパトロールや作業をしていると、随所で様々なキノコを見かけます。
    食用のキノコを探している訳ではないので、名前も知らないものがほとんどです。
    本日は、食べられそうにはないけれど、形や色が美しいキノコをご紹介します。

    まず、こちらは『イヌセンボンタケ』です。
    生えている場所には「これでもか!」というほど生えています。
    1cmにも満たない小さなキノコですが、拡大して見ると、純白で細かなヒダが緻密な陶器のようで、素敵なキノコです。

    『サンゴハリタケ』です。これも純白のキノコです。
    キノコらしくなく、無数の針(毛?)のようなものが下向きに伸び、5~10cm程度の塊になります。
    なんだかフサフサ&モフモフでちょっとユーモラスですね。
    (調べてみると、食べられるそうです。ただし、責任は持てませんので自己責任で…。)

    『モエギビョウタケ』です。
    湿った朽ち木の表面に1~5mmくらいの丸く平べったいキノコが無数にくっついています。
    キノコらしくありませんが、短いながらも柄の部分もちゃんとあるようです。
    やや高山性のキノコのようです。

    黒真珠のようなキノコです。名前は調べてみましたがよくわかりません。
    本物の黒真珠にそっくりで、艶々とした表面がとてもきれいです。
    糸を通せばネックレスにでもなりそうですね。

    『ツリガネタケ』です。
    サルノコシカケなどの仲間です。多年生のキノコで、年々大きくなっていくそうです。
    大きさはまちまちですが、数10cmになる大型の系統のものと、5cm前後の小型の系統のものがあります。
    小型のものは群生することが多いようです。
    写真のものは小型の系統のものです。いずれにしても形は釣り鐘状になり、かなり硬くなります。

    平成30年9月20日(木曜日)

    秋の初め頃、登山道でよく見かけるタマゴタケ(キノコ類)です。
    真っ白な皮膜に覆われた下から、鮮やかな朱色の本体がのぞいています。
    なんとも可愛らしい色合いです。

    タマゴタケの上に、小さなカタツムリが乗っていました。
    カメラを近づけて撮影するまで、その存在には気づかないほどの大きさ(5mm程度)です。
    はじめはゴミが付いているのかと思いました。
    「見ているようで見ていない世界」があるのですね。

    こちらは、樹皮の破片や落ち葉をひっくり返した時に、発見した『マルトビムシ』です。
    本日、パトロールの途中で偶然、土壌生物を研究してみえるY氏ご夫妻にお会いしました。
    関東地方から、はるばるこの天生へ来て下さったとのこと。
    ご夫婦で、土壌生物などの研究の為に、写真撮影をしてみえるそうです。
    本日撮影された写真を少し見せて頂きました。
    普段、何気なく踏み歩いている落ち葉や土の中にも、色々な生物たちが生活している事を改めて教えられました。
    そんな訳で、少し触発されて撮影してみたのがこの写真です。
    (機材、知識とも全くありませんので、Y氏に見せて頂いた写真とは比べるまでもありません…。)

    マルトビムシよりも、もっと小さい(1mm以下)トビムシの仲間です。
    トビムシの仲間以外にも、ダニの仲間、それらを捕食しているカニムシの仲間など、想像以上に土や落ち葉の中には多数の生物たちが生活しているようです。

    土壌生物とは言えないかもしれませんが、湿気の多い朽ち木や樹木の空洞などによく見かける『ザトウムシ』の仲間です。
    小さな昆虫や土壌生物を補食しているクモの仲間です。
    接写して拡大したものを見ると、機械仕掛けのオモチャ・ロボットのようにも見えますね。


    登山道の端にあった小さな石をひっくり返してみると1cm程度の昆虫がくっついていました。
    よく見るとハネカクシの仲間かハサミムシの仲間のようです。
    おそらく、トビムシやダニなどを補食している肉食昆虫でしょう。
    この肉食昆虫もモグラやヒミズのような、地中を住み家とする小型のほ乳類などに捕食されています。
    という事は、モグラは地中の食物連鎖の頂点にいる動物なんですね。
    もちろん、モグラも地上へ出ればフクロウなどの猛禽類に捕食されるのですが…。

    平成30年9月16日(日曜日)

    天生湿原も秋色です。
    今年はナナカマドの実も多く、赤色も鮮やかです。
    今はまだ葉は緑色ですが、これから除々に色づきはじめ、木全体が赤に染まるのも間近かでしょう。

    夏場は天生へ避暑に訪れていた蝶『アサギマダラ』です。
    秋の深まりと共に、そろそろ暖かい地方へ移動していく頃です。

    下の動画は『ホコリタケ』別名『ケムリタケ』の胞子が飛散する様子を撮ったものです。
    茶色っぽく熟したものは、袋の中に胞子を沢山作っており、指などで潰すと大量の胞子を空気中にまき散らします。
    その様子が「埃が飛び散っている」ように、又「煙がモクモクと立ちのぼっている」ように見えます。
    それをお伝えしたく、動画にしてみました。
    ホコリっぽい様子を見ると食べる気にはなりませんが、白色の未熟なホコリタケは食用になります。


    平成30年9月14日(金曜日)

    先週の台風21号は、天生の森にも大きな被害をもたらしました。
    その惨状をお伝えします。
    こちらは、ブナ探勝路にて、ブナの大木が根こそぎ倒れたものです。
    写真で確認できる根張りの直径は5m近くになります。
    歩道をふさぐ形で倒れた為、緊急に迂回路を作りました。

    こちらは、籾糠分岐のオオシラビソの大木群が強風により、へし折られた様子です。
    直径60cm前後の大木が、一瞬にしてこのようになったかと思うと、台風の凄まじさを思い知らされます。
    左手にみえる木は、かかり木(折れて隣の木にもたれ掛かった状態)になっているものです。
    かかり木状態になると、大変危険な為、立入禁止のテープありますので絶対に近寄らないようにしてください。

    ちょっと一息。
    こちらは、ブナ探勝路にあったブナの大木の幹の一部を写したものです。
    写真の中に、ある生き物が写っていますが何か分かりますか?
    ヒントは、写真の中央部付近です。

    答えは、こちらです。
    ゲテモノが苦手な方に配慮して、ピントは少しぼかしてあります。

    ゲテモノが苦手な方は、この下の写真は覚悟して見てください。
    正解は…ガマガエルです。
    ガマガエルは、ヒキガエルやヒキ、ガマとも呼ばれています。
    あまりの台風の凄まじさに、ガマガエルも木のウロ(洞)に避難していたのでしょう。
    まるで、置物のように鎮座していますね。

    平成30年9月3日(月曜日)

    天生の森にある、食べられる実をご紹介します。
    まずこちらは『ツノハシバミ』の実です。
    今年は例年に比べ非常に良く実をつけています。
    この実の中には、おいしい種が入っています。
    味はまさにヘーゼルナッツです。
    ちなみに、近縁種のヨーロッパハシバミの実が正真正銘のヘーゼルナッツです。

    こちらは『カヤ』の実です。
    飛騨地方では食用として販売されています。
    雌雄異株なので、雌木にしか実はつきません。

    いわゆるドングリですね『ミヤマナラ』の実です。
    現代では一般的に食用にはされませんが、古代においてが重要な食料の一つでした。


    なんだか海の中に浮かぶ機雷のようにも見えますが、じつは『ヤマボウシ』の実です。
    飛騨地方の70代くらいの方々は、子どもの頃おやつとして、この実を食べたそうです。
    まったりとしたマンゴーのような感じで、自然の中にある木の実の中ではもっとも美味しかったそうです。
    ちなみに、こちらはまだ緑色で熟れていません。食べ頃は赤く熟してからです。

    こちらはアクが強く熊でも食べないと言われる『トチ』の実です。
    今年は豊作で、登山道沿いのトチの大木からはボタボタと実が落下する音が聞こえます。

    熊は食べませんが、飛騨地方ではトチ餅やトチの実煎餅として食用になります。
    食べるには強いアクを取り除く必要がある為、写真のように干した後、広葉樹の灰と共に水にさらし、
    口に入るまでには大変な手間がかかります。
    「お餅の中ではトチ餅が一番好き」という方もいるくらい、飛騨地方では欠かせない物です。

    平成30年9月1日(土曜日)

    9月に入りました。
    9月に見頃を迎える植物をご紹介します。
    まずこちらは『アケボノシュスラン』です。
    こちらは、まだ蕾の状態です。

    アケボノシュスランは、開花するとこのようにアケボノ色になります。
    植物についている名前の中でも、とても素敵な名前の一つだと思います。
    (例えば、とても可憐な花にも関わらずヘクソカズラなどと命名している物もあります。その植物に少し失礼ですよね。)
    蕾の頃の純白から、うっすらとピンクがかった色への変化を楽しんでください。

    こちらは、赤い実が目をひく『タケシマラン』です。
    これだけ分枝して、実がたわわになっているものは、天生ではあまり見かけません。
    よく似た小型の『ヒメタケシマラン』は天生で良く見かけますが、あまり分枝をせず、実の数も1~3個くらいです。

    タケシマランの実です。
    この写真をみていると、サクランボから甘い果汁が滴っているような感じですが、舐めてみると勿論ただの水滴ですよ!

    こちらは『エゾリンドウ』です。
    リンドウというと紫色のイメージがありますが、天生で見るエゾリンドウはスカっと晴れた秋の青空のようです。
    これから紅葉の時期にかけて、このエゾリンドウの爽やかな「青」がきわだって見えます。

    本日はうす曇りだった為、花は閉じていますが、日差しがあると花弁が開きます。
    ただ完全に開くことはありません。ハチなどの小さな昆虫が出入りできる程度に開きます。